建売住宅と注文住宅の違いとは
建売住宅と注文住宅の違いを例えていうと、既製品のスーツとオーダーメードスーツの違いと似ているかもしれません。既製品のスーツは安いけれど決められたデザインからしか選べないのに対し、オーダーメードスーツは自分の体形にピッタリ合わせた一点ものになるものの値段は高めになります。
既製品のスーツにあたる建売住宅は、土地と完成された家がセットになって販売されます。なお、建物が完成前に販売されるケースもありますが、その時も家の設計はあらかじめ決められています。一般的に、建売住宅は広い土地を複数に分筆して、それぞれの土地に同じ仕様の家を建てて販売されます。同じ仕様・資材で建築することから作業効率が上がり、資材もまとめて仕入れられるため費用を抑えることができます。
一方、注文住宅は個別に設計事務所や工務店、ハウスメーカーなどに設計や工事を依頼して家を建てます。その際、自分で間取りやデザイン、設備などをある程度自由に決められるため、より自分の好みにあった理想に近い家を手に入れることができます。その為、注文住宅は建売住宅に比べて購入費用が割高になります。しかし、こだわりたい部分にはコストをかけて特注品などを選びつつも、とくにこだわりのない部分は普通の安価な設備を選択することで、予算を調整してトータル的な費用を抑えることも可能です。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
建売住宅 | すぐに入居できる (契約から引き渡しまで1ヶ月程度。未完成なら4ヶ月程度) プランの打合せなど手間がない 仕上がりや設備を確認できる 注文住宅より割安 間取りが標準的で売却しやすい |
画一的な建物になりがちで外観や内装の好みは妥協が必要 |
注文住宅 | 外観や内装を自分好みにしやすい 工法や建材、部材、設備を自由に選べる 設計・施工業者を自由に選べる 一般的ではない間取りも可能 |
費用のコントロールは可能だが割高になりやすい 設計から竣工までの時間がかかる(半年~1年半程度) 家が個性的過ぎると売却しづらくなる 希望の家が建築可能な土地を探さないといけない(購入までの期間3~6ヶ月程度) |
「建築条件付き住宅」とは
建売住宅の別のバリエーションの「建築条件付き住宅」とは、土地を購入してから決められた建築業者に依頼して建てられる家のことです。建売住宅に対して「売り建て住宅」ともいわれます。場合によっては建築前に業者とプランの相談をすることもできるため、建売住宅に比べて自由度が高くなります。建築業者が決められ、工事の期間や設計、工法に制限が付くなど注文住宅とは大きく異なりますが、それらにこだわらないのであれば、この建築条件付き住宅も選択肢となります。
ここで販売される土地は「建築条件付き土地」といわれ、一般的に、建築条件がなく自由に家が建てられる土地と比べると割安です。同じエリアで土地を選ぶ際にどちらを選ぶかは、費用を抑えるポイントになります。
注文住宅の建築業者の選び方
以下の項目に多く当てはまる場合は注文住宅がおすすめです。
- すでに土地を所有している
- 好みのデザイン・間取りを優先したい
- 素材や設備にこだわりたい
- 住み替え、売却の予定がない
- 良い家を建てるためなら時間がかかってもいい
- ライフスタイルに合わせて特殊な要望がある
安心感重視なら
「ハウスメーカー」
価格帯は幅広く、設計から施工まで対応
商品の種類が多く、好みに合う住宅を探しやすい。部材・建材は大量生産品のため、品質にバラツキが出にくく施工は一定水準を保っている。会社が大きくアフターサービスも充実している。
会社が大きいので保証面で安心できる
住宅展示場があり完成イメージの確認がしやすい
営業、設計、建築部門がしっかりしていて安定したサービスを提供
長期優良住宅など、品質が一定以上に保たれている
フランチャイズ制だとサービスに差が出る
下請け工務店の良し悪しで施工に差が出る
規格化されているので自由度に限界がある
話を詰めるのが営業マンになるので細かい設計の指示が難しい
主なハウスメーカーの価格帯
坪単価80万円~ | 積水ハウス、旭化成ホームズ、住友林業、パナソニックホームズ、ダイワハウス |
坪単価50万円~ | ミサワホーム、一条工務店、ヤマダホームズ、日本ハウスHD、住友不動産 |
坪単価40万円~ | 桧家住宅、アキュラホーム、セルコホーム、古河林業、木下工務店 |
坪単価30万円~ | 飯田グループホールディングス、タマホーム、アイフルホーム |
参考:「日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本2021-2022」(晋遊舎)
手厚いサポート期待
「工務店」
地域密着型で施工スタイルは正統派
工法は一般的な昔ながらの木造軸組みが中心だが、木材にこだわるなど他とは違う特徴を持つ工務店も存在する。地域密着型でアフターサービスも安心。
地域に根付いており、アフターサービスが充実
ハウスメーカーに比べてコストが割安
きめ細やかな仕様、設計が可能
斬新な設計、デザインは期待できない
施工の技量は抱えている大工さん次第
地域の新参者には対応が雑になることも
デザイン重視
「設計事務所」
設計の自由度が高く、こだわりたい人向き
業務は設計と工事監理で、施工は工務店に別途依頼する。設計監理費がかかり費用は割高だが、独創的なデザインや間取りの希望に応えられる。
自分好みのライフスタイルに応えられる
工法、設備の制限は一切なし
変形敷地、狭小地にも強い
人気の設計士は費用が高額
デザイン重視で居住性に欠けることも
トラブル時の責任の所在があいまいに
まとめ
以上、建売住宅と注文住宅の違いを見てきました。予算と時間に余裕があるならば、自分好みの家が建てられる「注文住宅」を選択するケースがベストかと思われますが、一から決めるのは面倒だし、プロにお任せしたいという考えの方は、「建売住宅」を選択した方が合っているかもしれません。ただ、国土交通省による2020年度新設住宅着工戸数は、812千戸、前年比▲ 8.1%と2 年連続の減少となっており、現状は家を選び放題という状況ではありません。実際の取引で良くあるのは、最初は建売住宅で探していたものの、なかなか希望の物件が見つからないため、土地を購入して自分で家を建てる注文住宅を選択するケースです。どちらが正解ということはありませんが、いち早く理想のマイホームを手に入れるための最適な答えを導くには、まずは物件探しのプロフェッショナルである不動産会社にご相談して頂くことをお勧めいたします。