老後を戸建てに住む5つのメリットとは?デメリットや必要な間取りなども解説

50代や60代のうちから「老後を戸建てで過ごすか、賃貸で過ごすか」を考えておく必要があります。これら2つにはさまざまな違いがあるからです。ただ、「どちらに住めばいいかわからない」という方も少なくないでしょう。本記事では老後を戸建てに住む5つのメリットを紹介し、必要な間取りなども解説します。 老後を戸建てで住むことには、さまざまなメリットがあります。特に大きなメリットが以下の5点です。 老後はバリアフリーの住宅に住むことが大切です。65歳以上になると、家の中にはさまざまな危険が潜むようになるからです。実際に、厚生労働省の『人口動態統計(2020年)※』によると、家庭における不慮の事故で亡くなった人は13,708人と交通事故の3倍であるとわかっています。

戸建ては資金さえあればある程度自由に家をリフォームできるため、手すりをつけるなどバリアフリーに対応しやすいという強みがあります。一方、マンションでリフォームを進める際には、リフォーム同意書などの書類を提出しなければなりません。老後も安全で健やかに暮らしたい方は、戸建てがおすすめです。

※参考:厚生労働省|令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況 戸建ては昔ながらの知人・友人が近所にいることも大きなメリットです。不安なことや困ったことがあったとき、お互いを助け合うこともできるでしょう。

マンションの場合、近隣住民との関係が希薄になりかねません。リクルートの調査によると、近隣住民と交流がある人の割合は持ち家と賃貸で次のような差が生まれました。

賃貸:22.3%
持ち家:42.6%


賃貸の場合、7割以上の方が近隣住民と交流を持っていないのです。何か困ったことが起きても、自己責任となる可能性が高いでしょう。

※参考:PR TIMES|株式会社リクルート マンション・アパートの住人同士で「交流がある」と答えた人は賃貸で2割、持ち家だと4割!SUUMOジャーナルで“ご近所付き合い”の実態を調査! 戸建ては老後を静かに暮らしたいという方におすすめです。集合住宅と比較して、生活音が響きにくいからです。実際に、日本騒音調査によると、騒音測定の依頼・相談は約7割がマンション(分譲・賃貸)やアパートなどの集合住宅に住んでいる人からのものだったそうです。

賃貸の場合、今は静かでも、お隣さんや上階の住民が入れ替わって騒音トラブルに悩まされる可能性があるでしょう。戸建ての場合、近隣住宅と距離が保たれているうえに人の入れ替わりがほとんどないため、老後もある程度静かに暮らせる可能性が高いといえます。

※参考:日本騒音調査|マンションにおける騒音問題と騒音測定事例 賃貸は住んでいる限り常に賃料を支払わなければなりません。たとえ何歳になったとしても、支払いの義務があるのは同じです。

一方、戸建ての場合、住宅ローンを払い終えていれば住宅費が抑えられます。老後生活の収入源は主に年金となるため、定年を迎えるまでに支払いを終えておくと安心でしょう。なお、固定資産税をはじめとする税金や修繕費などの支払いが発生する点は考慮しておく必要があります。
賃貸の場合、住むことができなくなった場合は転居するしかありません。しかし、持ち家の場合は、必要なくなったときに売却できる可能性があります。さらに、持ち家を活用してリバースモーゲージやリースバックといった資金調達の選択肢も多くなるでしょう。

ただし、購入したときよりも高く売れるとは限りません。なるべく長期間にわたって価値を保ちたい場合、購入時に資産価値について専門家に相談するのがおすすめです。 老後を戸建てで住むことはメリットばかりではありません。次のようなデメリットもあります。
老後を戸建てで住む場合、余分なスペースが増えて、掃除や片付けの手間が余計にかかってしまう可能性があるでしょう。特に、購入時と家族構成が変化している場合は注意が必要です。

例えば、夫婦2人、親2人、子ども3人の合計7人で暮らしていたとします。親が亡くなり子どもが独り立ちすると、大きな家を夫婦2人で維持しなければなりません。 維持が必要な点も、戸建てのデメリットといえるでしょう。マンションの場合、清掃や点検などは管理業者が管理してくれます。しかし、戸建てはすべて自分たちで維持しなければならないのです。

しっかりメンテナンスしなければ、老朽化を早める原因になりかねません。そうすると家の寿命が縮まり、住宅トラブルに見舞われる可能性が高くなります。 マンションは駅前などアクセスの良いところに建てられることが多いです。そのため、徒歩圏内に病院やクリニックがあることも少なくないでしょう。

戸建ての場合、土地が必要になるため、駅から遠い郊外などに建てられることがほとんどです。駅や病院に行くために、わざわざタクシーなどを手配しなければならないことも珍しくありません。 老後を戸建てに住むデメリットとして「スペースを持て余す」というものがあります。余分なスペースを作らないために、住み替えを検討する方も少なくありません。

ここでは住み替えするうえで重要な点を3つ解説します。 老後の住み替えを考えるおすすめのタイミングは以下のとおりです。
● 子どもが家を出たとき
● 仕事を退職したとき
● 建て替えやリフォームが必要となったとき
これらのライフイベントが発生した際、思い切って住み替えを検討してみてもいいでしょう。戸建てから戸建てに住み替える場合は以下の記事を参考にしてください。
> 住み替える場合、年金収入や貯金の額を試算し、生活費や医療費、介護費など老後資金をどの程度用意できるか確かめておきましょう。現在住んでいる家を売却して住み替える場合でも、ある程度のまとまったお金が必要になるからです。

場合によっては住み替えを諦めざるをえなかったり戸建てではなく賃貸を選ぶしかなかったりすることもあります。 老後の戸建てを選ぶ場合、利便性と周辺の環境を重視しましょう。安心して老後の生活を送るには、利便性や周辺環境を重視して住み替え先を選ぶことが大切です。

高齢者になると、ちょっとした移動もかなりの負担になってしまいます。駅へのアクセスが悪かったり家族が暮らす場所との距離が遠かったりすると、事故につながりリスクも高くなってしまうでしょう。このような点を考慮して、住み替え先を検討することが重要です。 老後に戸建てを検討している場合、しっかりと間取りを考えましょう。老後の生活に重要なポイントは以下の2点です。 足腰が弱いシニア世代の転倒事故を防ぐためにも、バリアフリーが考えられている間取りがおすすめです。特に重要視すべきなのが以下の点です。

● 段差をなくす
● 廊下や階段は十分な幅を確保する
● 手すりの下地材は広範囲に入れる
● トイレ・浴室など水周りは寝室の近くに配置する
● 扉を引き戸にする
例えば、階段や段差のある間取りにしてしまうと、転倒などの事故につながりかねません。バリアフリーを考えるコツは下の記事でも詳しく解説しています。
直線で動ける間取りにすることがおすすめです。高齢となり足腰が弱くなると、直線で動くことができるとスムーズに移動できるからです。

また、洗面室や浴室はキッチンやリビングの近くに配置しましょう。年齢を重ねると浴室での事故が増えるため、キッチンやリビングから近い場所に浴室があると同居している方が異変に気づきやすくなります。
最後に「戸建てに住むべきかマンションに住むべきかわからない」といった方に向けて、それぞれに「向いている人」の特徴を紹介します。 以下の特徴に当てはまる人はマンションがおすすめです。

・利便性の高いところに住みたい人
・セキュリティ面で安心したい人
・ご近所付き合いなどは極力控えたい人
・すでに生活動線がコンパクトな人
・維持やメンテナンスが面倒な人

マンションは利便性や安全性が高い一方、近隣住民との関係が希薄になりがちです。一方で、敷地面積が戸建てより狭く維持やメンテナンスの手間もある程度省けるため、移動による事故が起こりにくいといえるでしょう。 以下の特徴に当てはまる人は戸建てがおすすめです。

・利便性よりものどかで静かな場所で暮らしたい人
・気の知れたご近所さんの近くに住んでいたい人
・自分好みにリフォームしたい人
・できるだけ毎月の費用を抑えたい人
・最終的に売却も視野に入れている人

戸建ては快適な老後生活を送りたい方におすすめです。敷地面積が広く静かであるため、ゆったりとした時間を過ごせるでしょう。

自分のライフスタイルに合わせてリフォームできるのも戸建ての強みです。また、住宅ローンを完済してしまえば生活費をぐっと抑えることもできます。 戸建てにはバリアフリーに対応しやすい、静かに暮らせるなどのメリットがあります。一方で、維持する手間がかかったり利便性が良くなかったりするデメリットがあるでしょう。これらのメリットとデメリットを比較して、自分が「戸建てに住むべきか、賃貸に住むべきか」を検討するのが重要です。

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投稿者プロフィール

石川充
宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。
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ABOUTこの記事をかいた人

宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士 1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。 その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。 現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。