戸建てが売れない主な原因は?売却を成功させる対策やコツを解説

戸建て住宅の売却を考えている方の中には、なかなか売れずに悩んでいる方も多いでしょう。戸建てが売れない背景にはいくつかの原因が考えられます。

本記事では戸建てが売れない原因を解説し、戸建て売却の対策や、戸建ての売却を成功させるコツなどをご紹介します。

戸建てが売れない主な原因

戸建てがなかなか売れない場合、原因を把握することが大切です。住宅は時間が経つにつれ価値が下がってしまうため、早めに原因を突き止めましょう。

戸建てが売れない主な原因は以下の4つです。

● 築年数が古い

● 相場よりも価格が高い

● 立地が良くない

● 内覧対応が悪い

築年数が古い 

築年数が古い物件はなかなか売れません。住宅は時間とともに資産価値が下がってしまうためです。

資産価値の基準として主に用いられる「減価償却資産の耐用年数」は次の通りです。

住宅の構造・用途 耐用年数
木造・合成樹脂造の住宅 22年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 47年

参考:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表

例えば、木造の住宅だと、22年を超えると資産価値がほとんどなくなってしまいます。できれば耐用年数を超えないうちに売却することが大切です。

ただ、耐用年数を超えても売却は可能です。本記事の後半で紹介する「売れないときの対策」を参考にしてみてください。

相場よりも価格が高い 

問い合わせや内覧希望が少ない場合、物件の価格が相場よりも高い可能性があるでしょう。不動産会社によっては、高めの査定を出したり値下げ交渉前提の価格を提示したりするケースもあります。市場で取引される相場を見て、価格を検討し直しましょう。

一方で、安易に価格を下げるのは良くありません。売れ残っているような印象を与えてしまったり、かえって相場より安く売ってしまったりする恐れがあります。不動産会社に相談しながら慎重に検討することが大切です。

不動産売却無料査定はこちら

立地が良くない 

立地によってはなかなか売れなくなってしまいます。購入希望者は自分の条件に合った物件を探すからです。

特に、駅から遠い戸建ては避けられる傾向にあります。総務省統計局の調査によると、通勤・通学時間の全国平均は往復1時間19分(片道39.5分)です。

戸建てが駅から15分以内のところにあれば、片道39.5分かかったとしても、1時間以内で済みます。しかし、駅から40分のところにあると、片道だけで1時間以上かかってしまうでしょう。このような点を考慮して、立地を補うような魅力を作ったり、売却価格を調整したりすることが大切です。

内覧対応が悪い 

問い合わせや見学があるのに買い手が決まらない場合、内覧時の対応に問題があるという可能性もあるでしょう。例えば、「直接見ると傷がたくさんあった」「思った以上に汚れていた」という印象を抱かれると、購入をためらってしまう人が多いです。

不用品が多い場合はできるだけ処分しましょう。また、生活感を出し過ぎないようにすることも大切です。気になる人が多い「収納の中」なども、事前に片付けておくとアピールできる点が増えます。

戸建てが売れないときの対策

戸建て物件が売れない原因はさまざまですが、大切なのは原因を把握して速やかに対処することです。ここでは対策を3つ紹介します。

● 物件のアピールポイントを決める

● 築年数に合わせて売却方法を検討する

● インスペクション(建物状況調査)してもらう

● 売れるタイミングを見極める

物件のアピールポイントを決める

物件のアピールポイントをまとめておきましょう。なかなか売れなかったとしても、メリットとしてアピールできるポイントがあるはずです。

具体的には、次のようなポイントが挙げられます。

  1. バス停が近く都市部に行き来しやすい
  2. すぐ近くに大きなショッピングモールがある
  3. 閑静な住宅街で大きな公園があり、子育てしやすい
  4. 穏やかな高齢者が多く、犯罪率が低い
  5. 道幅が広く自転車を停めやすい、など

 

長期間住んでいる人ならではの良さを伝えることが重要です。また、「大型ショッピングモールの建設が予定されている」「高速道路が作られている」など、未来に向けたアピールを行うのも一つの方法です。

築年数に合わせて売却方法を検討する 

築年数に合わせて、最善の売却方法を不動産会社と相談して決めることが重要です。例えば、次のような選択肢があるでしょう。

  1. 中古の一戸建てとして売る
  2. 一部をリフォームして売る
  3. 建物を取り壊し、更地として売る
  4. 建物を取り壊し、土地を分けて売る

 

築年数が古すぎる場合、一戸建てより更地にしたほうが売りやすい場合もあります。

ただし、取り壊す場合は撤去費用がかかってしまいます。また、「更地にしても売れない」といったケースもあるため、そのエリアに強い不動産会社に相談しましょう。

「都内の一戸建てを売りたいけれど、なかなか買い手が見つからない」という場合、住建ハウジングにご相談ください。

住建ハウジングに相談したい方はこちら

 

インスペクション(建物状況調査)してもらう

インスペクション(建物状況調査)とは、建築士(既存住宅状況調査技術者)が実施する建物調査のことです。主に、次のような点を調査します。

  1. 既存住宅(中古住宅)の基礎
  2. 外壁等の部位毎に生じているひび割れ
  3. 雨漏り等の劣化・不具合の有無など

 

国土交通省によれば、中古住宅を購入しない理由として、約3人に1人が「新築物件よりも問題が多そうだ」と感じているとわかっています。

中古住宅を購入しない理由

出典:国土交通省|中古住宅流通、リフォーム市場の現状

インスペクションしてもらうことで、買い手の「欠陥が多いかもしれない」という不安を和らげられるでしょう。また、「インスペクション済みである」とアピールすることも可能です。

インスペクション(建物状況調査)について詳しくはこちら

売れるタイミングを見極める

家が売れやすい時期は、進学などで引っ越しが多くなる2〜3月です。一方で、4月以降は売れる可能性が低くなります。特に5月から6月は需要が少なくなる閑散期となり、この時期は特に注意が必要です。

4月以降になる場合、9月頃も狙い目です。2〜3月ほどではないにせよ、9月は転勤が多いため需要が多くなります。

このように売れやすい時期に合わせて売り出せるよう、最適なタイミングで物件を公開することが大切です。

家を売るタイミングについて詳しくはこちら

戸建てを売却する際の注意点

戸建てがなかなか売れないと感じても、次のような行動はよく検討しましょう。

● 大がかりにリフォームする

● 空き家にしてしまう

大がかりにリフォームする

大がかりなリフォームが必要かどうかは慎重に見極める必要があります。かなりの費用がかかってしまうためです。

リフォームしても買い手が現れなかった場合、大きな損失が生まれる可能性もあるでしょう。一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の調査(※)によると、リフォームの平均費用は一戸建てで471.6万円です。

ただ、リフォームすることで売りやすくなる可能性もあります。事前にしっかり不動産会社に相談することが大切です。

一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会|住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査

空き家にしてしまう

一戸建ては空き家にはしないことをおすすめします。さまざまなトラブルが発生しかねないからです。

例えば、次のようなトラブルが挙げられます。

  1. カビが大量発生する
  2. 排水管の中にヘドロが発生する
  3. 害獣・害虫が侵入する
  4. 雨漏りしやすくなる
  5. 小動物に荒らされる

 

できれば売却までは誰かが住むようにし、家を維持し続けるようにしましょう。

場合によっては、不動産会社に管理をお願いすることもできます。

戸建てが売れない原因を把握し対策しよう

戸建てが売れない場合には必ず原因があります。しかし、コツを知り、適切な対策を取ることで、売却できる可能性が高まります。

戸建ての売却は一般的な買い物よりはるかに金額が高くなるため、簡単なことではありません。売りに出している戸建てがなかなか売れないときは、その土地の特性をよく知る不動産に相談してみましょう。

不動産売却無料査定はこちら

投稿者プロフィール

石川充
宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。
お探しのエリアや購入価格から都内の物件を探せます

種別

エリア

物件価格

ABOUTこの記事をかいた人

宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士 1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。 その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。 現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。