一戸建てを購入する際、相場を知っておくと便利です。だいたいどのくらいなのかをあらかじめ知っておけば、計画的にマイホーム購入資金を貯蓄できます。本記事では一戸建ての相場や諸費用・年収の相場などを紹介し、できるだけ安く購入するコツも解説します。
一戸建ての相場とは

はじめに、一戸建てを購入する際の相場を首都圏と全国に分けて紹介します。
首都圏の相場
2020年度首都圏平均 | 2021年度首都圏平均 | |
---|---|---|
新築戸建(注文住宅) | 土地なし:3,808万円 土地あり:5,162万円 |
土地なし:3,899万円 土地あり:5,133万円 |
新築戸建(建売住宅) | 3,922万円 | 4,133万円 |
中古戸建 | 3,025万円 | 3,152万円 |
※参考 2020年度フラット35利用者調査
※参考 2021年度フラット35利用者調査
首都圏の場合、新築の注文住宅・建売住宅、中古戸建、土地ありを除けばすべて2020年度から高くなっています。物価高や円安の影響で、2022年度もさらに「高くなる」と考えられるでしょう。
全国の相場
2020年度全国平均 | 2021年度全国平均 | |
---|---|---|
新築戸建(注文住宅) | 土地なし:3,534万円 土地あり:4,397万円 |
土地なし:3,572万円 土地あり:4,455万円 |
新築戸建(建売住宅) | 3,495万円 | 3,605万円 |
中古戸建 | 2,480万円 | 2,614万円 |
※参考 2020年度フラット35利用者調査
※参考 2021年度フラット35利用者調査
全国でも2020年度から2021年度にかけて、すべての戸建てが高くなっています。首都圏に比べると全体的に相場が低い、というのも特徴的です。ただ、首都圏の戸建てと同じように、2022年度はより高くなる可能性がある点に注意してください。
一戸建ての相場は販売する会社によって違う
一戸建ての相場は販売する会社によって異なります。ここでは以下3つのケースで相場を紹介します。
ハウスメーカーの場合
工務店の場合
パワービルダーの場合
ハウスメーカーの場合
ハウスメーカーとは、簡単に言うと独自ブランドを持った大手住宅メーカーのことです。例えば、一般的に積水ハウスや三井ホームなどが該当します。
このような大手ハウスメーカーの坪単価はおよそ80~100万円ともいわれており、100万円を超えるケースはかなりハイクラスな部類になります。なお、タマホームやアイフルホームのようなローコストなメーカーであれば、坪単価40万円程度からというのが相場です。
工務店の場合
工務店とは、地元に根付いた施工業者を指します。ハウスメーカーと違ってプランの自由度が高く、間取りや内装・設備などを比較的自由に決められるのが工務店のメリットといえるでしょう。
自由に設計しやすい分、坪単価もハウスメーカーより高くなることが多いです。一般的な相場は50万円〜になるのが一般的です。
パワービルダーの場合
パワービルダーとは、あまり人気のない変形地などに住宅を建てる会社を指します。大手のハウスメーカーや工務店が手を出さないようなアクセスの良くない土地やいびつな形の土地をあえて購入します。
このようにあえて安いところに家を建て、コストを徹底的に節約するためリーズナブルであることが多いです。したがって、一戸建ての相場は3社のなかで最も安いといえるでしょう。
一戸建ての相場は材質によっても違う
一戸建ての相場や「木造」「鉄筋コンクリート」など材質によって異なります。ここでは以下3つのパターンで相場を紹介します。
木造の相場
鉄骨造の相場
鉄筋コンクリート造の相場
木造の相場
木造の相場は1㎡あたり17万円※、坪単価にすると56.1万円です。木造は断熱性や調湿性に優れているとされています。そのため、夏も冬も快適に過ごすことができるでしょう。
一方で、鉄骨と比べて壁や柱が多くなってしまうという欠点があります。また、鉄骨造住宅に比べて耐用年数が少なく設定されており、寿命も比較的「短い」とされています。ただし、定期的なメンテナンスやリフォームを心がければ、寿命より長く住むことができるでしょう。
戸建ての寿命は下の記事を参考にしてください。
※参考 国土交通省『建築着工統計調査』[2020年]
鉄骨造の相場
鉄骨造の相場は1㎡あたり23万円※、坪単価にすると約75.9万円です。鉄骨造は木造と違って、材質が安定している傾向にあります。また、強度が高く、耐震性や耐火性に優れています。木造より少ない柱で建てられるため、ある程度自由度が高い家にできるのも強みといえるでしょう。
ただ、木造ほど断熱性や調湿性に優れているわけではありません。夏は暑く、冬は寒くなりやすいと考えてください。また、基本的に木造よりも建築コストが高くなります。
※参考 国土交通省『建築着工統計調査』[2020年]
鉄筋コンクリート造の相場
鉄筋コンクリート造の相場は1㎡あたり27万円※、坪単価にすると約89.1万円です。鉄筋コンクリート造は鉄骨造よりさらに優れた耐震性や耐火性を誇ります。高い遮音性を誇り、耐用年数も木造より長くなります。
一方で、鉄骨造よりも相場が高くなる点に注意してください。また、建設に時間がかかる傾向にあります。場合によっては地盤の補強が必要になることもあるでしょう。
※参考 国土交通省『建築着工統計調査』[2020年]
一戸建ての購入にかかる諸費用の相場
一戸建ての購入は住宅代金以外にもさまざまな部分で費用が発生します。ここでは以下2つの相場を紹介します。
頭金の相場
税金などの相場
頭金の相場
頭金とは住宅ローンを組む際に、はじめに支払うローン部分以外の費用を指します。一般的に、一戸建ての頭金は物件価格の10〜20%とされています。実際に、住宅金融支援機構によると頭金の平均は以下のとおりです。
- 注文住宅:18.9%
- 土地付注文住宅:9.9%
- 建売住宅:7.9%
- 中古戸建:9.2%
頭金はゼロにすることもできます。ただし、ゼロにするのはメリット・デメリットがあるので注意してください。詳しくは下の記事で説明しています。
税金などの相場
一戸建ての購入は、土地・建物の代金や頭金以外にもさまざまな諸費用が必要になります。例えば印紙代や登録免許税などです。
このような諸費用の相場は、物件額の3〜9%といわれています。諸費用に関しては、下の記事を参考にしてください。
一戸建てを買うときの年収の相場
一戸建ての購入で気になるのが「みんなどのくらいの年収で購入を決めているんだろう」という点ですよね。ここでは年収の相場を以下2つのケースで紹介します。
1.土地付き注文住宅を買う場合
2.建売住宅を買う場合
どちらも以下の条件で解説します。
返済期間:35年
頭金:なし
金利条件:全期間固定金利1.5%
具体的にどのくらいの年収が必要かは、返済負担率を算出するのがおすすめです。返済負担率の相場は「25%以内」とされています。25%を超えてしまうと、返済が厳しくなってしまいます。
例えば、毎月10万円ずつ返済する場合、年間の返済額は120万円です。返済負担率が25%になる年収は「120万円÷25%=480万円」となります。したがって、年収480万円であれば、最大で毎月10万円ずつ返済できるような住宅ローンを組むのがおすすめです。
一戸建てを購入するタイミングについては下の記事をご覧ください。
土地付き注文住宅を買う場合
土地付き注文住宅の平均所要資金は冒頭で説明したとおり「4,455万円」です。4,455万円をすべてローンで借りる場合、毎月返済額は13万6,405円になります。
返済負担率が25%以内に収まるよう年収を逆算すると「13万6,405円×12ヵ月÷25%=約655万円」です。つまり、土地付き注文住宅を全額ローンで買う場合は、最低でも世帯年収が655万円以上必要といえるでしょう。
建売住宅を買う場合
建売住宅の平均所要資金は「3,605万円」です。3,605万円を全額ローンで借りると、毎月の返済額は「11万379円」になります。
返済負担率が25%以内に収まるよう年収を逆算すると「11万379円×12ヵ月÷25%=約530万円」です。建売住宅を全額ローンで購入する場合、必要な世帯年収は530万円以上であるといえるでしょう。
一戸建てを相場より安く買う方法

一戸建てを購入する場合、できるだけ相場より安く購入したいですよね。一般的に挙げられる「相場より高く買う方法」は以下の5つです。
- 値引き交渉する
- 低い金利のローンを利用する
- 仲介業者が入っていない物件を探す
- 自分で不動産登記する
- 決算時期の3月に購入を検討する
これらを実践すれば安く購入できる可能性がありますが、「仲介業者が入っていない物件を探す」はデメリットもあります。仲介業者に頼まない場合、仲介手数料はかかりませんが、ややこしい契約書の作成や売り主との交渉など購入に関する手間をすべて自分でやらなければなりません。
自分でできないこともないのですが、非常に手間がかかってしまいます。場合によってはトラブルに発展し「仲介業者を使っておけばよかった」と後悔するケースも少なくありません。このようなデメリットがある点にも注意しましょう。
相場を把握して戸建ての購入を目指そう
戸建ての相場は首都圏・全国で異なります。ただ、いずれの場合もあらかじめどのくらいかかるのか、を知っておくのが大事です。本記事で紹介した点を把握して、自分の世帯年収でどのくらいの戸建てが買えるのか、もしくは理想の戸建てを購入するにはどのくらいの年収や頭金が理想的なのか、などを考えておきましょう。
一戸建てを検討しているなら、住建ハウジングにお問い合わせください。「TOKYO@14区」を運営する住建ハウジングでは、一戸建ての物件を多数ご用意しています。立地や価格、新築か中古かなどご希望に合わせて物件を絞り込めるので、ぜひお気軽にご利用ください。
投稿者プロフィール

- 監修者
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宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士
1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。20年以上にわたり住建ハウジングと共同でマーケティング活動を行う。