マンション投資の利回り とは?都内の相場やシミュレーションを解説

マンション投資する際は、利回りの計算方法を把握しておくことが大切です。しっかりと基本を知っておかなければ、取り返しのつかない損をしてしまうことになりかねません。本記事ではマンション投資の利回りについて説明し、都内の相場やシミュレーションを解説します。

マンション投資の利回りと計算方法について

マンション投資をはじめるうえでかならず知っておくべきなのが利回りと計算方法です。利回りには主に2つの種類があります。

表面利回り

実質利回り

表面利回り

表面利回りとは、物件の収益性を示す指標の一つです。物件の年間家賃収入を物件価格で割った値に100をかけることで求められます。

ただし、物件価格に諸費用(取得費用や修繕費用など)は含みません。

【表面利回りの計算式】

表面利回り = (年間家賃収入 ÷ 物件価格) × 100

実質利回り

実質利回りとは表面利回りに加え諸費用を考慮した、より実際的な収益性の指標です。諸費用には物件の取得費用、修繕費用、管理費用、税金などが含まれます。

実質利回りは、手元に残る年間収益(正味家賃収入)を物件の実質取得価格で割った値に100をかけることで求められます。

【実質利回りの計算式】

実質利回り = (正味家賃収入 ÷ 実質取得価格) × 100

マンション投資の利回り相場

マンション投資を成功させるためには、あらかじめ相場を把握しておくことが大切です。ここでは以下3種類の相場を説明します。

区分マンションの利回り相場

一棟マンションの利回り相場

都内のエリア別利回り相場

区分マンションの利回り相場

築年数 平均利回り
新築(築10年未満) 4.48%
中古(築10年~20年未満) 4.90%
中古(築20年以上) 8.10%

※参考:健美家(けんびや)「収益物件市場動向四半期レポート<2022年10月~12月期>」

一棟マンションの利回り相場

築年数 平均利回り
新築(築10年未満) 5.23%
中古(築10年~20年未満) 6.57%
中古(築20年以上) 8.30%

※参考:健美家(けんびや)「収益物件市場動向四半期レポート<2022年10月~12月期>」

都内のエリア別利回り相場

都内はそれぞれのエリアによって期待される利回りが異なります。

一般的に高級住宅街や交通の便が良いエリアは物件価格が高くなる傾向にあるため、利回りは低くなることが一般的です。一方、物件価格が比較的安いエリアでは利回りが高い傾向にあります。

以下は2019年度のデータですが、2023年現在もあまり変わりはありません。

順位 区名 利回り 前年からの上昇率
1位 葛飾区 7.57% +0.26%
2位 足立区 7.27% +0.03%
3位 中野区 6.39% +0.26%
4位 世田谷区 6.35% +0.11%
5位 杉並区 6.33% +0.21%

※参考:健美家(けんびや)「東京23区賃貸マンション利回りランキング」

マンションの利回りシミュレーション

ここでは実際の利回りを以下2つのケースでシミュレーションしてみましょう。

都内新築マンションの場合

都内中古マンションの場合

都内新築マンションの場合

・築年数:新築
・面積:約30.75㎡
・立地:東京都内(JR山手線代々木徒歩3分)
・物件価格:8,000万円
・年間家賃収入:2,400,000円(200,000円×12ヶ月)
・物件購入時の経費:600万円
・年間運営経費:264,000円(22,000円×12ヶ月)

この場合、利回りは以下のとおりです。

【表面利回り】

(年間家賃収入 ÷ 物件価格) × 100
2,400,000円÷8,000万円×100=3%

【実質利回り】

(正味家賃収入 ÷ 実質取得価格) × 100
(2,136,000円 ÷ 8,600万円) × 100 ≒ 2.48%

都内中古マンションの場合

・築年数:築22年
・面積:約30.75㎡
・立地:東京都内(JR山手線代々木徒歩3分)
・物件価格:5,000万円
・年間家賃収入:1,860,000円(155,000円×12ヶ月)
・物件購入時の経費:400万円
・年間運営経費:240,000円(20,000円×12ヶ月)

この場合、利回りは以下のとおりです。

【表面利回り】

(年間家賃収入 ÷ 物件価格) × 100
1,860,000円 ÷ 5,000万円 × 100 ≒ 3.72%

【実質利回り】

(正味家賃収入 ÷ 実質取得価格) × 100
(155,000円×12ヶ月-20,000円×12ヶ月) ÷ 5,400万円 × 100 ≒ 3.0%

マンションの利回りを考えるときの注意点

マンションの利回りを考えるときには、さまざまな注意点があります。ここでは特に気をつけるべき点を3つ紹介します。

税金や管理費、維持費などもシミュレーションする
表面利回りでなく実質利回りを確認する
利回りが低下するリスクに備える

税金や管理費、維持費などもシミュレーションする

まず、税金や管理費、維持費などのコストをシミュレーションすることが重要です。これらはマンションを購入した場合、かならずかかってくるコストだからです。

どれだけ良い立地にあってもなんらかの理由で維持費が高くなると、実質利回りが低くなってしまいます。

表面利回りでなく実質利回りを確認する

表面利回りは物件価格に対する家賃収入の比率を表しますが、管理費や税金などを含みません。どれだけ表面利回りが高くても、実質利回りが低ければ「儲かる」とはいえないでしょう。

実質利回りを算出することで、物件の実際の収益性をある程度正確に把握できます。

利回りが低下するリスクに備える

マンション投資は家賃収入に依存するため、入居者減少や家賃下落のリスクがあることを念頭に置く必要があります。収益性を維持し安定した投資成果を得るためには、将来のリスクに備えることが大切です。

投資先の地域や物件の需要と供給、将来的な修繕費用などを見極めましょう。

マンション投資のリスクを軽減する方法はこちら

利回りが高くても避けたほうが良いマンションの特徴

中には、利回りが高くても避けたほうが良いマンションがあります。以下5つに当てはまる場合、投資は控えることをおすすめします。

借地権物件

旧耐震基準の物件

管理状態が良くない物件

管理費や修繕積立金などコストが高すぎる物件

アクセスが悪い物件

借地権物件

まず、借地権物件は投資対象としておすすめしません。土地の所有権がなく、所有期間が限定されているため将来の投資収益が不透明だからです。

また、借地権の期限が切れた場合、建物が取り壊される可能性もあります。不動産投資においては避けたほうが良いでしょう。

借地権について詳しくはこちら

旧耐震基準の物件

旧耐震基準の物件も避けたほうが良いでしょう。地震や自然災害のリスクが高く、将来的に修繕費用がかさむ可能性があります。

できれば新耐震基準に適合した物件を選ぶことをおすすめします。多少取得価格は高くても、将来のリスクを抑え、安定した投資収益を得ることができるでしょう。

耐震基準について詳しくはこちら

管理状態が良くない物件

管理状態が悪い物件も避けてください。入居者が減少したり家賃が下落したりする可能性があるため、投資収益が低下するリスクが高いです。

しっかりと適切な管理状態を維持している物件を選びましょう。適切に管理されている物件は入居者や家賃収入が安定しており、投資収益をある程度確保することができます。

管理費や修繕積立金などコストが高すぎる物件

管理費や修繕積立金などのコストが高すぎる物件も危険です。投資収益を圧迫し、将来的に修繕費用がかさむ可能性があるでしょう。

コストが適正で将来的な修繕計画が適切に立てられている物件を選ぶことが大切です。

アクセスが悪い物件

アクセスが悪い物件もおすすめできません。入居者の確保が難しいため、家賃収入が低下する可能性が高いです。

できれば初心者は都心部や交通アクセスが良いエリアを投資対象に選びましょう。

マンション投資は利回りをしっかり計算しよう

マンション投資はリスクが高い投資です。表面利回りだけで判断せず、実質利回りを見て「どのくらい回収できるのか」を見極めましょう。その他にも、今回紹介した「避けたほうが良いマンションの特徴」を把握して、投資の参考にしてください。

マンション投資は、まず都心部の物件に投資するのがおすすめです。「TOKYO@14区」を運営する住建ハウジングでは、投資用の物件を多数ご用意しています。立地や価格、新築か中古かなどご希望に合わせて物件を絞り込めるので、ぜひお気軽にご利用ください。

投稿者プロフィール

石川充
宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。
お探しのエリアや購入価格から都内の物件を探せます

種別

エリア

物件価格

ABOUTこの記事をかいた人

宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士 1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。 その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。 現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。