マンションの寿命(耐用年数)はどれくらい? 通常何年住める?

マンションの寿命(耐用年数)は一体どれくらいなのでしょうか? マンションを買っていつまでもつのか。自分の老後まで住めるのか。賃貸ではなく購入を考えている方には1位2位を争うくらい、気になる事かもしれませんね。ここではマンションの一般的な寿命について、また寿命がきたらどうすべきかについて解説します。

マンションの寿命は何年?

物にはいつか限界がくるとはいえ、高い買い物の家はどのくらいで寿命がきて住めなくなるのか、気になるマンションの寿命に関してご紹介します。
日本ではこれまで建物の寿命は物理的な耐久性よりも、設備の更新や機能的な変化への対応ができないことに起因する場合が多かったようです。国内の建物の寿命は、このため欧米に比べてかなり短かったといわれています。

法的耐久年数は寿命ではない

マンションの耐用年数は税制上47年と定められています。これは資産として建物の減価償却を計算するためのもので、この耐用年数は、イコール寿命というわけではありません。マンションの寿命は物件により大きく異なります。
関東大震災後の復興事業として関東各地に建設された同潤会アパート(鉄筋コンクリート造)は、近年建替えのため次々と解体されましたが、この中には84年間も残存したものもあります。一方、過去のマンションでは築40年で建替えられた事例もあります。

実際の寿命は?

実際のマンションの寿命は構造、施工、メンテナンスに左右されます。
マンションの構造には鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などがあり、施工には現場でコンクリートを流し込む方法、あらかじめ工場で流し込み現場で組み立てる方法などがあります。
必要な時期に適切なメンテナンスが行われているかが、建物の寿命に大きく影響します。

購入前にこれはチェック! マンションの寿命を左右する要因


ではここから、マンションの寿命を左右する要因として、考えられるものについて解説していきましょう。
管理状況(修繕計画はどうか、修繕積立金はちゃんとあるか)、建築構造の種類(RC造、SRC造、SIかどうか)、耐震基準などについてお話していきます。

管理状況

まず、マンションを長持ちさせるには、計画的な修繕が必須となります。そのための費用である修繕積立金と長期修繕計画は重要です。
毎年行う修繕に加え、外壁の塗装、屋上防水のやり直しなどの大規模修繕が、建物の状況によりますが10年程度で必要となります。

建築構造の種類

コンクリートは耐久性、耐火性に優れていますが引張りに弱く、一方、鉄筋は引張りに強いという性質があります。

また、コンクリートと鉄筋は熱膨張率がほぼ同じで親和性が高く、お互いが補完しあって建物の構造材となっています。このため、マンションではRC造とSRC造が多くみられます。
最近は長期間維持される構造体(スケルトン)と、短期間で交換される設備(インフィル)を分離したスケルトン・インフィル(SI)が注目されています。これは建物全体の物理的な寿命だけでなく、生活の変化に対応した機能的な寿命を長寿命化することを目的にしています。
コンクリート自体は100年程度もつといわれていますが、施工時に塩分の多い砂を使った場合には鉄筋の酸化が早まり、老朽化が進むようです。
つまり、設計・施工がすぐれており適切に維持管理されたマンションは、人間の平均寿命程度は住み続けられると考えられます。

耐震基準

建物の構造について自重(じじゅう)、積雪、風圧、地震などに対して安全な構造なものとし、一定の基準に適合するものでなければならないと建築基準法で規定しています。
地震に関しては1981年に新耐震基準が採用され、その後も改正が進められています。この基準に従い設計・施工されているはずですが、実際には建物を支える杭が岩盤に達していないなどの問題が発生したマンションもあります。

中古マンションの確認事項

中古マンションの購入にあたっては建物の状態だけでなく、次のポイントもしっかり確認しておきましょう。

立地
新築と同じく立地は最重要。数年先を見越すことが大切。
住民
どんな人が住んでいるか。空室はどの程度か。
建物
壁、天井や廊下に亀裂や歪みがないか、屋上の防水は十分か。
管理
メールボックス、エレベーター、駐輪場はきちんと管理されているか。
修繕
長期修繕計画が立てられ、十分な修繕積立金が確保されているか。
ローン
住宅ローン控除は築25年以内(耐火建築)、床面積50㎡以上の制約あり。

もしも限界がきてしまったら・・・?

人間と同じように建物の寿命は物件により大きく異なりますが、いつかは住むのに限界がきてしまうでしょう。
いくら管理がよくても寿命が来たその時、どうすればよいかをご説明します。

建替える


区分所有法でマンションの建替え決議には、所有者の4/5以上の賛成が必要とされています。建替えには多額の工事費がかかる上、建替え中の仮住まいや引越しも必要となります。
住民一人ひとりの経済状況、住まいの考え、年齢、家族構成も異なります。
所有者全員の合意を得て建替えを進めるのは、かなりハードルが高いと言わざるをえません。現存のマンションの容積率に余裕があり、建替えにより戸数を増やして増加分を売却できれば、工事費を捻出でき建替えは経済的に容易になります。

売る

マンションの建物と敷地を分離して処分することを区分所有法は禁止しています。このためマンションは土地と建物をセットで売ることになります。
ここでは寿命がきたマンションを全体で処分することを考えます。

マンションのまま売る場合

すでに寿命がきたマンションを取り壊さず、そのまま売却することは通常では難しいでしょう。解体する費用を買手が負担しなければならないためです。
買手にとってマンションの敷地に特に魅力がある場合や、既存のマンションをリノベーションして有効活用できる余地があれば、実現は可能かもしれません。

更地にして売る場合

更地にするには当然マンションの解体費用がかかります。解体費は建物の構造、立地条件で大きく変わります。
更地とすることで土地は相場価格で売却できます。売却金は解体費用を引いて、専有面積の持ち分に応じて所有者に配分されます。
              

まとめ

日本で最初のRC造の集合住宅ができたのは1916年で、100年あまり経過しました。恐らくこれから、多くの建物が寿命を順次迎えていくでしょう。
マンションの寿命は建物の構造や施工だけでなく、メンテナンスによって大きく左右されます。マンションの購入にあたっては立地や建物のみならず、管理や修繕の状況を見極めることが重要です。入居後は幸せなマンション生活を過ごすため、日ごろからマンションの維持管理をしっかりと見守っていきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

大阪大学大学院工学研究科修了、大手電機メーカで36年間にわたり海外の火力発電所の設計と建設に従事。退職後にFP事務所「桐龍フロンティア」を立ち上げ、不動産、資産運用、相続に関する講演、執筆、コンサルタントを展開。
(保有資格)ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、スマートマスター(省エネ住宅と家電)