マンションを売却する際、リフォームなしでも満足のいく価格で売却できるケースもあります。では、リフォームが不要か、必要か、どのように判断すればよいのでしょうか。リフォームの費用相場や、リフォームする前に確認しておきたい注意点も併せて解説していきます。マンション売却を成功させるために、ぜひ参考にご覧ください。
1.マンション売却前に無理してリフォームする必要はない
マンション売却前に無理してリフォームする必要がない理由として、以下3つの理由が挙げられます。
理由1.マンションの価格は立地と築年数で大きく決まる
マンション売却の価格は物件の立地と築年数、広さ、現在の市場状況など複数の要素に基づいて決定されます。特に、立地と築年数が価格に大きく影響するため、リフォームを行っても価格が大幅に上がることは考えにくいです。
また、リフォームの投資額がそのまま価格に反映されるわけではないため、慎重な判断が必要となります。
理由2.リフォーム費用がかなりかかる場合がある
リフォームの費用相場は工事の範囲や質によって大きく異なります。例えば、キッチンやバスルームのリフォームは100万円単位の費用がかかるケースが多いです。また、フルリフォームした場合の費用相場は坪単価で10~50万円といわれています。
高く売るためにリフォームしたとしても、リフォーム費用が嵩むことで利益がそこまで増えない可能性もあるため、リフォームを無理して行う必要はないでしょう。
理由3.購入希望者に必ずしも評価されるとは限らない
良かれと思って行ったリフォームが、購入希望者の好みに合わない場合もあります。リフォームする場合、市場や購入希望者のニーズを知ることが大切ですが、個人でそこまで調査するのは困難です。
そのため、リフォームを行わず売却することも1つの選択肢となります。また顧客の中には自分で好きなようにリフォームしたいという方いるため、すでにリフォームされた物件は評価されない場合があります。
2.マンション売却前にリフォームを検討した方がよい場合もある
マンション売却の前は、無理してリフォームする必要はありませんが、中にはリフォームを検討した方がよいケースもあります。
リフォームを検討すべき、以下3つのケースについて詳しく解説していきます。
設備に明らかな不備がある場合
設備に明らかな不備がある場合は、リフォームしないと売却が難しくなるでしょう。
水回りや暖房・冷房システムなど生活には欠かせない部分が正常でない場合は、買い手が見つかりにくいです。リフォームせずに売却できたとしても、入居後のトラブルにつながる場合もあるため十分に注意が必要です。
また、壁紙の色や匂いなど物件全体のイメージを決める箇所の設備も、気になる場合はリフォームをおすすめします。
【部分リフォームの費用相場】
壁紙・天井の張り替え | 5~15万円 |
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フローリングの張り替え | 10~30万円 |
バスルーム | 50~150万円 |
トイレ | 20~50万円 |
キッチン | 50~200万円 |
近くに同条件の物件が売却されている場合
近くに同条件の物件が売却されている場合、その物件の販売価格は保有するマンションの売却価格設定に影響を与えます。理由は、同じ地域で似た条件の物件が売りに出されていると、買い手は価格を比較しやすくなるためです。
それを踏まえると、リフォームにより物件の魅力を高めることが、売却価格を上げるための戦略になり得ると考えられます。
買い手がなかなかつかない場合
買い手がなかなか見つからない場合は、リフォームを検討してみるのもよいでしょう。
市場に長期間露出している物件は、見た目や設備の古さが原因で敬遠されがちです。リフォームにより内装を現代的なデザインにするほか、古い設備を新しいものに交換することで、物件の魅力がアップし買い手が見つかる可能性が高まります。
また、リフォームを行うことで、買い手の目に留まりやすくなるでしょう。
時代に合わせてリフォームをした結果、売却時の市場価値を上げられた事例があります。
- 例1.ペットと暮らすためのリフォーム
- 例2.耐震、バリアフリーのリフォーム
- 例3.感染症対策のための手を洗う場所を増やす
- 例4.洗面所の位置を変えるリフォーム
- 例5.キッチンやバスルームを最新モデルに更新
- 例6.壁紙や床材を防音に交換
これらのリフォームは購入者のニーズとマッチしやすいため、プラス要素として働いたと考えられます。買い手が見つからない場合は、これらを参考にリフォームを検討してみましょう。
3.マンション売却前にリフォームするときの注意点
もし、マンション売却前にリフォームする場合、どのような点に注意すべきでしょうか。ここでは、リフォームするときに注意点すべき4つのポイントを紹介します。
必ず不動産業者に相談する
リフォームする前に、不動産業者に相談するようにしましょう。業者は市場の動向や地域の不動産価格に精通しているため、リフォームが売却価格に与える影響についてアドバイスしてくれます。
それらの情報はリフォームにかかる費用と見込まれる売却価格の差額を分析し、経済的に合理的かどうか判断するのに役立つでしょう。
また、信頼できるリフォーム業者を紹介してくれたり、リフォームの見積もりを支援してくれたりすることも期待できます。ただし、業者に相談する際には必ず複数の業者に声をかけるのが大切です。
売却時のポジショニングを考えたリフォームを行う
マンション売却時のリフォームは、物件のポジショニングに大きく影響します。そのため、ターゲットとする買い手層を明確にし、その層に合わせたリフォームを行うことが重要です。
たとえば、投資目的の買い手には高額なリフォームは必ずしも求められないかもしれません。購入者によって好みが分かれない部分に限定し、リフォームするのも1つの手段として考えられます。
リフォーム後の売却価格を見極める
リフォーム後のマンションの売却価格を見極めることが売却成功の鍵です。リフォームにかかる費用と価格上昇を比較し、経済的に合理的かどうか判断する必要があります。
また、立地や市場状況、リフォーム範囲によって、リフォームの効果が異なることも忘れないようにしましょう。
リフォームの優先順位を考える
リフォームの優先順位を正確に設定することが重要です。購入希望者の目を引くキッチンやバスルームの改修は優先的に検討する価値があります。ただし、明らかな不備の修繕は基本的に最優先です。
また、個人の趣味に合わせた特殊な改修よりも、一般的に好まれるスタイルにリフォームするほうが無難でしょう。
4.リフォーム無しでマンション売却!成功させる4つのポイント
マンション売却の流れを理解しておく
マンション売却の流れを理解しておくことは、売却を成功させるために非常に重要です。売買契約の締結に至るまでに価格や条件の交渉があり、首都圏では売り出して買い手がつくまでおよそ4か月弱かかる場合もあります。そのため、あらかじめ流れを理解しておくことが、焦って売却してしまわないために大切です。
不動産会社に査定の依頼→媒介契約の締結→売り出し価格の確定→売買契約の締結
マンション売却の流れは、大まかに以上のようになります。さらに詳しい売却の流れは以下の記事で解説しているので、売却を進める前に確認しておくとよいでしょう。
複数の不動産会社に査定を依頼して価格相場を把握する
複数社からの見積もりを比較すれば、市場価値を正確に把握し、最適な販売価格を設定できます。会社ごとに査定基準が異なるため、複数の査定結果を参考し客観的な価値を知っておくことが大切です。
また、競合の不動産会社同士が価格競争をするケースもあるため、結果として高い価格で売却できる可能性もあります。
信頼できる仲介業者を選ぶ
信頼できる仲介業者を選ぶことは、マンションを高く売るために重要です。明確な査定根拠を持つ仲介業者は、その物件の市場価値を正確に把握しています。地場価格に詳しい仲介業者は、買い手のニーズや地域の動向を把握しているため、適切な販売戦略を立ててくれるでしょう。
また、広告力の強い業者であれば、より多くの潜在的な購入希望者に物件をアピールすることができます。特に大手ポータルサイトやSNSを駆使した広告戦略は、買い手を見つけるうえで非常に効果的です。
お金をかけずに物件をきれいに見せる
リフォームを行わなくても内見時の印象を良くする方法はあります。掃除はマストで行いましょう。特に水回りは重要です。
掃除のほかにも、部屋を広く見せるための工夫として、大きな家具などは収納してみるのも効果的といえます。また、照明をおしゃれなものに取り換える、室内灯のスイッチのみ取り換えるなどもおすすめです。
なお、内見の前には室内の空気を良くするために、換気を行うことも忘れないようにしましょう。
5.マンション売却時に悩んだらプロに相談しよう
マンション売却前は、必ずしもリフォームをする必要はありません。ただし、設備に明らかな不備がある場合や、なかなか買い手が見つからない場合は、リフォームを検討してみるのがよいでしょう。
リフォームする場合、事前に不動産業者に相談してみるのがおすすめです。業者に相談することで、リフォームの費用対効果や、どこをリフォームするべきかなど、高値で売却するために必要なアドバイスをもらえます。なお、不動産会社に相談する際は、実績があり信頼できる会社を選ぶことが大切です。
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