遅延証明書発行日数状況から判明!東京圏で電車が遅れがちな路線はどこか?

遅延証明書発行日数状況

遅延証明書発行日数から見る実態

電車は朝の通勤、通学において欠かせない移動手段のひとつであり、多くの人が利用しています。日本の電車は世界的にも時間に正確と言われており、それ故、遅延が発生した時の絶望感は半端ありません。朝の忙しい時に、別の移動手段を探したり、遅刻の連絡をしたりと余計な用事が増えてしまいます。「○○線は良く止まる」というような言葉を聞くことがあるように、電車で遅延の頻度に違いがあるのか気になります。

次の表は、国土交通省が発表した、東京圏(対象路線45路線の路線別)における1ヶ月(平均20日間)当たりの遅延証明書発行日数状況の2018年(平成30年)度版を遅延証明書発行日数の多い順に並べたものです。なお、遅延証明書は鉄道会社ごとに決められた発行対象時間帯における基本5分以上の遅れに対して発行されます。

東京圏における1ヶ月(平均20日間)当たりの遅延証明書発行日数状況2018

※スマートフォンの場合は横向きでご覧ください

事業者名 路線名 1ヶ月(平均20日間)当たりの遅延証明書発行日数(日)※1 発行時間帯
(遅延5分以上で発行)
営業
キロ
(km)
列車本数
(本/h)
※2
合計
(対前年比)
10分以下 10分超~
30分以下
30分超
1 東京メトロ 千代田線 19.2(0.8) 11.7 6.9 0.6 初電~10時 24.0 29
2 JR東日本 中央快速線・
中央本線
(東京~甲府)
19.0(0.1) 9.0 9.2 0.9 7時~11時
(概ね5分以上)
134.1 30
JR東日本 中央・総武線各駅停車
(三鷹~千葉)
19.0(0.0) 9.0 9.1 1.0 7時~11時
(概ね5分以上)
70.5 26
4 小田急 小田急線 18.8(4.0) 13.6 4.5 0.7 初電~10時 120.5 29
5 JR東日本 埼京線・川越線
(大崎~新宿~武蔵高萩)
18.3(-0.1) 6.6 9.4 2.3 7時~11時
(概ね5分以上)
63.9 19
6 JR東日本 横須賀線・総武快速線
(大船~東京~稲毛)
18.1(-0.5) 7.7 8.9 1.6 7時~11時
(概ね5分以上)
85.3 19
7 東京メトロ 東西線 18.0(0.8) 10.9 6.3 0.7 初電~10時 30.8 27
8 JR東日本 京浜東北線・根岸線
(大宮~大船)
17.7(-0.1) 10.0 6.4 1.2 7時~11時
(概ね5分以上)
81.2 26
JR東日本 東海道線
(東京~湯河原)
17.7(-0.2) 6.0 10.0 1.6 7時~11時
(概ね5分以上)
99.1 19
10 JR東日本 宇都宮線・高崎線
(上野~那須塩原・神保原)
17.2(-1.9) 7.4 8.1 1.7 7時~11時
(概ね5分以上)
214.1 14
11 JR東日本 山手線(全線) 16.7(-0.2) 10.1 5.3 1.3 7時~11時
(概ね5分以上)
34.5 23
12 東京メトロ 半蔵門線 15.7(2.0) 11.6 3.8 0.4 初電~10時 16.8 27
13 JR東日本 常磐線各駅停車
(綾瀬~取手)
15.4(-0.2) 10.6 3.9 0.9 7時~11時
(概ね5分以上)
29.7 24
東京メトロ 南北線 15.4(1.6) 11.9 3.4 0.2 初電~10時 21.3 18
15 東京メトロ 丸ノ内線 15.2(2.2) 11.6 3.3 0.2 初電~10時 27.4 31
東京メトロ 有楽町線 15.2(0.4) 10.8 4.2 0.2 初電~10時 28.3 24
17 東急 東横線 14.6(-0.5) 11.0 3.3 0.3 初電~10時 24.2 24
18 東京メトロ 副都心線 14.1(0.8) 10.1 3.7 0.3 初電~10時 20.2 18
19 京成 京成本線
(支線含む)
13.8(3.8) 7.2 5.5 1.1 初電~10時 108.4 24
20 東京メトロ 日比谷線 13.6(0.8) 10.0 3.4 0.2 初電~10時 20.3 27
21 東急 田園都市線 13.3(2.1) 9.8 3.2 0.2 初電~10時 31.5 27
22 東急 目黒線 13.0(-1.5) 9.8 3.1 0.2 初電~10時 11.9 24
23 東京メトロ 銀座線 12.5(3.0) 9.9 2.4 0.2 初電~10時 14.3 30
24 JR東日本 常磐快速線・常磐線
(上野~羽鳥)
12.3(0.6) 8.2 3.4 0.7 7時~11時
(概ね5分以上)
88.7 19
25 JR東日本 武蔵野線
(府中本町~西船橋)
12.0(1.4) 8.2 2.5 1.3 7時~11時
(概ね5分以上)
71.8 15
26 東京都交通局 三田線 11.6(-2.5) 8.9 2.5 0.2 初電~10時 26.5 20
27 西武 池袋線 11.5(0.4) 9.0 2.3 0.2 初電~9時 84.6 24
28 JR東日本 京葉線
(東京駅発着時の遅れ)
11.1(0.6) 7.0 3.7 0.4 7時~11時
(概ね5分以上)
43.0 23
29 東京都交通局 新宿線 10.8(3.3) 7.1 3.3 0.4 初電~10時 23.5 17
30 JR東日本 青梅線
(西立川駅発着時の遅れ)
10.5(-2.7) 7.3 3.0 0.2 7時~11時
(概ね5分以上)
37.2 17
31 西武 新宿線 10.3(-0.3) 7.8 2.5 0.1 初電~9時 81.2 26
32 JR東日本 横浜線
(東神奈川~八王子)
9.2(0.1) 5.9 2.5 0.8 7時~11時
(概ね5分以上)
42.6 19
33 東京都交通局 浅草線 8.9(-0.6) 5.4 3.0 0.5 初電~10時 18.3 24
34 JR東日本 南武線
(川崎~立川)
7.8(0.3) 6.2 1.3 0.3 7時~11時
(概ね5分以上)
35.5 25
35 京王 京王線 6.5(1.5) 4.1 1.9 0.5 初電~10時 72.0 27
36 京急 品川~横浜 5.7(0.1) 3.2 2.3 0.2 初電~9時 80.5 27
37 東京都交通局 大江戸線 5.0(0.1) 4.0 0.9 0.1 初電~10時 40.7 20
38 相鉄 相鉄線 4.3(0.1) 3.1 0.7 0.5 初電~10時 35.9 26
39 東武 伊勢崎線 4.0(-0.2) 1.6 2.0 0.4 初電~10時 114.5 41
40 東武 東上線 3.5(0.5) 2.5 0.6 0.5 初電~10時 75.0 24
41 東急 池上線 3.4(-1.7) 2.9 0.5 0.1 初電~10時 10.9 24
42 京王 井の頭線 2.0(-1.2) 1.6 0.4 0.1 初電~10時 12.7 28
東急 大井町線 2.0(-3.5) 1.6 0.2 0.2 初電~10時 12.4 20
44 東急 東急多摩川線 1.7(-0.2) 1.1 0.6 0.0 初電~10時 5.6 20
45 東武 野田線 1.1(0.0) 0.4 0.2 0.4 初電~10時 62.7 11
対象路線平均 11.7(0.3) 7.4 3.7 0.6  

※1 1年間(平日)の遅延証明書発行日数を1ヶ月(平日20日)当たりの平均に換算した日数。ただし、JR東日本については、平成31年2月以降、発行時間帯の区分が変更されたため、平成30年4月から平成31年1月までの10ヶ月(平日)の発行日数を1ヶ月(平日20日)当たりの平均に換算している。対前年比も同様に10カ月間で比較。

※2 各路線の列車本数は、最混雑区間1時間当たりの列車本数(平成29年度「数字で見る鉄道2018」より)

東京圏における遅延の原因

国土交通省によると、東京圏における電車遅延の原因として、10分未満の小さな遅延では、54%が乗降時の要因となっており、30分以上の大規模な遅延では、故障等による要因(車両・施設の故障等)と災害原因(風水害等)が全体の1/4を占めています。

遅延の原因

鉄道会社における遅延対策

鉄道会社が行っている遅延対策には次のような取り組み例があります。(出典:国土交通省)

大規模な遅延への対策

主な原因
車両・施設の故障、自殺、線路立ち入り等

輸送トラブルの発生源対策
ホームドア整備(転落防止)、車両の主要機器の二重系化(故障時のバックアップ機能)、啓発活動等

輸送トラブルの影響極小化対策
折り返し設備の整備(早期運転再開)、柔軟な運転整理(早期回復)等

小規模な遅延への対策

主な原因
乗降時間の超過、ドアの再開閉、急病人等

ソフト対策
乗車位置サインの変更、ホーム要因・警備員の増員、啓発活動等(スムーズな乗降り)

ハード対策
複々線の整備、ホームの拡幅、車両の更新等(輸送力増加、円滑な旅客流動)

各社局の今後の主な遅延対策の取組状況

JR東日本

ホームドアの整備拡大による安全性の向上
・・・2023年度末頃までに、東京圏在来線の主要路線全駅(330駅※整備済51駅含む)に整備を進める

東武鉄道

ホームドアのエリア整備によるホーム上の安全確保の推進

西武鉄道

中井~野方駅間および東村山駅付近の連続立体交差事業の推進

ホームドア整備の推進

輸送実態に合わせたダイヤ改正の継続実施(ダイヤ改正の都度)

京成電鉄

ダイヤ調整の継続実施

遅延防止に係る各種啓蒙について、駅・社内でのポスター掲出、放送、表示器等を活用して継続実施

ホームドアの整備

京王電鉄

ホームドアの整備

分散乗車、時差通勤のさらなる促進

小田急電鉄

車両の長編編成化による混雑緩和

ホームドアの整備の拡大によるホーム安全性の向上

東急電鉄

デジタル自動列車制御装置(ATC)の導入・・・東横線2022年供用開始

時差通勤・分散乗車のさらなる促進(ポイント、バス等)

行政・企業と協働した働き方改革等のさらなる促進

京急電鉄

ホームドア整備の拡大によるホーム上安全確保の強化

乗客の円滑な乗降の促進(駅構内・車内啓蒙放送およびポスターの掲示の継続)

運行計画見直しの継続実施(ダイヤ改正時)

京急線アプリの駅混雑状況表示機能の対象駅の増設

相模鉄道

ホームドアの整備(2022年度までに全駅に設置予定)

列車定位置停止装置(TASC)の整備

東京地下鉄株式会社

CBTC(無線式列車制御システム)の導入・・・丸ノ内線2022年度

南砂町駅の2面3線化、木場駅のホーム改良、茅場町駅のホーム延長と停車位置の変更(東西線2022年度から)

都営地下鉄

車両の長編成化
・新宿線では車両更新にあわせて、8両から10両編成へ。2022年度までに全編成を10両編成化
・三田線では2022年度から一部の編成を6両から8両編成化

駅の大規模改良(浅草線泉岳寺駅)
・ホームの拡幅やコンコースの拡張、エレベーターの増設等。2024年度に拡幅ホームを併用開始予定

浅草線へのホームドアの整備
・2023年度までに当局管理の全ての駅での整備完了を目指す

時差Bizキャンペーンの継続実施


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