この家は高いの?安いの?不動産の相場を自分で調べる方法

 家探しをしていて気に入った物件が見つかったとしても、この値段は適正なのかと気になることがあると思います。また、不動産業者が安いと勧めてくれた物件が本当に安いのか確かめたくなる時もあるでしょう。そのような場合、不動産を売却する際の価格設定に用いられる算出方法を利用して、自分でおおよその不動産相場を調べることができます。ただし、実売価格は様々な要因が絡み値段が決められますので、自分で調べる場合はあくまでも参考として考えましょう。

 まず、不動産の相場を調べる場合、対象が戸建かマンションかでアプローチの仕方が変わります。それは、相場を決める元となる評価基準が、戸建の場合は<土地価格+築年数に応じた建物価格>でマンションの場合は<市場価格>となるからです。

不動産の価格を決めるための評価基準

戸建:    「土地価格」+「築年数に応じた建物価格」
マンション: 「市場価格」

それでは、「土地価格」、「建物価格」、「市場価格」の算出方法を見ていきましょう。

1.土地の価格相場の算出

土地の価格は次の5つの情報のいずれかより、おおよその相場を知ることができます。

  1. 公示地価(公示価格)
  2. 基準地価(基準値標準価格)
  3. 路線価(相続税評価額)
  4. 路線価(固定資産税評価額)
  5. 時価(実勢価格)

【参考】公示地価、基準地価、路線価の違い

  調査主体 価格の決定方法 評価時期 発表時期 調査地点
公示地価 国(国土交通省土地鑑定委員会) 1地点につき不動産鑑定士2名以上による鑑定評価をもとに決定 毎年1月1日時点 毎年3月下旬 「標準値」1㎡当たりの価格
基準地価 都道府県 1地点につき不動産鑑定士1名以上による鑑定評価をもとに決定 毎年7月1日時点 毎年9月下旬 「基準値」1㎡当たりの価格
路線価 国税庁 公示地価や実売価格、不動産鑑定士による鑑定評価額等をもとに決定 毎年1月1日時点 毎年7月下旬 路線(道路)に面する土地の1㎡当たりの価格

※公示地価標準地:26,000地点(令和4年度)、基準地価基準地:21,443地点(令和3年度)

①公示地価、②基準地価から算出する方法

STEP1 「土地総合情報システム」(国土交通省)のサイトにアクセス

STEP2 「地価公示都道府県地価調査」を開く

STEP3 都道府県→市区町村と検索対象地域を絞る

STEP4 検索条件を指定して検索する

ポイント

  • 表示される金額は1㎡当たりの価格
  • 公示地価は国が、基準地価は都道府県が調べており、土地取引の目安になる
  • この価格で取引する必要はないので、実際の相場は上下に幅がある
  • 公示地価は主な都市に限られるため、調べたいエリアがない場合もある
  • 基準地価は都市以外の部分も含むため、公示地価を補完する

③路線価(相続税路線価)から算出する方法

STEP1 「財産評価基準」(国税庁)のサイトにアクセス
STEP2 都道府県のいずれかを選び「路線価図」を開く
STEP3 市区町村→地名と選びと、路線価の書かれた地図が開く

土地相場目安の計算式

相続税路線価 ÷ 0.8

 例:相続税路線価が60万円/㎡の土地の場合

   60万円÷0.8=75万円(1㎡当たり)

ポイント

  • 相続税路線価は公示地価、基準地価の約8割
  • 路線価は、その道路に面している土地の評価額のこと
  • 表示されている数値は1㎡当たりの価格(千円単位)
  • 数値の後ろのアルファベットは「借地権割合」を示す
  • 複数の道路に接する土地の場合は、最高値を参考にする
  • 立地や形状等が良ければ8割より高め、悪ければ低めとなる
  • 路線価が設定されていない場合は、一番近くの路線価を参考にする

④固定資産税評価額から算出する方法

所有する土地など、固定資産税や都市計画税の納税通知書や課税明細書が手元にある場合は、その中に記載されている固定資産税評価額を確認します。

(通常、土地の「価格」または「評価額」の欄に記載されています)

土地相場目安の計算式

固定資産税評価額 ÷ 0.7

 例:固定資産税評価額が3,000万円の土地の場合

   3,000万円÷0.7≒4,285万円

ポイント

  • 固定資産税評価額は公示地価、基準地価の約7割
  • 固定資産税評価額は税金を決めるための金額で売値ではない
  • 通知書がない場合は市区町村役場にて「固定資産評価証明」を取得する
  • 立地が良いと7割より評価額が高くなる
  • 農地や山林など規制の多い土地ではこの方法は適さない

⑤時価(実勢価格)から算出する方法

実際の土地の取引事例を参考にする方法です。

STEP1 「土地総合情報システム」(国土交通省)のサイトにアクセス
STEP2 「不動産取引価格情報検索」を開く
STEP3 検索期間と種類「土地」を選ぶ
STEP4 都道府県→市区町村→地区を決めて検索する
STEP5 取引事例の一覧が表示される
STEP6 調べたい不動産に近い条件で探す(面積等を手掛かりにする)

【補足】事例は個人情報が分からないように保護されています。

ポイント

  • 実際の取引における成約価格の為信頼性が高い
  • 知りたい地点に必ずしもデータがあるとは限らない

 

2.建物の価格相場の算出

戸建の建物価格は、「再調達価格」を元に算出します。

再調達価格

  • 目的の建物と同じ規模や仕様で新築した場合にかかる費用のこと

  • 【式】再調達価格=建物の構造別の1㎡当たりの基準単価×延べ床面積

建物の構造別の1㎡当たりの基準単価は不動産会社や銀行などにより異なります。

なお、国税庁より毎年標準的な建築費(地域別)の発表があります。次の表は全国平均と東京のデータです。

参考:国税庁「地域別・構造別の工事費用表(1㎡当たり) 令和3年分」

(単位:千円) 木造 鉄筋鉄骨コンクリート 鉄筋コンクリート 鉄骨造
全国平均※ 172 268 260 250
東京 176 338 3230 298

※該当する地域の工事費用が全国平均を下回る場合は、全国平均の工事費用を用います

また、住宅は耐用年数が過ぎると建物の価値がゼロになるため、再調達価格から経年劣化した分を割り引いて計算する必要があります(減価償却)。

建物価格の計算式

建物価格=再調達価格×{(耐用年数-経過年数)÷耐用年数}

耐用年数とは建物の価値が法律上ゼロになる年数であり、建物の構造別に法定耐用年数として決まっています。その為、法定耐用年数は減価償却の計算に使われるもので、実際の建物の寿命を表すものではありません。

建物の構造 法定耐用年数
木造 22年
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3㎜以下) 19年
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3㎜超4㎜以下) 27年
重量鉄骨造(骨格材肉厚4㎜超) 34年
鉄筋コンクリート造 47年

例:再調達価格3000万円の木造住宅で築16年の場合

 3000万円×{(22年-16年)÷22年}=約818万円

※実際の建物価格は破損などの個別的要因を考慮するため計算結果と異なります。

3.マンションの価格相場の算出

マンションの価格相場を算出するためには、市場価格を調べ比較検討していきます。

簡単に自分でマンション価格を調べる方法としては、SUUMO(スーモ)やLIFULL HOMES(ライフルホームズ)のような、大手不動産検索ポータルサイトを利用して、探しているエリアにある、広さや間取り等が類似する物件を複数検索して価格を比較する方法があります。

マンションの価格相場の算出

不動産ポータルサイトで類似物件を複数検索して価格を比較する

この方法は、家電などを購入する際の価格相場を調べるのと似ていますが、同一品を調べられる家電とは違い、全く同じものがない不動産の場合は、比較検討するのにコツがいるかもしれません。

まとめ

不動産価格の相場感を養うことは、適正な価格で不動産の取引ができるひとつの武器になります。ただし、実際の不動産取引においては、様々な要因が積み重なって価格が決められますので、自分で調べる場合は、あくまでも参考として上手に利用してください。


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