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住宅の買い時2022

住宅の買い時を見極めるための金利動向や税制などのまとめサイト

[記事公開日]: 2011/12/25 [最終更新日]:2022/12/25

2023年の住宅市場の動向

新型コロナウイルスの流行で落ち込んでいた住宅市場も2021年頃から復調の兆しを見せていましたが、今後は厳しい状況になることが予想されます。家の購入や売却を2022年中に達成できなかった人は、これからの市場の動向に注意しながらタイミングを計る必要があります。

続く円安、不動産市場への影響

円安による影響の一つは建築費の上昇です。 東京外国為替市場の円相場は10月20日、一時「1ドル=150円」まで値下がりしました。ここまで円安が進んだのは、実に32年ぶりのことです。
円安が進んだ最も大きな理由は、アメリカの利上げに端を発した日米金利差の拡大にあるとされています。物価上昇が落ち着くまで利上げを続けるとするアメリカに対し、日本は金利を上げる様子はありません。
新型コロナウイルスによる働き手不足や輸送の停滞、ロシア・ウクライナ情勢が引き起こした木材や鉄鉱石、原油など資源価格の高騰により、建築費はすでに上昇傾向でしたが、円安がさらなる上昇を加速させています。

全国の不動産価格指数(住宅)の推移

このまま新築資材の高騰が続けば、需要が新築住宅から中古住宅へ傾向し、中古住宅価格の高騰を招く可能性もあります。

景気停滞、人口減少、募る将来への不安

他にも、市場が厳しい要因として、デフレ経済の長期化が挙げられます。今は多くの日本国民が豊かさを感じにくくなっており、特に、日本人の多くを占める中間層の所得が上がらず、住宅を購入する余裕が持てないということです。
この30年間、日本の経済成長は低いままで、日本の実質GDPは約1.25倍にしか増えておらず、他の先進国と比べると低い水準です。この経済成長の鈍化が、日本人の平均年収が約30年上がらない理由として考えられます。
企業は商品の値上げはするものの、これは高騰する原材料に対する行為であり、利益を増やして給料に反映させるわけでありません。

また、政府が進めるカーボンニュートラルへの対応のため、長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の拡充、LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅の普及推進が住宅業界には求められており、これが新築住宅の需要をさらに圧迫する可能性があります。例えば、東京都では大手住宅メーカーに対して、太陽光発電パネルを、新築一戸建てに義務化する条例導入の方針が打ち出されており、工務店や消費者の費用面の負担増が、住宅購入のマイナス要因になる可能性があります。環境にやさしいZEH-M(ゼッチマンション)の導入拡大も建築費を押し上げる要因です。

さらに、日本はこれから人口の減少が明白であり、中長期的にみれば人口減少は市場にとってマイナスです。現役世代の減少は、建設業界でも人手不足を招き、必要な住戸の確保が難しくなります。さらに、高齢化による熟練の大工の大量離職から品質の確保も課題となります。これら人手不足による人件費の上昇が労働需給を圧迫し、建築費の上昇傾向が今後さらに強まると予測されます。

将来推計人口

住宅ローン金利の上昇の可能性

消費者物価の急激な上昇を抑制するため、西側各国は相次いで金利引き上げを実施しています。これまで、日本は独自の金融緩和政策を変えようとする動きはありませんでした。しかし、19日から20日に開かれた12月の金融政策決定会合にて、日銀はマイナス金利政策等は据え置いたものの、従来、0%からプラスマイナス0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%程度に拡大すると、事実上の利上げに踏み切ることを決めました。長期金利と連動している固定金利型の住宅ローンはその影響が出やすいため、これから固定金利を予定される方は注意が必要です。一方、短期金利と連動している変動金利は今回の決定ですぐに金利が上がることはないですが、2023年には日銀総裁の交代が予定されており、今後、賃金や物価の上昇が続けば、日銀が金融政策の転換をして金利の引き上げを決定する可能性があります。円安基調が一段落して住宅価格の抑制に効果が期待できますが、一方で住宅ローン金利の上昇を招くことになるでしょう。

固定金利のフラット35の金利は上昇傾向

フラット35金利推移グラフ(21年以上)

広がる住宅格差社会 市場の二極化へ

日本の中間層が住宅購入で厳しさを増すなか、国内の富裕層や海外投資家にとっては、この低金利、円安の続く状況は買い時と捉えられています。特に資産価値の高い都市部の不動産は、ドル経済圏の人からすると大変魅力的に映るはずです。その為、価格の高騰は大都市圏や駅近エリア、郊外でも利便性の高いエリアと限定的であり、地方の一部地域では世帯数の減少により過疎化がみられるなど、都市部と地方との格差が広がっています。

これまでなら購入の候補に入っていたエリアの物件に手が届かなくなり、エリアを変えたり、住宅のランクを下げざる得なくなる状況が今後増えてくるかもしれません。自分の希望通りの物件が購入できるうちに、早い決断が必要とされるでしょう。


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