2022年の住宅市場の動向

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2022年の住宅市場の動向

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が、2019年12月初旬に中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから2年が経ちました。日本においては、2020年1月15日に最初の感染者が確認され、東京都では2020年3月下旬から5月下旬にかけて区部を中心にCOVID-19の最初の大きな流行がみられました。東京は3度の緊急事態宣言を経て、2021年のオリンピック開催に合わせて4度目の緊急事態宣言が発出されるなど、感染者数は増減を繰り返しています。

最近の状況としては、全国の新規感染者数は大幅に下がり、東京も低い数字で推移しています。それに伴い、療養者数、重症者数や死亡者数も減少傾向です。

今後は、自粛ムードが緩和され社会活動のさらなる活発化による感染拡大が想定されています。住宅購入検討者にとっては、コロナだけではなく、これからの不動産市場の動向も気になるところでしょう。

【2022/1/5追記】
東京都内では、この年末年始に新型コロナウイルスの感染確認が増加、4日には約3か月前の去年10月3日以来150人を超えました。100人を上回るのは2日連続と増加のスピードがあがっています。また、オミクロン株の市中感染とみられるケースも増えていて、都は基本的な対策の徹底を重ねて呼びかけています。

不動産市場の現況

国土交通省が発表した2021年の基準地価(7月1日時点)によると、東京圏の地価は堅調に推移しています。新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド(訪日外国人)が急減したエリアでは下落が目立つものの、全用途平均では前年比0.2%の上昇がみられます。
都心部では海外勢の旺盛な投資意欲があり、オフィス用不動産の取引が活発です。海外不動産価格と比較すると日本の不動産価格は格安に映るため、海外投資ファンドが企業の業績悪化で売却されたビルなどを積極的に取得しています。また、不動産投資信託(REIT)の不動産取引も、19年(1.45兆円)、20年(1.39兆円)に比べて活発な動きを見せています。

2021年度基準地価格の対前年変動率の推移グラフ
 
2021年度基準地価格の対前年変動率の推移表

他にも、21年の基準地価格から住宅地の地価上昇が都心周辺エリアにも広がる兆しが見られますが、専門家によると、地価上昇が遠方へ波及する効果は限定的とのこと。

テレワークの普及で、都心から離れた郊外に引っ越すことが人気との報道もありましたが、こうした動きは一部であり、購入の基本は変わらず「都心部」「駅近」です。家を初めて購入するような若い世帯にとって、利便性も良く、買い物や遊べる場所が豊富な都心に家を持つことの方が魅力的に映るはずです。また、将来の住み替えを考えた場合、立地の良い都心の物件の方が売却に有利との考えもあります。

また、 国土交通省の発表する新設住宅着工戸数を見ると、19年、20年と新設住宅着工戸数は大幅に減少しており、現在の市場の住宅不足の状態を示しています。ただ、21年10月の発表によると、新設住宅着工戸数は7万8004戸(前年同期比10.4%増)と8ヶ月連続の増加と上昇傾向にあります。

新設住宅着工戸数の推移

都心の住宅は値上がり傾向続く

首都圏中古マンション㎡単価の推移

住宅不動産も中古マンション価格の値上がりが続くなど活況を保っています。最初の緊急事態宣言が出た2020年4月~5月頃には、首都圏の中古、新築共にマンションの成約件数が半減しましたが、緊急事態宣言が解除されると一気に好調へと転じ、今もなお好調を維持しています。2021年10月の首都圏の中古マンションの成約㎡単価は60.49万円/㎡と、前年比7.9%上昇し20年5月から18か月連続で前年同月を上回っており、特に都心部において値上がりが顕著です。

低金利で住宅ローンの控除も充実している今、購入意欲は高いものの、供給や在庫が少ないことが、この新築および中古マンションの値上がりの要因となっています。今までは価格変更というと値下げでしたが、売主が強気になれる現況においては、実際に値上げをする機会を目の当たりにすることが増えています。

次のグラフを見ると、戸建や土地も上昇傾向ではありますが、今のところ価格高騰が顕著に表れているのはマンションのみと分かります。実際の家の購入者の中には、最初はマンション希望で探していたものの、予算内で条件に合うものがなく、戸建へ希望を変えた方も少なくありません。

全国の不動産価格指数(住宅)の推移

不動産市場の動向

長らく住宅ローンの低金利が続いていますが、2022年もこのまま低金利が続くのか気になるところです。住宅ローン金利は日銀政策の影響を受ける市場金利に左右されます。変動金利は短期金利市場で資金を調達してくるので「日銀の政策金利」の影響を受けやすく、住宅ローンの長期固定金利(フラット35を含む)は、長期金利(10年国債金利)の影響を大きく受けます。

日銀は11月27-28日に開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定しました。供給制約や夏場の消費不振で2021年度の成長率見通しを引き下げたものの、緊急事態宣言の解除で個人消費に持ち直しの兆しが出てきていることなどから足元の景気判断を据え置きました。当面は感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を講じると改めて表明。政策金利は、現在の長短金利の水準またはそれを下回る水準で推移すると想定しています。

全期間固定金利「フラット35」

(独)住宅金融支援機構が11月1日に発表した、取扱金融機関が提供する「フラット35」(買取型)の11月の適用金利(借入期間21年以上(融資率9割以下))は、年1.330%(前月比0.030%上昇)~年2.210%(同0.040%上昇)。取扱金融機関が提供する金利で最も多い金利(最頻金利)は年1.330%(同0.020%上昇)で、2ヵ月連続の上昇となりました。

数年前と比べると、今のフラット35の低金利は特異な状態であり、今後の見通しは徐々に上昇していくと予想されていますので、金利から判断すれば今が借り時と言えるかもしれません。

フラット35金利推移グラフ(21年以上)

税制改正の影響

今後の住宅購入マインドに大きな影響が出ると予想されることに、2022年度の税制改正があります。今回の税制改正で政府は住宅ローン減税の控除率を、年末のローン残高の1%から0.7%へ引き下げました。

例えば、年末ローン残高が4000万円以上ある場合は年間40万円の減税を受けられましたが、控除率が0.7%になると年間28万円が上限となり、基本の控除期間10年間で計算すると、最大400万円だったのが最大280万円へと大きく減ってしまいます。

しかし、控除率を下げると同時に質の高い住宅(認定住宅)においては、控除期間を10年間から13年間に延長する措置も決めました。この場合、毎年28万円が13年間になれば総額最大364万円となり、現在の減税額との差が減ることになります。
これまでは、年間40万円の控除額があっても使いきれるのは一部のお金持ちだけとの指摘もありましたので、控除額が下がっても期間が延びるならば、より減税の恩恵を受けられる世帯が増えると歓迎の声もあります。


[記事公開日]: 2011/12/25 [最終更新日]:2022/01/05



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