統計データをもとに東京23区をさまざまな角度からランキング!
一戸建て住宅やマンションを選ぶための役立つ情報を提供していきます。
今回は「人口ランキング」です。上位にランクインするのは何区でしょうか。
ランキングTOP10
第1位…世田谷区 918,141人(男性434,591人 女性483,550人)
第2位…練馬区 741,540人(男性358,739人 女性382,801人)
第3位…大田区 733,634人(男性364,637人 女性368,997人)
第4位…足立区 693,223人(男性346,947人 女性346,276人)
第5位…江戸川区 689,961人(男性347,127人 女性342,834人)
第6位…板橋区 572,927人(男性280,059人 女性292,868人)
第7位…杉並区 572,843人(男性275,440人 女性297,403人)
第8位…江東区 539,108人(男性264,566人 女性274,542人)
第9位…葛飾区 467,000人(男性232,534人 女性234,466人)
第10位…品川区 408,280人(男性199,866人 女性208,414人)
第11位…北区 357,701人(男性177,688人 女性180,013人)
第12位…新宿区 349,226人(男性175,428人 女性173,798人)
第13位…中野区 337,377人(男性170,371人 女性167,006人)
第14位…豊島区 291,650人(男性146,383人 女性145,267人)
第15位…墨田区 284,555人(男性140,148人 女性144,407人)
第16位…目黒区 279,520人(男性131,816人 女性147,704人)
第17位…港区 266,306人(男性125,353人 女性140,953人)
第18位…文京区 232,177人(男性110,561人 女性121,616人)
第19位…渋谷区 230,609人(男性110,568人 女性120,041人)
第20位…荒川区 219,268人(男性108,991人 女性110,277人)
第21位…台東区 212,388人(男性108,097人 女性104,291人)
第22位…中央区 176,835人(男性84,212人 女性92,623人)
第23位…千代田区 68,755人(男性34,412人 女性34,343人)
※参考元:令和6年1月1日住民基本台帳
政府統計の総合窓口(e-Stat)
ランキングの概要
第1位に輝いたのは世田谷区です。平成27年、ついに900万人を突破しました。
世田谷区は東京23区中で江戸川区や新宿区と並んで高い人口の伸び率を示しており、現在も順調に人口が増え続けています。
世田谷区の人口が多い背景には、東京23区の中でも適度に都心から離れ、自然の多い優れた住環境が保たれている点があると思われます。
玉川田園調布、成城、等々力など東京を代表する高級住宅街が集中しており、多くの住宅街が比較的早い時期から計画的に開発されたことから、世田谷区の不動産は現在も高い人気を集めています。近年は、高齢化が進んでいるものの、依然として人口が多い状態が続いています。
世田谷区の人口が多い主な理由
- 住環境の良さ: 緑が多く、公園が豊富で、閑静な住宅街が多い一方で、渋谷駅まで電車で15分圏内という利便性も兼ね備えています。
- 多様な住居: 一戸建てからマンションまで、様々なタイプの住宅があり、ライフスタイルに合わせて住居を選べます。
- 教育環境の充実: 名門私立学校から公立学校まで、教育機関が充実しており、子育て世代に人気です。
- 交通の便: 各方面へのアクセスがよく、生活がしやすいです。
- 商業施設の充実: スーパーマーケットや商店街など、生活に必要なものが揃っています。
- 歴史と文化: 古くからの街並みや寺社仏閣など、歴史と文化に触れることができる環境です。
これらの要素が複合的に作用し、世田谷区は多くの人にとって住みやすい街として魅力的なのです。
第2位は練馬区です。練馬区は東京23区の中では最も新しく、板橋区の町村域が1947年に分離して発足しました。都心からはちょっと距離があり、23区の中でも「ちょっと郊外」という印象がある練馬区ではありますが、西武池袋線沿線を中心に着実に人口が増えており、東京メトロ副都心線や都営地下鉄大江戸線の開通後は都心へのアクセスもより便利になりました。
第3位の大田区は東京23区中最大の面積を誇る区です。田園調布や山王、久が原といった高級住宅街があります。
また湾岸エリアでもあり、東京オリンピック開催の影響で再注目されました。
今後は羽田空港周辺もさらに開発が進んでいくと思われます。
東京オリンピックといえば、第10位の品川区でも、交通インフラの整備、大規模マンションの建設などが相次ぎました。
JR山手線田町から品川駅間には新駅「高輪ゲートウェイ駅」が建設され、将来には品川駅にリニア中央新幹線が開通する見込みになっています。
こうした大規模な交通インフラの整備後には、それにあわせた新たな街づくりや大幅な人口増が予想されます。
第4位は足立区。足立区と言えば荒川がシンボル的な存在で、豊かな自然と水辺の風景が特徴的です。つくばエクスプレスや日暮里・舎人ライナーなど、複数の鉄道が乗り入れており、都心へのアクセスも良好でありながら、住宅の価格も都心と比較して安価で、一戸建てを手に入れやすい地域です。
第5位も自然豊かな江戸川区。江戸川区は23区内で公園面積が最も広いことで知られており、遊園地やBBQエリアなど様々な施設が揃う葛西臨海公園が有名です。子育て支援が充実しており、子育て世代に人気があります。
第6位は板橋区です。郊外に位置していますが、JR埼京線、東京メトロ有楽町線・副都心線、都営三田線、東武東上線など、複数の鉄道が通っており、都心へのアクセスが便利です。路線バスも充実しており、区内各地への移動もスムーズなため、高齢者にも住みやすい地域です。
第7位に杉並区。高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪など、それぞれの駅周辺には個性的な商店街が軒を連ねており、古着屋や雑貨店、カフェなど、個性豊かなお店が多く、散策するだけでも楽しめます。また、高円寺阿波踊りや阿佐ヶ谷七夕祭りなど、一年を通して様々なイベントが開催されています。JR中央線、東京メトロ丸ノ内線など、複数の路線が利用できて都心へのアクセスも良好です。
第8位の江東区は、江戸時代から続く下町情緒あふれる街並みや、歴史的な建造物が数多く残りつつ、豊洲市場や東京ビッグサイトなど、大規模な商業施設や展示施設が整備され、国際的な都市としての顔も持ち始めているエリアです。高級住宅街から庶民的な商店街まで、様々なライフスタイルが混在しており、それが江東区の魅力となっています。
第9位は、下町情緒あふれる葛飾区です。映画「男はつらいよ」の舞台となった柴又や、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のモデルとなった亀有などが有名です。都心から離れているため、地価が比較的安価で物価も都心より安めで、生活しやすい環境です。
先ほども触れた第10位の品川区は、新幹線や在来線が乗り入れ、都心へのアクセスが抜群。羽田空港へのアクセスも便利です。江戸時代に東海道の宿場町として栄えた歴史的な街並みもあり、また、品川シーサイドフォレストや品川アクアパークなど多様な施設も充実。歴史と文化、自然、そして都会の利便性を兼ね備えた住みやすい街です。
キーワードは「交通インフラ」
不動産物件探しをする際、人口ランキングと関連するキーワードとしては、前に説明した「交通インフラ」があげられるでしょう。
首都圏は少子高齢化・人口減が全体的に進行している日本の中でも、例外的に人口が増加または保たれている限られたエリアです。
しかし、区ごとに人口の増減を細かく見ていくと、必ずそこには各区の「事情」が見えてきます。
一般に、「人口が増加し続けているエリア」は地価が安定し、不動産の資産価値も長く維持されるものと思われます。
しかし人口増加の理由が一過性のものだった場合、いずれ不動産の資産価値も頭打ちになってしまうでしょう。
その点、「交通インフラ」はいったん建設されると、その後数十年にわたってそのエリアに「交通の利便性」という恩恵を与えてくれます。
また、過去の大規模な都市の再開発には、必ずといっていいほど大規模な交通インフラの整備がともなっています。
例えば、田園都市線のような鉄道網を基盤とした住宅街開発、最初の東京オリンピックの際に登場した東海道新幹線やオリンピック道路などです。
単に「そのエリアの人口が増加しているかどうか」ではなく、「人口増にともなう交通インフラの整備がどれくらい行われるか」に着目することによって、そのエリアの発展にどれだけの継続性があるのかをある程度読み解くことができるといえます。
そして、発展が継続する可能性が高いエリアほど、長期にわたって不動産資産価値が安定すると考えられ、結果として「お得な不動産」であるといえるでしょう。
そしてもちろん、「実際に自分が住む住居の利便性」を考えた時も、交通インフラが充実していることは大きなメリットになるに違いありません。
将来を読み、まだ成長性のあるエリアを要検討
人口増と交通インフラの整備の関係に着目する際、もう1つ忘れてはいけないポイントがあります。
それは、不動産購入のタイミングを逃して、もう十分に地価が上がってしまったエリアでは、交通の利便性は別として「価格的なお得感」は期待できないかもしれない、ということです。
もちろん、「いつが地価のピークなのか」は簡単に判断できるものではありません。
しかし、判断を戸惑っているうちに買い時を逃してしまうことには、くれぐれも注意したいものです。