「自分の家を持ちたい」、これは多くの人が一度は抱く夢ではないでしょうか。とくに、不動産価値の高い東京に家を持つことは一つのステータスでもあり、仕事、文化、そして生活のあらゆる面で豊富な選択肢が与えられることでもあります。
1.東京23区の持ち家世帯比率
現在、東京に家を購入して暮らしている一般世帯(同居世帯・住宅以外の建物に居住する世帯以外)は、どのくらいいるのでしょうか。5年ごとに行われる「住宅・土地統計調査」(令和5年)より、2024年9月25日に総務省から発表されたデータから、一般世帯総数に占める持ち家世帯の割合「持ち家率」を、東京全体と23区全体、各区それぞれで比較しました。
一般世帯数 | 持ち家世帯数 | 持ち家率 | |
---|---|---|---|
東京都 | 7,235,400 | 3,235,200 | 44.7% |
東京23区 | 5,220,100 | 2,140,900 | 41.0% |
千代田区 | 34,290 | 11,240 | 32.8% |
中央区 | 93,090 | 40,320 | 43.3% |
港区 | 146,940 | 58,160 | 39.6% |
新宿区 | 226,620 | 75,790 | 33.4% |
文京区 | 132,920 | 57,730 | 43.4% |
台東区 | 126,690 | 49,710 | 39.2% |
墨田区 | 152,500 | 57,590 | 37.8% |
江東区 | 270,800 | 119,750 | 44.2% |
品川区 | 236,220 | 93,890 | 39.7% |
目黒区 | 150,710 | 65,330 | 43.3% |
大田区 | 397,700 | 160,230 | 40.3% |
世田谷区 | 480,930 | 214,660 | 44.6% |
渋谷区 | 149,480 | 54,630 | 36.5% |
中野区 | 206,190 | 66,860 | 32.4% |
杉並区 | 327,720 | 126,000 | 38.4% |
豊島区 | 183,070 | 59,920 | 32.7% |
北区 | 188,150 | 73,270 | 38.4% |
荒川区 | 113,270 | 56,560 | 49.9% |
板橋区 | 318,950 | 128,210 | 40.2% |
練馬区 | 377,700 | 157,470 | 41.7% |
足立区 | 356,430 | 157,690 | 44.2% |
葛飾区 | 219,950 | 110,580 | 50.3% |
江戸川区 | 329,790 | 145,330 | 44.1% |
東京都全体の持ち家率は44.7%と半数近く、23区全体だと少し下がって41.0%です。区別で最も高いのは、唯一半数を超えた「葛飾区」の50.3%、続く2位は「荒川区」で49.9%、以下、「世田谷区」44.6%、「足立区」・「江東区」が同率44.2%、「江戸川区」44.1%と続き、下町エリアの持ち家率の高さが伺えます。
高級住宅街のある「世田谷区」「目黒区」「大田区」が23区の平均値を上回る一方、松濤や広尾などを有する「渋谷区」は、若者や単身世帯が集まるエリアも多いため、平均値を大きく下回ります。同様に、一人住まい世帯の割合が多い「新宿区」・「豊島区」・「中野区」の持ち家率も低く、また、オフィス街や学生街のイメージのある「千代田区」は、持ち家で暮らすハードルが高いエリアのため、持ち家率は低くなります。
2.持ち家が多い区と借家が多い区の違いが生まれる要因
一般的に、歴史が長く、地域住民の定着率が高い地域は、親子で代々住み続ける世帯が多いため持ち家率が高くなる傾向があります。一方、地価が高いエリアでは家の購入のハードルが上がるため、賃貸住宅の需要が高まります。
持ち家が多い区の特徴
- 戸建て住宅が多く建っている
- 地価が比較的安定している
- 歴史が長く、地域住民の定着率が高い
- 高齢者世帯が多い
一般的に、持ち家が多い地域は、戸建て住宅の割合が高い傾向にあります。
戸建て住宅は、家族構成の変化やライフスタイルの変化に対応しやすいというメリットがあります。
逆に、地価が大きく変動する地域は、持ち家を持つことへの不安感が高まり、賃貸を選ぶ人が増える傾向があります。
長く住み続けている人が多い地域では、地域への愛着が強く、マイホームを持つ人が多い傾向にあります。
老後を安心して過ごしたいという考えから、一戸建ての持ち家に住む高齢者世帯が多いことがあります。
借家が多い区の特徴
- マンションが多く建っている
- 単身世帯が多い
- 駅へのアクセスが良く、利便性が高い
- 地価が高い
賃貸住宅は、マンションが多い傾向にあります。マンションは、セキュリティ面や共用施設の充実など、都市生活に適した住居形態です。
転勤や就職などで頻繁に引っ越しをする単身世帯は、賃貸住宅を選ぶことが多いです。
駅近は賃貸物件が多く、通勤や通学に便利で、若者や単身者を中心に人気があります。
地価が高い地域では、戸建て住宅を購入することが経済的に困難な場合が多く、賃貸住宅を選ぶ人が増えます。
持ち家か賃貸か選択のポイント
持ち家か賃貸か、どちらが良いかは個人のライフスタイルや経済状況によって異なり、一概に優劣を決めることはできません。 どちらにもメリットがあり、選択の際には様々な事情も関係してくるでしょう。
・将来的に資産となる可能性がある
・自由にリフォームできる
・長く住むことができる
・初期費用が抑えられる
・引越しがしやすい
・共用施設が充実している場合がある
3.夢の一戸建てマイホーム! 持ち家世帯の一戸建ての割合は?
マイホームとういと、庭付きの一戸建てのイメージを思い浮かべるのではないかと思いますが、実際、持ち家世帯における一戸建ての割合はどのくらいでしょうか。
5年ごとに行われる「住宅・土地統計調査」(平成30年)より、東京23区の持ち家における一戸建ての割合を比較します。なお、この調査は全数調査ではなく抽出調査です。住宅の建て方は、「一戸建て」「長屋建て(テラスハウス等)」「共同住宅(マンション・アパート等)」「その他」の4つに区分して集計されています。
次の表は、東京の持ち家の「一戸建て率」と「共同住宅率」の比較です。
持ち家数 | 戸建て数(専用住宅) | 戸建て率 | 共同住宅数 | 共同住宅率 | |
---|---|---|---|---|---|
東京都 | 3,183,700 | 1,600,200 | 50.3% | 1,530,100 | 48.1% |
東京23区 | 2,101,600 | 863,500 | 41.1% | 1,198,800 | 57.0% |
千代田区 | 11,070 | 340 | 3.1% | 10,460 | 94.5% |
中央区 | 39,910 | 1,770 | 4.4% | 37,710 | 94.5% |
港区 | 57,730 | 4,360 | 7.6% | 52,740 | 91.4% |
新宿区 | 75,370 | 15,070 | 20.0% | 58,680 | 77.9% |
文京区 | 57,160 | 14,700 | 25.7% | 41,500 | 72.6% |
台東区 | 46,580 | 11,700 | 25.1% | 34,260 | 73.6% |
墨田区 | 56,050 | 19,930 | 35.6% | 35,330 | 63.0% |
江東区 | 116,720 | 19,160 | 16.4% | 96,680 | 82.8% |
品川区 | 93,060 | 26,200 | 28.2% | 65,380 | 70.3% |
目黒区 | 64,740 | 24,550 | 37.9% | 38,380 | 59.3% |
大田区 | 158,830 | 77,590 | 48.9% | 78,420 | 49.4% |
世田谷区 | 211,070 | 100,330 | 47.5% | 102,500 | 48.6% |
渋谷区 | 54,300 | 10,740 | 19.8% | 42,520 | 78.3% |
中野区 | 66,150 | 28,070 | 42.4% | 35,450 | 53.6% |
杉並区 | 124,500 | 70,740 | 56.8% | 50,760 | 40.8% |
豊島区 | 58,990 | 21,570 | 36.6% | 35,640 | 60.4% |
北区 | 72,270 | 33,700 | 46.6% | 38,090 | 52.7% |
荒川区 | 54,700 | 22,290 | 40.7% | 32,100 | 58.7% |
板橋区 | 125,610 | 47,280 | 37.6% | 76,890 | 61.2% |
練馬区 | 155,720 | 91,370 | 58.7% | 60,930 | 39.1% |
足立区 | 151,450 | 81,960 | 54.1% | 67,850 | 44.8% |
葛飾区 | 107,990 | 64,360 | 59.6% | 42,410 | 39.3% |
江戸川区 | 141,650 | 75,740 | 53.5% | 64,090 | 45.2% |
東京都全体では、一戸建ての割合が半数を少し上回っていますが、23区に限った場合、「一戸建て」の割合が41.1%と、マンションやアパートに住む世帯より少なくなります。
区別では、地価の高い「千代田区」・「中央区」・「港区」の戸建て率はかなり低く、ほとんどが共同住宅です。高層マンションが多く建つ「江東区」や、都心に隣接する「新宿区」「渋谷区」なども、一人暮らし世帯の割合が多い地域であるため、戸建てより共同住宅の割合が高くなっています。
一方、戸建て率が高いエリアは、「葛飾区」・「練馬区」・「杉並区」・「足立区」・「江戸川区」・「大田区」・「世田谷区」・「北区」と続き、いずれも23区外周部の区です。このように、東京は外周に行くほど戸建て率が高くなる傾向が見られます。
4.一戸建てとマンションのどっちを購入した方がいいのか?
マイホームに一戸建てを選ぶ世帯もあればマンションを選ぶ世帯もあります。どちらの選択にもメリット・デメリットがありますので、ご自身のライフスタイルや価値観に合わせて比較検討することが大切です。
☺ メリット
- 独立性が高い: 上下左右の隣人を気にせず、自分だけの空間で自由に生活できます。
- 広さ: マンションに比べて広々とした空間を確保できることが多いです。庭や駐車場を設けることも可能です。
- 資産価値: 土地部分の価値も残るため、長期的に見れば資産価値が安定している可能性があります。
- カスタマイズ性: リフォームや増改築など、自由にカスタマイズできます。
☹ デメリット
- 価格が高い: 一般的にマンションよりも高額になります。
- 維持管理費用がかかる: 外壁塗装、屋根修理など、定期的なメンテナンス費用がかかります。
- 防犯対策: 一軒家のため、防犯対策をしっかりと行う必要があります。
- 立地: 駅から離れた場所にあることが多いです。
☺ メリット
- 価格が比較的安い: 戸建てに比べて初期費用を抑えられることが多いです。
- 管理が楽: 共用部分の清掃や修繕は管理組合が行うため、個人が負担する管理費用は比較的少ないです。
- セキュリティ: オートロックや防犯カメラなど、セキュリティ設備が整っていることが多いです。
- 利便性: 駅近物件が多く、買い物や通勤に便利です。
☹ デメリット
- プライバシー: 上下左右の隣人がいるため、プライバシーが制限される場合があります。
- 自由度が低い: リフォームや増改築は、管理規約の制限を受けることがあります。
- 資産価値: 築年数とともに資産価値が下がる傾向があります。
- 共用部分の費用: 管理費や修繕積立金がかかります。
5.都心のマイホームを探すなら住建ハウジング
持ち家が多い区と借家が多い区には、それぞれ特徴があり、その違いは地域の特性や住む人のライフスタイルによって生まれます。どちらが良いか迷っている場合は、それぞれのメリットデメリットを比較し、ご自身の状況に合った住まいを選びましょう。
都心の不動産を探す場合には、よい物件情報を早く入手する必要があります。住建ハウジングに無料会員登録をすると、早いタイミングで物件情報をご提供できますので、お気軽にお問い合わせください。
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