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[記事公開日]: 2013/07/15 [最終更新日]:2022/09/08

【2022年】住宅取得資金贈与の特例
― 非課税特例の変更点など徹底解説 ―

期間:2023(令和5)年12月31日までの贈与
※令和4年度改正にて2年延長されました

住宅等取得資金贈与の特例とは、子や孫が住宅を購入するために父母または祖父母が援助した資金に対して、一定の金額までは贈与税を課税しないという制度です。なお、既に支払い開始している住宅ローンの返済に対する援助は、この制度の対象ではありません。

贈与税は1年単位で課税される暦年課税です。贈与税には基礎控除110万円が設定されているため、一年の贈与額が110万円以下なら課税されません。ただし、住宅購入資金のような大きな金額では110万円を超えてしまいます。このような場合に、住宅取得等資金贈与の特例を利用すれば、最大500万円(一定条件を満たす質の高い住宅ならば1,000万円)までが非課税となり、110万円の基礎控除額と併せて最大1,110万円までの贈与が非課税になります。

特例の概要および改正点

これまでは、この特例の非課税枠は契約日で段階的に限度額が設定されてきました(表1参照)。

今回の改正では、住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期にかかわらず、住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした次に掲げる住宅用家屋の区分に応じ、それぞれに定める金額となります。

非課税限度額

① 耐震、省エネまたはバリアフリーの住宅用家屋 1,000万円

② 上記以外の住宅用家屋 500万円

非課税枠は贈与される側に対するものであり、祖父や父など複数の人から贈与を受ける場合の合計です。

この特例を利用した非課税分の贈与は、相続開始前3年以内に行われたものでも相続財産には含まれず、相続税の課税対象にはなりません(通常、相続開始前3年以内に行われた贈与は相続税の課税対象です)。

令和4年度の改正点をまとめると次のとおりです。

①贈与期限 2年延長 → 2023(令和5)年12月31日まで
②非課税限度額 1,500万円 → 1,000万円(省エネ、耐震性、バリアフリー性能に優れた住宅)
1,000万円 →  500万円(上記以外の一般住宅)
③適用対象住宅 築年数要件を廃止
新耐震基準に適合(昭和57年1月1日以降に建築された住宅は新耐震基準に適合とみなす)
④受贈者の年齢要件 20歳以上 → 18歳以上

※上記(②を除く)の改正は、住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例措置についても同様とします。

※上記改正は、令和4年1月1日(上記④の改正は令和4年4月1日)以降の贈与から適用する

(表1)過去の贈与税非課税枠の限度額

契約日 消費税10%適用時 左記以外(※1)
質の高い住宅
(※2)
一般住宅
(左記以外)
質の高い住宅
(※2)
一般住宅
(左記以外)
2019年4月1日
~2020年3月31日
3,000万円 2,500万円 1200万円 700万円
2020年4月1日
~2021年12月31日
1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円

(※1)消費税率8%で住宅を取得した場合、または個人間売買等で消費税が非課税だった場合
(※2)省エネ性能、耐震性能またはバリアフリー性能において一定の基準を満たす住宅

主な適用条件等一覧

  住宅取得等資金贈与の特例
贈与者(意思表明可能な人) 直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母・・・)
受贈者 その年の1月1日現在18歳以上の直系卑属 ※令和4年3月31日までは20歳以上
その年の合計所得2,000万円以下の者に限る(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、1,000万円以下)
原則、贈与の時に日本国内に住所を有する者
取得する住宅 新築または取得した家屋の登記簿上の床面積は40㎡以上240㎡以下
中古住宅の場合、新耐震基準に適合する住宅(
築年数要件廃止
※登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降なら新耐震基準に適合とみなす
増改築の場合、工事費用が100万円以上
控除額(非課税枠)
  • 1,000万円
    (省エネ、耐震またはバリアフリー性能において一定の基準を満たす住宅用家屋)
  • 500万円(上記以外の住宅用家屋)
選択手続 贈与を受けた年の翌年3月15日までに申告(入居済であること)
※基礎控除110万円以下なら申告不要
税率 非課税枠を超えた部分の課税税率
【暦年課税制度】超過累進税率 10%~55%(8段階)
※相続時精算課税制度を選択していた場合は一律20%
相続発生時の相続財産への加算 非課税の特例のため、相続財産への加算なし
特別控除の複数適用 なし
適用期限 2023(令和5)年12月31日までの贈与

申告方法

納税地の所轄税務署に申告する【e-Tax(電子申告)、郵便または信書便で送付、持参】。

なお、暦年課税で贈与税の基礎控除額110万円以下なら申告は不要です。

ただし、住宅等取得資金贈与の特例で非課税額の範囲内でも、110万円を超えているならば申告は必要です。


暦年課税と相続時精算課税の比較

贈与税の課税方法には、「暦年課税」の他に「相続時精算課税」という2つの制度があります。相続時精算課税制度には贈与回数に関係なく2,500万円の非課税枠があり、暦年課税と比べて一度で多くの贈与をすることができます。

ただし、この2,500万円は贈与税が非課税になるだけで、将来の相続時に相続財産と合算されて相続税が計算されます。あくまでも課税の先送りですが、これは財産の早期移転を促すもので、資産の少ない若い世代にとって、住宅ローンの負担軽減や、賃貸マンション購入による収益を得られるというメリットがあります。遺産が不動産などの場合、相続の際は贈与時の時価で遺産に加えられることになるため、贈与後に不動産の価値が上がったとしても、その分相続税の計算が有利になります。

また、2,500万円の非課税枠は贈与者一人当たりの額であり、両親からそれぞれ贈与を受ける場合は合計5000万円が非課税となります。さらに、父親、母親がそれぞれ別の課税方法を選択することも可能です。例えば、父親からは暦年課税でもらい、母親からは相続時精算課税でもらうというやり方ができます。

もし、贈与金額が2,500万円を超えた場合は、一律20%で贈与税が課税されます。なお、支払った贈与税分は相続税の計算時に差し引かれます。

  暦年課税 相続時精算課税制度
一般枠 住宅取得等資金
贈与者(意思表明可能な人) 親族ほか、第三者からの贈与を含む その年1月1日現在60歳以上の父母または祖父母

父母、祖父母等の直系尊属

※年齢制限なし

受贈者 年齢制限なし その年1月1日現在18歳以上※の直系卑属である推定相続人(通常は子または孫、世襲相続人を含む。養子でも可)※令和4年3月31日までは20歳以上
控除額(非課税枠)

基礎控除(毎年)
年間110万円

特別控除
累積で2,500万円

選択手続 贈与を受けた年の翌年3月15日までに申告
※基礎控除以下なら申告不要
贈与を受けた年の翌年3月15日までに申告
税率 超過累進税率
10%~50%(6段階)
一律20%
制度選択後の贈与の累積額が特別控除額を超過した場合に課税される
相続発生時の相続財産への加算 相続開始前3年以内の贈与財産を相続財産に加算。
相続税を計算し、既に支払った3年以内の贈与税があれば差し引く
制度適用後の贈与財産をすべて相続財産に加算して相続税を計算、既に支払った贈与税があれば差し引く(または還付)
特別控除の複数適用 なし 父母(養父母)から、それぞれ可能
適用期限 なし なし 2023年12月31日までの贈与

 

相続時精算課税制度の注意点

相続時精算課税制度を一度利用すると暦年課税を選択することはできなくなり、贈与税の基礎控除が使えなくなります。その為、贈与が110万円以下の場合でも届け出が必要になります。また、相続時精算課税制度を利用するためには事前に税務署への届け出が必要ですが、一度届け出るとその後の取り消しはできません。

相続時精算課税制度との併用

「住宅取得等資金贈与の特例」は、「相続時精算課税制度」と併用ができます。この場合、非課税枠が最大で3,500万円(省エネ性能、耐震性能またはバリアフリー性能において一定の基準を満たす住宅。それ以外の一般住宅は3,000万円)となります。

その内、相続時精算課税の2,500万円分の贈与財産は相続時に相続税の課税対象となり、2,500万円を超えた贈与金額は一律20%で贈与税が課税され、相続税の計算時に差し引くことができます。

相続の方が得の場合も

大きなメリットのある贈与税の特例ですが、将来、親の自宅を相続する予定のある場合は注意が必要です。

亡くなった親から自宅を引き継ぐことになった時に、相続税の計算で土地の評価額が最大80%も下がる「小規模宅地等の特例」がありますが、この特例の対象になるには、自宅を相続する人が亡くなった人の「配偶者」または「同居していた親族」という条件を満たす必要があります。もし、既に子が親から資金を援助されて手に入れた家に住んでいた場合、この特例が使用できません。

贈与税の非課税枠を使いマイホームを購入したものの、結果的に「同居を続けて、5000万円の土地が80%減の1000万円の評価で済む相続税の特例を使った方が得だった」というケースになるかもしれませんので、将来、土地の相続を予定している場合は、慎重に検討する必要があるでしょう。

ちなみに、配偶者も同居していた親族もどちらも存在しない場合には、『別居だけど3年以上借家に住んでいる親族』が特例を受けることができます。別居している子に将来自宅を相続する予定がある場合は、家を購入させず賃貸住まいさせておく方が良いかもしれません。


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