不動産売却にかかる手数料とは?仲介手数料などの費用全般をご紹介
2020.05.28

不動産を売却する際には、仲介手数料をはじめ、さまざまな費用が発生します。これらの費用は、法令や商慣習によって金額や支払うタイミングが定められており、場合によっては想像よりも多くの支出が必要となる場合もあります。そのため、安心して売却をするためには、どのような費用があるのかをあらかじめ把握しておくことが重要です。今回は、今のうちに知っておきたい不動産売却時にかかる費用について解説していきます。
不動産売却時における手数料などの費用一覧
不動産売却時には主に以下のような費用がかかってきます。
項目 |
詳細 |
仲介手数料 |
・不動産の売却が成立した際に、取引額に応じて仲介手数料を不動産会社へ支払う |
税金 |
・印紙税 |
抵当権抹消費用 |
・ローンの抵当権を抹消する費用(売却物件に、所有件以外の抵当権などが設定されている場合) |
ローン返済に掛かる費用 |
・ローンが残っている場合 |
その他必要に応じて払う費用 |
・引っ越し手数料、測量費用、建築解体費用など |
必要な費用項目や金額は、売却する不動産の種別や状況によって異なります。
そのため、実際の支払い時に困ることのないよう、まずは手数料や費用の相場をあらかじめチェックしておくと良いでしょう。
それぞれの項目については、後ほど1つずつ詳しく解説していきます。
不動産売却時の仲介手数料について

仲介手数料とは
仲介手数料とは、仲介業務を依頼した不動産会社に対して支払う費用です。
この仲介手数料は、売却成立時に成功報酬として支払うものとなっており、その報酬金額は法律によって上限が定められています。
そのため、契約が成立しなかった場合には、基本的に支払いの必要はありません。なお、支払いのタイミングは、売買契約時と物件引き渡し時に半分ずつ支払うケースが一般的です。
仲介手数料の上限額
仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法で下記のように定められています。
売買価格 |
仲介手数料の上限 |
200万円以下の部分 |
取引額の5.5%以内=(5%+消費税) |
200万円超400万円の部分 |
取引額の4,4%以内=(4%+消費税) |
400万円を超える部分 |
取引額の3.3%以内=(3%+消費税) |
上記のとおり、仲介手数料は不動産の売買価格によって金額が異なります。
上限額を超えた場合は違法となるため、不動産会社への仲介依頼時には、どのような取り決めとなっているのかを必ず確認しましょう。
400万円を超える物件の計算方法
売買価格が400万円を超える場合の仲介手数料の計算方法をご紹介します。
仲介手数料は費用の中でも特に大きな支出となるため、実際にかかる費用をある程度予測するためにも、事前に計算しておくことがおすすめです。
ここでは具体的に、売買価格が6,000万円の計算方法を解説します。
【例】
6000万円の場合:
売買金額が400万円を超える場合は、それぞれの金額帯を区分して計算し、それらを合計したものが仲介手数料の金額です。計算方法は下記をご覧ください。
a) 200万円までの部分
(200万円 × 5%)+ 消費税 = 110,000円
b) 200万円超 400万円までの部分
(200万円 × 4%)+ 消費税 = 88,000円
c) 400万円超 6,000万円までの部分
(5,600万円 × 3%)+ 消費税 = 1,848,000円
上記合計) = 2,046,000円
不動産仲介手数料の速算式
仲介手数料は、下記の公式を用いることで速算することができます。
(売買価格 × 3% + 6万円) + 消費税 = 仲介手数料
ここでも売買価格6,000万円を例にして計算してみましょう。
(6,000万円 × 3% + 6万円)+ 消費税 = 2,046,000円
このように計算することで、区分での計算をすることなく、仲介手数料の金額を算出することができます。
不動産売却でかかる税金各種

不動産を売却した際には、各種税金がかかります。
ここで覚えておきたいポイントは、不動産を売却して得た利益には税金がかかるという点です。まずは、主にかかる税金の種類を見ていきましょう。
・印紙税 |
印紙税
印紙税とは、売買契約書を作成した際に課税される税金です。この印紙税は売却時の利益の有無にかかわらず支払いが必要となっており、売買契約書に記載された売買価格に応じた収入印紙を契約書面に貼付し、消印を押すことで納税をします。
なお、印紙税は軽減税率の適用があるため、収入印紙を購入する前に税額をチェックしておきましょう。また、売主・買主双方で契約書を2枚作成する場合は、それぞれに印紙代を負担することが一般的です。
譲渡所得税
不動産売却で利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に基づいて「住民税」と「所得税」が課税されます。このとき手に入れた利益は「譲渡所得」とよばれ、給与所得などの他の所得とは分離して課税されます。
譲渡所得の計算方法は下記のとおりです。
譲渡所得(売却益)=譲渡価格―(取得費+譲渡費用) |
ここでのポイントは、譲渡所得は単に購入金額と売却金額の差ではなく、「実際に得た利益」
という点です。そのため、上記のように、譲渡価格から不動産の購入金額と、それに要した費用の合計である「取得費」、そして売却するために要した仲介手数料や測量費用などの「譲渡費用」を差し引いて算出します。
したがって、この計算によって利益が出なければ課税されない仕組みとなっているのです。
なお、売却する不動の所有期間(長期譲渡所得か短期譲渡所得)によって適用される税率が異なることにも注意が必要です。
基本的には所有期間が長いほど税率が低くなっており、所有期間が5年以下か、5年を超えるかで課税方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。
消費税
不動産売却に関する消費税は、課税対象と非課税対象のものがあります。基本的には、売主や手数料の支払先が課税事業者である場合は課税、個人である場合は非課税として、まずは覚えておくとよいでしょう。
したがって、不動産会社への仲介手数料や住宅ローン手数料、司法書士報酬などは課税対象であり、個人所有の土地や建物などを売却する場合は非課税対象となります。
ただし、投資用マンションなどの収益不動産については、個人所有であっても課税対象となるケースもあるため注意が必要です。
登録免許税
登録免許税とは、不動産を登記する際に課税される税金です。
不動産の情報は、権利の保全や取引の安全性を図るため、登記簿謄本と呼ばれる帳簿に記録され、一般に公開されています。
この帳簿に記録することを登記と言い、登記をする際には登録免許税と呼ばれる税金がかかります。なお、登録免許税は登記を依頼する司法書士を通じて納税することが一般的です。
各種税金を支払うタイミング
税金は「いつ支払うのか」も重要なポイントなのでおさえておきましょう。
各種税金の支払うタイミングは一般的に以下の通りです。
印紙税 |
売買契約締結時 |
譲渡所得税 |
売却翌年の2月16日から3月15日の間 |
消費税 |
各課税業者への報酬支払い時 |
登録免許税 |
決済・引き渡し時 |
特に譲渡所得税が発生する場合は、売却が完了した後に納税するため、支払い前に手元の資金がなくなることがないよう、税額をしっかりと把握しておくことが重要です。
司法書士に支払う登記費用

不動産売却時には、司法書士に対して登記費用を支払うケースがあります。それはどんな時、どのような状況で必要になるのでしょうか。
不動産売却における司法書士の仕事とは?
司法書士とは、裁判所や検察庁、法務局に提出する書類作成や登記手続きを本人に代理して行う法律の専門家です。不動産取引においては、主に相続登記や売買における所有権移転登記などで登場します。
抵当権抹消費用とは
不動産売却時で支払う登記費用として最も一般的なものが、抵当権抹消費用です。
抵当権とは、銀行が住宅ローンとして金銭を貸した際に、家を担保に取る権利のことを言います。この抵当権は不動産登記簿謄本に設定されており、完済するまではその記録が抹消されません。
不動産を売却する際には、抵当権が設定されたままでは買主へ引き渡すことができないため、住宅ローンの残債を完済し、抵当権を抹消する必要があります。そして、この抹消手続きに必要な費用が抵当権抹消費用です。
抵当権抹消費用の内訳
抵当権抹消費用には、登録免許税と司法書士へ支払う手数料の2つが含まれます。
抵当権の抹消は、不動産登記簿謄本の内容を変更する登記手続きです。
そのため、他の登記手続きと同様に、国税である登録免許税と登記を代理する司法書士への手数料を支払います。
費用相場は、抵当権の数や依頼する司法書士への手数料によっても異なりますが、概ね1万円~2万円が妥当と思われます。
その他不動産売却時に必要に応じて支払う費用
これまで解説した費用や税金の他にも、さまざまな費用が発生する可能性があります。
引越し費用 |
売却する物件に住んでいる場合は必要になる |
リフォーム費用 |
物件をリフォームしてから売却する場合は必要 |
測量費用 |
売却物件に土地が含まれている場合は必要。費用は土地の広さや形状によって異なる |
建築解体費用 |
物件を解体し更地にして渡す場合、基本的には売り手側の負担になる |
金融機関事務手数料 |
住宅ローンの残債を一括弁済する際に、金融機関に対して支払いが必要 |
既存住宅状況調査(ホームインスペクション) |
義務化されていないが、調査を行うことで販売上のPRおよび取引の安全につながる。調査する場合は、費用として数万円程度かかる |
上記の様な費用は、物件売却のために何が必要かによって大きく異なります。そのため、自分の所有している物件に必要な費用を事前に想定しておくとよいでしょう。また、自分で判断が難しい場合は、不動産会社へ相談することもおすすめです。
不動産売却にかかる費用は実績のある不動産会社への相談を!

不動産売却に要する費用全般を解説しました。売却にかかる費用は決して少ない金額ではないため、解説した内容を参考にして、あらかじめご自身で概算金額を計算してみるようにしましょう。
ただし、実際にかかる費用は、物件の種類やプランによって異なるため、心配な場合は、実績のある不動産会社への相談が安心です。
なお、不動産売却をご検討の方も、まずは不動産会社への相談をおすすめします。
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不動産売却に関するよくあるご質問
仲介手数料の上限額は以下の公式で速算することができます。
(売買価格×3%+6万円)+消費税=仲介手数料
例えば売買価格6,000万円の場合、204万6,000円になります。
決められた上限額よりも高い仲介手数料を受け取ってはいけない決まりになっています。
実績のある不動産会社へ相談されることをおすすめします。
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