住みたい街が多く、住みたい沿線として位置する城南エリア

住みたい街が多く、住みたい沿線として位置する城南エリア

「城南エリア」とは城、つまり江戸城(現・皇居)から見て南側に位置する地域一帯を指す言葉です。
行政的な分類ではないため定義はありませんが、品川区目黒区大田区港区などが城南に該当します。
現在、城南エリアを中心に再開発が行われており、不動産投資家の間でも注目されている地域です。

富裕層に好まれる「城南」

不動産系のポータルサイトMAJOR7が、全国のマンション購入意向者約70万人に対して行ったアンケート(2014年)によると、「住んでみたい街」の2位に自由が丘目黒区)、8位に中目黒(目黒区)、9位に品川(港区)がランクイン。
城南エリアを走るJR山手線は「住んでみたい沿線(首都圏)」で第1位です。

城南エリアが人気で、とりわけ不動産投資家に評価されている理由は主に3つあります。

一つ目は「アクセスの良さ」

城南エリアにはJR山手線・東海道本線をはじめとして、東急各線や都営地下鉄各線が走っており、都心部へのアクセスはもちろん、郊外エリアへの移動にもすぐれています。
自由ヶ丘から渋谷駅まで東急東横線特急で8分、品川駅から東京駅まで東海道本線で8分。
仕事とプライベートの両立が可能なことから、富裕層からの賃貸需要が高いエリアです。

二つ目は「利便性の高さ」

不動産投資は土地が重要といわれていますが、土地とはブランドだけではなく、利便性も含まれています。
その土地で暮らすという以上、生活に便利であるのに越したことはありません。
「住んでみたい街」の2位に輝く自由ヶ丘は、城南エリア有数のショッピングスポット。
また渋谷駅や代官山駅といった商業地域にも隣接しているため、買い物がしやすいエリアでもあります。

三つ目は「資産価値が安定していること」

城南エリアは不動産投資の面においても高いパフォーマンスを発揮します。
城南は花房山八ツ山御殿山など高級住宅街が集中しているスポットとして有名で、古くから政治関係者や企業の経営者といった財界人が住んでいたことから、富裕層向けの不動産が集中しています。
「アクセスの良さ」や「利便性の高さ」も相まって、高所得者からの人気は根強く、地価が下がりにくいエリアといえるでしょう。

高級住宅地が集中する「品川区」

品川区というと商業の中心地というイメージが強いかもしれませんが、高級住宅街が集中しているエリアでもあります。
城南エリアにおいて富裕層が好んで住んだという「城南五山」(池田山御殿山島津山花房山八ツ山)のうち、八つ山(港区)を除いた四山が品川区に位置しています。

池田山(東五反田4~5丁目付近)と御殿山(北品川3~6丁目付近)は大名屋敷が構えられていたことに由来、島津山(東五反田1・3丁目付近)は旧薩摩藩の島津公爵邸があったことから、花房山(上大崎3丁目付近)は花房子爵にちなんで付けられたそうです。

また花房山付近には長者丸といわれる地域があり、こちらも閑静な住宅がならぶ高級住宅地として知られています。
高級住宅街は財界人が好んで住むことから治安がよく、住環境に恵まれているのが特徴です。
現在も富裕層を中心に根強い人気を誇っており安定した需要があります。最近は品川区と隣接した港区において再開発が進んでいることから要注目のエリアです。

再開発によってますます重要性が高まる「目黒区」

目黒区のシンボルとなっている自由ヶ丘は、オシャレなショッピングスポットが広がる街であるのと同時に、落ち着いた住環境が整っている人気住宅街のひとつです。青葉台柿の木坂といった高級住宅地も集中しており、城南エリア屈指のブランド区といえます。

目黒駅周辺地域は商業施設と文化施設などが一帯なったエリア。
ターミナル機能の強化、居住機能の強化、高次都市サービスの強化を図る「目黒駅周辺地区整備構想」(トライスクエア構想)が策定されている街で、東京都によって民間プロジェクトを推進する「先行まちづくりプロジェクト」にも指定されるなど、城南の拠点として積極的に再開発が行われています。
大手民間会社の参入も進んでいることから、交通結節点としての魅力がますます高まっているエリアです。

また渋谷・恵比寿周辺の再開発に伴って、これらの駅に近い中目黒駅周辺の価値も高まっています。
中目黒駅は、東急東横線急行で渋谷駅まで3分、東京メトロ日比谷線で恵比寿駅まで2分という好立地。
都心回帰によって住宅需要の増加も予想されています。不動産投資先として要注目エリアの1つです。

田園調布を有する「大田区

東京23区で最南端に位置する大田区
世界に名だたる大企業、活気にあふれる商店街、富裕層が好んで住む高級住宅地、そして豊かな自然が同居していることから「東京の縮図」とも呼ばれています。
大田区にある田園調布は都内でも有数の高級住宅街。
協定によって商業施設や住居に対して建築制限を設けることで、田園調布ブランドを守り続けています。
洗練され町並みが広がっていることから富裕層からの評価が高く、土地の価値が非常に安定しています。

また最近、不動産投資先として注目されているのが蒲田エリアです。
再開発によって駅周辺の価値が高まっており、羽田空港の国際化や、新空港線「蒲蒲線」の構想も相まって、急激に価値が上昇しています。
蒲田は行政・商業の中心地でもあるため、賃貸需要も安定しています。
大田区内で最も価値が下がりにくい土地といえるでしょう。

城南エリアにおける不動産地価の推移

公示地価(2014年)をみると、品川区(前年比+4%)・目黒区(同+2.7%)・大田区(同+1.8%)となっており3区すべての地価が前年よりも高くなっています。
東京では2008年に起こったリーマンショック以降、地価が下がり続けていましたが2013年に東京オリンピックの開催が発表されたことで都内ほぼ全域の地価が上昇傾向にあります。

城南エリアでは、オリンピックが開催される2020年に併せて再開発が行われているエリアであることから、地価の上昇は今後も続くと予想されています。
手堅い投資をする場合は町並みが保全されている高級住宅街、ハイリターンを狙う場合は開発が進む駅周辺の土地というように、目的によって投資先を選べるのも同エリアの魅力といえるでしょう。