一戸建ての住宅ローンを組むタイミングは?審査で重視されているポイントや通過するコツも解説

多くの方は、子どもの成長やライフステージの変化によって一戸建ての購入を検討します。ただ、人生でもっとも高額な買い物と言われることから、ローンを組むことに対して慎重になる人も多いでしょう。
本記事では一戸建ての住宅ローンを組むタイミングや計算方法、審査で重視されるポイントを詳しく解説します。 はじめに、一戸建ての住宅ローンを組む平均的なタイミングを解説します。『2020年度フラット35利用者調査』によると以下のとおりです。 以下では上記の内容を詳しく説明します。 まずは一戸建ての購入が「いくらかかるのか」を把握しましょう。「いくらかかるのか」がわかれば、ローンを検討するタイミングの参考にできます。
一戸建てを購入するのにかかる所要資金は以下のとおりです。

注文住宅:3,534万円
建売住宅:3,495万円

このように、一戸建てを購入するには3,500万円ほどの費用が必要であるとわかります。 一戸建て購入費用の総額は平均で3,500万円ですが、多くの方は住宅ローンを利用します。『2020年度フラット35利用者調査』によると、住宅ローン借入時の平均世帯年収は602万円です。
602万円は世帯年収である点に注意してください。たとえば、以下のケースはどちらも「世帯年収600万円」といえます。

● 夫:年収300万円、妻:年収300万円
● 夫:年収600万円、妻:年収0万円

ローンを検討している人の年収が300万円でも、配偶者が300万円であれば世帯年収は600万円となります。
上記はあくまで平均ですが、世帯年収が600万円未満だと、そもそも住宅ローンに申し込めない可能性がある点に注意してください、多くの住宅ローンは、申込条件が「年収が300万円以上」などと決められているのです。 住宅ローンを組む際の平均年齢は40.3歳です。多くの方が40歳で住宅ローンを組む理由は、完済時年齢に条件があることも多いからです。
メガバンク3社の住宅ローン条件を見てみましょう。

● 三菱UFJ銀行:完済時80歳まで
● 三井住友銀行:完済時80歳まで
● みずほ銀行:完済時80歳まで

住宅ローンの返済期間は、一般的に30年〜35年です。一戸建ての購入を慎重に考えすぎると、年を重ねてしまい、申込条件に当てはまらなくなってしまう恐れがあるのです。
住宅ローンを使って一戸建ての購入を検討する場合、申込条件の完済時年齢はしっかり確認しましょう。 気になるのが「いくらの一戸建てを購入できるのだろうか」という点でしょう。いくらの一戸建てが購入できるかは、頭金と住宅ローン借入可能額によって決まります。 頭金とは、住宅価格のうち現金で払う金額のことです。多くの場合、貯金から生活予備費など必要不可欠な分を差し引いた額が頭金になります
『2020年度フラット35利用者調査』によると、平均的な頭金の額は下記のとおりです。
  頭金 融資金 その他資金
注文住宅 619.0万円
(17.5%)
2,822.8万円
(79.9%)
92.0万円
(2.6%)
土地付き注文住宅 440.5万円
(10.0%)
3,765.5万円
(85.6%)
191.3万円
(4.4%)
建売住宅 247.3万円
(7.1%)
3,032.8万円
(86.8%)
215,1万円
(6.2%)
上記のとおり、一戸建ての場合は頭金を200~600万円ほど用意するのが一般的です。
なお、頭金は0円(フルローン)にすることもできます。しかし、頭金がないと「審査が通りにくい」「総返済額が増える」などのデメリットが生まれるので注意してください。 住宅ローン借入可能額は、一般的に年収によって決まります。住宅ローンの借入限度額は「年間返済可能額÷12ヵ月÷審査金利での100万円あたりの返済月額×100万円」です。
年間返済可能額は金融機関によって異なりますが、以下のような形で設定されることが多いです。
年収 返済比率
300万円以下 25%以内
300万円超400万円以下 30%以内
400万円超700万円以下 35%以内
700万円超 40%以内
「審査金利での100万円あたりの返済月額」は金利と返済期間によって異なります。たとえば、金利1%で返済期間が35年なら2,822円です。
以下では、それぞれの年収で借入限度額の目安を紹介します。なお、「返済比率」は上記の最大、「審査金利での100万円あたりの返済月額」は2,822円(金利1%、返済期間35年)とします。
年収 住宅ローンの借入限度額(目安)
300万円 2,215万円
400万円 3,544万円
500万円 5,168万円
600万円 6,201万円
700万円 8,268万円
同じ年収でも、家族の人数やライフスタイル、金利や返済年数などで異なるため、あくまで目安として利用してください。 住宅ローンはかならず審査を受けなければなりませんが、基本的に、金融機関は審査内容を公表していません。そこで役に立つのが住宅金融支援機構の2021年度『住宅ローン貸出動向調査』です。
『住宅ローン貸出動向調査』によると、金融機関が審査において重視している点のTOP3は以下のとおりでした。 返済負担率は「毎月返済額÷月収」です。たとえば、次のような条件で住宅ローンを検討しているとしましょう。

● 毎月返済額:10万円
● 月収:25万円

「10万円÷25万円」であり、返済負担率は40%です。
一般的に、返済負担率は30~35%程度が妥当といわれています。この範囲を超えると「返済が難しいのではないか」と懸念されてしまうので注意してください。 非正規雇用でも住宅ローンの利用は可能です。しかし、正規雇用と比べると審査で劣ってしまいます。「雇用が継続されるかどうかわからない」という点で「収入が不安定になるのでは」と不安視されてしまうからです。
キャリアや年収など、自分自身が社会的信用をどの程度有しており、どの程度の借入が可能かを客観的に評価することが重要といえるでしょう。 借入比率が低ければ低いほど、住宅ローンの審査に通りやすくなる可能性があります。それだけ返済が容易になるからです。
借入比率の計算式は「借入額÷担保価値」です。住宅ローンを組む場合、担保は原則として購入する不動産です。不動産の価格が3,500万円で、諸費用などをすべて住宅ローンに加えて借入が4,000万円になった場合、借入比率は114%と大きくなってしまいます。
借入比率が100%を超えるとオーバーローンとなり、審査に悪影響が出るリスクがあるので注意してください。 住宅ローンの審査を通過するには、上記3つのコツがあります。それぞれ解説します できるだけ住宅ローンの借入希望金額を低くしましょう。借入希望金額が高いと、一般的に審査が厳しくなってしまいます。
借入額を低くするにはおもに2つの選択肢があります。

● 自己資金を貯めて頭金を増やし、住宅ローンの借入部分を減らす
● 購入する一戸建ての値段を下げる

一戸建ては多くの方にとって憧れではありますが、身の丈に合わないと審査に通りません。万が一、審査に通ったとしても、返済が滞ってしまえば家を手放すことになる恐れもあるでしょう。
年収面で不安がある場合、上記2つの選択肢を取って借入希望額を抑えるのがおすすめです。 ペアローンとは、共働きの夫と妻がそれぞれ住宅ローン1本、夫婦で2本の住宅ローンを借り入れる方式です。1人の年収では借入希望額に届かない場合でも、ペアローンであれば住宅購入審査を通過できる可能性があります。
また、住宅ローン控除についてもそれぞれ受けられるため、控除額は単独の場合よりも大きくなります。一方で、1人ずつ契約を交わすため、登記費用や司法書士報酬、印紙代などの諸費用が2倍になってしまう点に気をつけてください。 頭金を増やすのも審査が通過しやすくなるコツの一つです。頭金が多ければ多いほど、返済金額が少なくなり返済が容易になるからです。
本記事で紹介したことをまとめて、「いつまでにどのくらい貯めておけばいいか」を計算しましょう。難しい場合はファイナンシャルプランナーに依頼するのも一つの選択肢です。 一戸建ての購入は事前に計画を立てるのが大事です。しっかりと頭金を貯めておかないと、審査に通らず住宅ローンが組めない恐れがあります。
一方で、慎重になりすぎるのも良くありません。多くの場合、完済時に81歳未満でないと住宅ローンに申し込めないのです。
まずは自分の預金や日々の支出から、目標となる一戸建てを見つけるのがおすすめです。「こういった家に住みたい」と目標が明確になれば、筋道を立ててお金を貯められます。