一戸建ての寿命はどのくらい?木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの寿命を紹介!

一戸建てを購入する際、寿命を知っておくのが大事です。寿命が来てしまうと、愛着のある我が家を手放してしまうことになりかねません。一戸建ての寿命は木造・鉄骨・鉄筋コンクリートによって異なります。本記事ではそれぞれの寿命を紹介し、寿命を伸ばすコツや万が一の対処法を紹介します。 一戸建ての寿命は木造の場合と鉄骨・鉄筋コンクリートの場合で異なります。ここではそれぞれを詳しく解説します。 木造の寿命は、減価償却の計算に用いられる法定耐用年数では「22年」とされています。ただし、これはあくまで不動産の価値等を計算するためのものであり、実質的な寿命ではありません。「どれだけ住めるか」という点で考えると、寿命は約80年以上といわれています。

中古住宅の場合、法定耐用年数を超えると価格が下がる傾向にあります。ただ、適切にメンテナンスしていれば、そのまま住んでも問題ありません。実際に、法定耐用年数では「価値がほぼない」という住宅でも、なんの不自由もなく生活できている方は珍しくないのです。

一方で、メンテナンスを怠ると腐食などが進み、寿命が短くなってしまうこともあります。日常的に点検しリフォームや修繕等を繰り返せば、何十年も快適に住み続けることができるでしょう。 鉄骨住宅の法定耐用年数は、一戸建ての場合で以下のとおりです。

● 軽量鉄骨プレハブ造:19年または27年
● 重量鉄骨造:34年
● 鉄筋コンクリート造:47年

鉄骨・鉄筋コンクリートは木造に比べて「物理的な耐用年数が長い」とされています。コンクリートの耐久性から算出すると、寿命は117年から120年といえるでしょう。

木造住宅よりも頑丈で耐震性にも優れていますが、だからといって点検しなかったり放置したりするのは良くありません。メンテナンスやリフォームを怠れば、法定耐用年数より早く寿命が来てしまうこともあるでしょう。
日本の一戸建ては「寿命が短い」といわれることも少なくありません。その理由は主に3つあります。 「戦後の住宅不足により質より量が優先されたから」というのが1つ目の理由です。第二次世界大戦によって、日本は爆撃などで家を失った人が大量に生まれました。戦後、このような人たちを救うために、とにかく「住むことだけ」を優先して家がたくさん建てられたのです。

需要より供給が優先されたため、どうしても家の質が低くなってしまいました。しかし、当時の日本は老朽化や災害などで家が壊れたら「取り壊してまた建て直せば良い」と考えたのです。

このような考え方は今もなお強く根付いています。いわゆる「新築信仰」などと呼ばれる新築の手厚い優遇制度はその証拠といえるでしょう。ただ、これは戦後の事情であり、現代の住宅で「寿命が短い」というのは誤りです。 日本には長らくリフォームという考えが根付いていませんでした。それは高度成長期の新築建設ラッシュで、リフォームを考慮していない注文住宅が作られたからです。

上述のとおり、日本では戦後から「取り壊してまた建て直せば良い」という考えがありました。したがって、重要視されたのは「将来どうするか」ではなく「購入時にどうするか」だったのです。

数十年先のことはあまり考慮されなかったため、リフォームや修繕が難しい住宅が増え、「住めなくなったら壊す」もしくは「無理やり住み続ける」という選択肢が取られることになったわけです。
環境面での理由もあります。日本は一部の地域を除いて、海外に比べると比較的温暖な気候です。今もなお、梅雨などで発生する湿気やカビ対策は、日本に住むうえで解決せざるをえない必要不可欠な問題といえるでしょう。このような特徴があるため、日本の住宅は通気性に優れ、湿気に強い木造建築が主流となりました。

また、日本はいわゆる地震大国です。かつては耐震などの技術がなかったため、地震に耐えうる家作りよりも、壊れたときに建て直しやすい木材の住居が主流になったのです。もちろん諸説ありますが、このような理由で「日本の一戸建ては寿命が短い」と言われてきました。
一戸建ての購入は人生で一番高い買い物と呼ばれることも少なくありません。また、家族が健康的に暮らすために必要不可欠なものです。

ここで紹介するコツを実践して、一戸建ての寿命を伸ばしましょう。
まず、大事なのがこまめな掃除・清掃です。掃除は美観を保つだけのものではありません。家の寿命にも大きく影響します。その理由は、毎日掃除することによって、家の異常を見つけやすくなるからです。

特に気をつけたいのは以下のポイントです。
外回りひび割れはないか 雨どいの割れや詰まりはないか、など
水周り水漏れしていないか 異臭がないか、など
家の中ではフローリングのワックスがけを定期的におこないましょう。美しさを保つことができるうえに、傷みも防ぎやすくなります。 上記以外にも、メンテナンスを習慣づけておくのが大切です。主なメンテナンスのポイントは以下のとおりです。
外壁壁紙の再塗装や補修をおこなう。 軒裏や雨どい、玄関扉、サッシ、ベランダなども点検する。
屋根定期的に点検と表面の塗装をおこなう。
フローリング数年ごとに点検し、必要に応じて補修をおこなう。 表面の剥がれが目立ったり、踏んだときに変な音がしたりすると張り替え検討のサイン。
クロス汚れや傷が目立つようなら張り替えを検討する。
キッチン収納やシンクまわりなどの設備と食器洗浄機などを手入れする。
自分でできない場合やダメージが大きい場合などは、プロに頼んだりリフォームしたりして対応しましょう。 保険の加入も大事です。自然災害は日頃のメンテナンスではケアできません。特に近年、温暖化などの影響で、世界各地でさまざまな災害が発生しています。自然災害は、戸建てに住む方にとっても他人事ではありません。

このような突発的な災害などに備えるうえで大事なのが保険の加入です。各保険会社が戸建て住宅を対象とした火災保険や地震保険を用意しています。万が一のことが起きてからでは遅いので、家を守りたいなら前向きに検討しましょう。
一戸建ての寿命を感じたら、早めに対処しましょう。ここでは対処する方法を3つ紹介します。
まずは全面リフォームを検討してみましょう。全面リフォームはスケルトンリフォームと呼ばれるもので、柱や梁など構造物を残した状態まで壊してリフォームすることです。

メリットは愛着のある家をそのまま活用することができる点です。住宅自体を取り壊すわけではないため、マイホームにそのまま住み続けられます。ただし、住宅の大きさは変わらないため、リフォームの範囲は限られてしまいます。

基本的に長期的な仮住まいや引っ越しが必要ないため、費用を抑えることも可能です。基礎など構造物そのものの修繕・補強が必要になる場合、高額になることもあるので注意が必要でしょう。 現在の住宅に感じている不満を解消したい場合、建て替えがおすすめです。建て替えの場合、基礎の部分から取り壊すため、住宅の大きさから部屋の間取りまで一新できます。さらに、住宅の構造について、行政からの検査済証がもらえるので安心です。

デメリットは仮住まいや引越しが必要になる点です。工事費以外にさまざまな費用が発生するため、全面リフォームよりもお金がかかります。建て替えを検討する場合、ある程度の資金を用意しておきましょう。
売却して新しい住宅を探すのもおすすめです。人によっては売却したほうが安いうえに、スムーズに処分できることもあります。

デメリットは家を手放すことになるという点です。家に愛着があるなら、売却よりもリフォームや建て替えを検討したほうがよいでしょう。

売却する場合は、関係者で話し合っておくのも大事です。意思の疎通ができていないと、些細なことでトラブルになりかねません。
大事なのは「寿命が長い一戸建てを建てること」です。長持ちする住宅の特徴は以下のとおりです。

● 気密性や断熱性に優れている
● 傷つきにくい材質でできている
● 万が一、傷がついても、それが建物の「味」として残る
● リフォームしやすい配管になっている

上記の特徴を満たす一戸建てを目指しましょう。ただ、住宅は同じ工法で建てたとしても、地域や環境で耐用年数が変わることがあります。どのような家に住む場合でも、定期的なメンテナンスとリフォームが重要です。 一戸建ては寿命を伸ばし、できるだけ長く住めるようにするのが大事です。そのためにも、日々のメンテナンスを徹底し、必要に応じてリフォームを心がけましょう。寿命が来てしまった場合、建て替えや売却も選択肢の一つです。

長く住める一戸建てを見つけたい方は住建ハウジングにお問い合わせください。「TOKYO@14区」を運営する住建ハウジングでは、一戸建ての物件を多数ご用意しています。立地や価格、新築か中古かなどご希望に合わせて物件を絞り込めるので、ぜひお気軽にご利用ください。


投稿者プロフィール

石川充
宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。

ABOUTこの記事をかいた人

宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士 1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。 その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。 現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。