土地を1,000万で売却したら税金はいくら?計算シミュレーション&使える特例を解説

1,000万円で土地を売却する場合、税金がどれくらいかかるのか不安な方も多いでしょう。本記事では、ケース別の計算シミュレーションを踏まえ、1,000万円で土地を売却する際にかかる税金の種類や計算方法を紹介します。さらに、税負担を抑える主な特例の種類や適用要件、賢く土地の売却を進める方法についても解説。土地の売却を検討中の方はぜひ参考にしてください。

土地を1,000万円で売却する際にかかる税金の種類

税金の種類 概要 支払うタイミング
所得税
住民税
土地を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金

【所得税】
売却した翌年の確定申告時期

【住民税】
売却した翌年の6月以降

印紙税 不動産売買契約書を作成する際にかかる税金 売買契約を締結するとき
登録免許税 土地の抵当権抹消など、登記情報を変更する際にかかる税金 土地の引き渡し日(決済日)

 

土地を売却するときは、一般的に上記に挙げた4種類の税金がかかります。売却手続きをスムーズに進めるために、それぞれの税金がかかるケースや支払うタイミングを把握しておきましょう。

【所得税・住民税】売却益が発生した時に必要

所得税と住民税は、土地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合のみ発生する税金です。土地売却により生じた譲渡所得には、復興特別所得税を含む所得税と住民税が課されます。

課税対象となるのは、土地の売却価格そのものではなく、土地の取得費や譲渡費用、特別控除額などを差し引いた「課税譲渡所得金額」です。適用される税率は、売却した年の1月1日時点における土地の所有期間によって変わります。

 所有期間別の税率

課税方法の種類

所有期間の判定基準
(申告分離課税の場合)

税率
短期譲渡所得

売却した年の1月1日時点で
所有期間が5年以下の場合

39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
長期譲渡所得

売却した年の1月1日時点で
所有期間が5年超の場合

20.315%(所得税15.315%+住民税5%)

※平成25年〜令和19年の期間は、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税とあわせて申告・納付する

参考:国税庁「短期譲渡所得の税額の計算
参考:国税庁「長期譲渡所得の税額の計算

【印紙税】売買契約書を作成するときに必要

土地の売買契約書を作成する際は、取引金額に応じた収入印紙を貼って消印を押す必要があります。印紙税額は売却の契約金額に応じて変わり、1,000万円で土地を売却する場合の印紙税額は、軽減税率の場合で5,000円です。

なお、令和9年3月31日までに作成される不動産売買契約書には、軽減措置が適用されます。令和9年4月1日以降の契約の場合、本則税率である1万円が適用される点に注意しましょう。

 【印紙税額一覧】

契約金額 軽減税率※ 本則税率
10万円超え50万円以下 200円 400円
50万円超え100万円以下 500円 1,000円
100万円超え500万円以下 1,000円 2,000円
500万円超え1,000万円以下 5,000円 1万円
1,000万円超え5,000万円以下 1万円 2万円
5,000万円超え1億円以下 3万円 6万円
1億円超え5億円以下 6万円 10万円

※令和9年3月31日までに作成される書類まで適用

参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

【登録免許税】抵当権抹消など登記申請に必要

登録免許税は、抵当権抹消や所有権移転などの登記を申請する際にかかる税金です。抵当権とは、住宅ローンなどを契約する際に金融機関が融資の担保として土地や建物に設定する権利を指します。

売却する土地に抵当権が設定されている場合は、引き渡しまでに抹消手続きが必要です。税額は不動産1個につき1,000円で、建物と土地がある場合は個別で課税されます。

参考:法務局「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税

【シミュレーション付き】2,000万円で土地を売却すると税金はいくら?計算方法と節税策を解説


土地を1,000万円で売却する際の税金の計算方法

1,000万円で土地を売却したときにかかる所得税・住民税は、上記3つの手順で計算できます。以下で全体の流れを把握し、具体的な税額をイメージしてみましょう。

ステップ1:譲渡所得を求める

譲渡所得 = 譲渡価格(収入金額) -(土地の取得費 + 譲渡費用)

参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

譲渡所得とは、譲渡価格から土地の購入にかかった費用(取得費)と売却にかかった費用(譲渡費用)を差し引いて、手元に残る利益です。土地を1,000万円で売却する場合、1,000万円から該当する取得費と譲渡費用を差し引いて、譲渡所得を算出します。

ステップ2:利用できる特例・控除額を調べる

譲渡所得を算出できたら、自身の状況に応じて利用できる特例の種類や具体的な控除額を調べましょう。具体的には、要件を満たすマイホームの売却時に使える3,000万円の特別控除の特例や、相続した空き家向けの特例などです。

特例を適用できるかどうかによって、最終的に負担する税額が変動する場合があります。利用できる主な特例の要件や控除額については、以下で詳しく解説しているのでチェックしてください。

ステップ3:土地の所有期間に応じた税率をかける

納税額 = (譲渡所得 - 控除額) × 税率

参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

自分が利用できる特例がわかったら、「ステップ1」で求めた譲渡所得から特別控除額を差し引いて、「課税譲渡所得金額」を算出しましょう。「課税譲渡所得金額」に、土地の所有期間に応じた税率をかければ、最終的な納税額を求められます。

税率は、売却した年の1月1日時点での土地の所有期間によって変動します。所有期間が5年以下(短期譲渡所得)であれば39.63%、5年を超える場合(長期譲渡所得)は20.315%の税率です。

参考:国税庁「短期譲渡所得の税額の計算
参考:国税庁「長期譲渡所得の税額の計算


【3パターンでシミュレーション】土地を1,000万円で売却する際の税金目安

土地の売却時に納める税金は、どのような条件で変わるのでしょうか。ここでは、代表的な3つのパターンを例に挙げて、税額をシミュレーションします。

【パターン1】特例を使わないときの税金シミュレーション

特例を利用しない場合の税額をシミュレーションします。土地の購入価格(取得費)と、売却時の経費(譲渡費用)が判明しているケースです。

条件 売却価格:1,000万円
取得費:500万円
譲渡費用:100万円
特例:利用なし
計算式

【短期譲渡所得の場合】

課税譲渡所得金額:1,000万円 –(500万円 + 100万円) = 400万円
税額:400万円 × 39.63% = 158万5,200円

 

【長期譲渡所得の場合】

課税譲渡所得金額:1,000万円 –(500万円 + 100万円) = 400万円
税額:400万円 × 20.315% = 81万2,600円

 

税金総額 短期譲渡所得の場合 長期譲渡所得の場合
合計:159万1,200円 合計:81万8,600円

内訳

【所得税・住民税】158万5,200円
【印紙税】5,000円
【登録免許税】1,000円

内訳

【所得税・住民税】81万2,600円
【印紙税】5,000円
【登録免許税】1,000円

※印紙税額は令和9年3月31日に作成される書類まで適用される、軽減税率を使用

特例を適用しない場合、土地の所有期間によって税額が大きく変動します。今回の条件の場合、所有期間が5年を超える長期譲渡所得であれば、税率が約半分に下がるため、5年以下の短期譲渡所得と比べて納税額を77万2,600円抑えられます。

売却時期を検討する際は、1月1日時点での所有期間を確認しておくとよいでしょう。

参考:国税庁「短期譲渡所得の税額の計算
参考:国税庁「長期譲渡所得の税額の計算

【パターン2】取得費がわからないときの税金シミュレーション

相続した土地などで、当時の購入代金(取得費)が不明なケースを想定した税額のシミュレーションです。取得費がわからない場合は、土地の売却価格の5%(今回の場合は50万円)を「概算取得費」として計算します。

条件 売却価格:1,000万円
取得費:不明 → 売却価格の5%(50万円)を概算取得費とする
譲渡費用:100万円
特例:利用なし
計算式

【短期譲渡所得の場合】

課税譲渡所得金額:1,000万円 –(50万円 + 100万円) = 850万円
税額:850万円 × 39.63% = 336万8,550円

 

【長期譲渡所得の場合】

課税譲渡所得金額:1,000万円 –(50万円 + 100万円) = 850万円
税額:850万円 × 20.315% = 172万6,775円

 

税金総額 短期譲渡所得の場合 長期譲渡所得の場合
合計:337万4,550円 合計:173万2,775円

内訳

【所得税・住民税】336万8,550円
【印紙税】5,000円
【登録免許税】1,000円

内訳

【所得税・住民税】172万6,775円
【印紙税】5,000円
【登録免許税】1,000円

※印紙税額は令和9年3月31日に作成される書類まで適用される、軽減税率を使用

概算取得費は、実際の購入価格よりも低い場合が多いです。帳簿上の利益(譲渡所得)が膨らむケースが多いため、パターン1と同じ売却額でも税負担が大きくなります。

税金の負担を抑えるために、古い売買契約書や購入時の領収書がないか事前にくまなく探すことが重要です。

参考:国税庁「No.3258 取得費が分からないとき

【パターン3】3,000万円控除の特例を使うときの税金シミュレーション

マイホーム(居住用財産)を売却した際に利用できる、「3,000万円の特別控除」の特例を適用した税金のシミュレーションです。

条件 売却価格:1,000万円
取得費:500万円
譲渡費用:100万円
特例:3,000万円(マイホームを売ったときの特例を使用)
計算式

【短期譲渡所得の場合】

譲渡所得:1,000万円 –(500万円 + 100万円) = 400万円
課税譲渡所得金額:400万円 – 3,000万円 = 0(マイナス)
※上限控除額により課税譲渡所得金額は0円
税額:0円 × 39.63% = 0円

 

【長期譲渡所得の場合】

譲渡所得:1,000万円 –(500万円 + 100万円) = 400万円
課税譲渡所得金額:400万円 – 3,000万円 = 0(マイナス)
※上限控除額により課税譲渡所得金額は0円
税額:0円 × 20.315% = 0

税金総額 短期譲渡所得の場合 長期譲渡所得の場合
合計:6,000円 合計:6,000円

内訳

【所得税・住民税】0円
【印紙税】5,000円
【登録免許税】1,000円

内訳

【所得税・住民税】0円
【印紙税】5,000円
【登録免許税】1,000円

※印紙税額は令和9年3月31日に作成される書類まで適用される、軽減税率を使用

3,000万円の特別控除を適用した結果、課税譲渡所得金額が0円以下となる場合は、土地の所有期間にかかわらず、土地の売却益に対する所得税と住民税はかかりません。

今回のシミュレーション条件では、課税譲渡所得金額が3,000万円の特別控除額を下回るため、特別控除の枠内に収まります。特例の適用要件を満たしている場合は、税負担の軽減が期待できるでしょう。


負担を減らす!土地を1,000万円で売却する際に使える主な特例

土地を1,000万円で売却する際、特例や控除を活用すると税金負担を抑えられるケースがあります。特例の適用には原則として確定申告が必要なため、売却前に主な制度の概要を押さえておきましょう。

マイホームを売ったときの特例

控除できる金額 最高3,000万円
概要 マイホーム(居住用財産)を売却した際、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例
主な要件

・自分が住んでいる家屋である
・住まなくなってから3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する
・家屋を取り壊した場合、以下2点の要件を満たすもの

  1. 家屋の取り壊し後1年以内に売買契約を締結し、住まなくなってから3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する
  2. 家屋の取り壊しから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用途に利用していない

など

参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例

マイホームとその敷地を売却する場合、要件を満たせば最高3,000万円まで控除できます。土地の売却価格が1,000万円で、譲渡所得金額が3,000万円の特別控除額の範囲に収まる場合は、所得税や住民税をゼロにできる可能性が高いでしょう。

また、建物を取り壊したあとの土地であっても、解体後の契約・売却日に関する要件などを満たせば、適用できるケースがあります。ただし、特例の適用条件は複雑なため、事前に詳しい要件について確認しておくことが大切です。

マイホームを売ったときの軽減税率の特例

控除できる金額 控除ではなく税率を軽減
概要

10年を超えて所有していたマイホームを売却した際に、譲渡所得税の税率を引き下げる特例

※6,000万円以下の部分は14.21%(所得税10%、住民税4%、復興所得税0.21%)が適用

主な要件

・自分が住んでいる家屋である
・住まなくなってから3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する
・家屋を取り壊した場合、以下2点の要件を満たすもの

  1. 解体した家屋およびその敷地は、家屋を解体した日が属する年の1月1日時点で所有期間が10年を超える
  2. その敷地の譲渡契約が、家屋の解体日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する
  3. 家屋解体後から譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用途に使用していない

・売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えている

など

参考:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
参考:国税庁「土地や建物を売ったとき

所有期間が10年を超えるマイホーム(居住用財産)を売却する際は、一定の条件を満たせば軽減税率の適用が可能です。課税譲渡所得金額6,000万円以下の部分にかかる税率は、14.21%まで下がります。

適用の主な条件は、自分が現在住んでいる家であることや、売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えていることなどです。なお、軽減税率の特例は3,000万円特別控除とも併用できるため、組み合わせることで税金の負担を大幅に抑えられる場合があります。

特定のマイホームを買い換えたときの特例

控除できる金額 譲渡益への課税を将来へ繰り延べ
概要

マイホームを売却して買い換えた場合に、譲渡益への課税を繰り延べられる特例

主な要件

・売却した住宅の居住期間が10年以上、かつ売却した年の1月1日時点での所有期間が10年超である
・住まなくなってから3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する
・家屋を取り壊した場合、以下3点の要件を満たすもの

  1. 解体した家屋およびその敷地は、家屋を解体した日が属する年の1月1日時点で所有期間が10年を超える
  2. その敷地の譲渡契約が、家屋の解体日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する
  3. 家屋解体後から譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用途に使用していない

など

参考:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
参考:国土交通省「住宅:居住用財産の譲渡に関する特例措置

マイホームを売却して新居を購入する際、売却で得た利益に対する税金の支払いを、将来その新居を売却するタイミングまで延期できる制度です。税金自体が免除されるわけではありませんが、手元の現金を減らさずに済むため、住み替え時の資金計画にゆとりを持たせることができます。

利用するには、売却するマイホームの所有期間・居住期間がいずれも10年を超えていることや、新居の要件など、定められた条件を満たす必要があります。

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

控除できる金額

発生した譲渡損失額

※敷地面積500㎡を超える部分など、一部適用除外となる場合がある

概要

マイホームの売却で生じた損失を他の所得と相殺できる特例

主な要件

【旧居宅の要件】
・自分が住んでいる家屋である
・家屋を取り壊した場合、以下3点の要件を満たすもの

  1. 解体した家屋およびその敷地は、家屋を解体した日が属する年の1月1日時点で所有期間が5年を超える
  2. その敷地の譲渡契約が、家屋の解体日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する
  3. 家屋解体後から譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用途に使用していない

 など

【新居宅の要件】
・譲渡する年の前年1月1日〜売却する年の翌年12月31日までの間に、日本国内にあり、家屋の床面積が50㎡以上である

 など

参考:国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
参考:国土交通省「住宅:居住用財産の譲渡に関する特例措置

土地を1,000万円で売却した結果、購入時の価格を下回り、譲渡損失(赤字)が出てしまうケースもあるでしょう。そのような住み替え時に有効なのがこの特例です。売却による赤字分を給与所得などから差し引く(損益通算する)ことで、その年の所得税や住民税を大幅に軽減できます。

1年で相殺しきれないほどの損失が出た場合でも、一定の条件を満たせば、最長で翌年以降3年間にわたって赤字を繰り越して控除することが可能です。ただし、売却する家の所有期間が5年超であることや、新居で住宅ローンを組むことなど要件が複雑なため、適用できるか事前にしっかり確認しましょう。

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

控除できる金額

最高3,000万円(※1)

相続人が3人以上の場合は1人あたり最高2,000万円(※2)

概要

相続した実家やその敷地(空き家)を売却した際、譲渡所得から一定額を控除できる制度

主な要件

・昭和56年5月31日以前に建築されている
・相続開始直前の段階で、被相続人以外に居住していた人がいない
・相続等で取得した被相続人居住用家屋を売るか、被相続人居住用家屋と一緒に被相続人居住用家屋の敷地等を売る

 など

※1要件を満たし、平成28年4月1日〜令和9年12月31日の間に売却する場合
※2令和6年1月1日以降に行う譲渡の場合

参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

相続した実家などを売却する場合には、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例が存在します。ただし、相続人が3人以上のケースでは、1人あたりの控除額が2,000万円までに制限されます。

特例を適用できるのは、令和9年12月31日までの売却です。また、昭和56年5月31日以前の建築であることや、相続開始直前の段階で被相続人が1人で暮らしていたことなど、細かな適用要件が定められています。

相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例

取得費に加算できる金額

相続税額のうち一定額

概要

支払った相続税の一部を取得費に加算できる特例

主な要件

・相続や遺贈により財産を取得した者である
・その財産を取得した人に相続税が課税されている
・相続開始のあった日の翌日から3年10カ月以内に売却する

参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続した土地を売却する際に、納めた相続税の一部を取得費として上乗せできる特例です。取得費が増えることで、課税対象となる課税譲渡所得金額が減り、税金の負担を軽減できる可能性があります。

適用を受けるためには、相続開始のあった日の翌日から3年10カ月以内に土地を売却するなど、一定の条件を満たすことが必要です。

その他の特別控除

特別控除の種類 控除額
公共事業等を目的に土地・建物を売却した場合 5,000万円
特定土地区画整理事業等を目的に土地を売却した場合 2,000万円
特定住宅地造成事業等を目的に土地を売却した場合 1,500万円
平成21年・平成22年に取得した国内の土地を譲渡した場合 1,000万円
農地保有合理化等を目的に土地を売却した場合 800万円
低未利用土地等を売却した場合 100万円

参考:国税庁「No.3223 譲渡所得の特別控除の種類

マイホームや相続財産に関する特例の他にも、土地の売却に使えるさまざまな制度が用意されています。公共事業のために土地を売却した際は、最高5,000万円の特別控除を利用できる場合があります。

また、一定の要件を満たす低未利用地を売却した場合は、100万円の控除が適用可能です。売却する土地がどのような条件に該当するか、あらかじめ確認しておきましょう。


土地を売却する前に知っておきたい4つの注意点

土地の売却を進める際は、税額の計算方法だけでなく取引全体の注意点を把握しておくことが大切です。思わぬ支出や手続き漏れを防ぐためにも、事前に確認しておきたい4つのポイントを解説します。

特例や控除は併用できるもの・できないものがある

土地を売却する際の特例には、組み合わせて使える制度と併用できない制度が存在します。たとえば、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除と、10年超所有の軽減税率は併用可能です。

一方で、新居購入時の住宅ローン控除と、3,000万円特別控除は併用できません。どの制度を組み合わせられるか、併用によって手元に多くの資金を残せるか、売却前に慎重に判断しましょう。

特例を利用するには必ず確定申告を行う

特例を適用して土地の売却益に対する所得税・住民税がゼロになる場合でも、原則として確定申告の手続きが必要です。申告期間は売却した翌年の2月16日から3月15日までです。

確定申告を忘れると特例の適用を受けられず、本来納める必要のない税金が課されるおそれがあります。また、無申告加算税などのペナルティを受ける可能性もあるため、期限内に忘れずに手続きを行いましょう。

参考:国税庁「No.2020 確定申告

「土地」と「家」の取得費や売却価格は別々で計算する

建物は経年劣化に伴い価値が減少するため、減価償却の計算を合わせる必要があります。そのため、家が建っている土地を売却する際は、土地と建物の取得費や売却価格をそれぞれ個別に算出しましょう。

建物の取得費は、購入代金から減価償却費相当額を差し引いて求めます。土地の取得費については減価償却の考え方がないため、購入時の価格をそのまま基準として扱いましょう。

土地と一緒に家も売却する場合は、計算方法が異なる点に注意してください。

参考:国税庁「No.3261 建物の取得費の計算

税金以外にも売却時にかかる費用がある

かかる費用 概要
仲介手数料

不動産会社に支払う報酬

1,000万円の取引では上限39万6,000円(税込)

必要書類の取得費用

登記事項証明書や印鑑証明書など、契約・登記に必要な書類の発行手数料

自分で取得する場合は総額でも数千円程度が目安(1通あたり200円〜600円程度)

建物の解体・整地に関する費用 古家を取り壊して更地にする費用や、敷地の整地作業にかかる費用

参考:国土交通省「建設産業・不動産業:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ

土地を売却する際は、所得税や住民税などの税金以外に、仲介手数料や測量費といった諸費用が発生します。1,000万円で土地を売却する場合、不動産会社へ支払う仲介手数料の上限は39万6,000円です。

また、隣地との境界が確定していない土地を売る場合は、測量費が生じる場合もあります。手元にいくら残るかを正しく把握するために、売却費用を含めた全体の支出を計算しましょう。

土地の売却を賢く進めるポイント

土地の売却で手元により多くの資金を残すには、事前の準備や適切な売却タイミングの見極めが大切です。手続きでの失敗や損を防ぎ、スムーズに取引を進めるためのポイントを詳しく解説します。

土地の取得費や譲渡費用を証明できる書類を用意する

実際の土地の取得費を正確に証明できない場合、売却価格の5%を取得費(概算取得費)として税金を算出します。概算取得費を使う計算方法は、取得費がわかる場合に比べて課税譲渡所得金額がかさみやすいです。本来納める税額より高くなる可能性があるため、できる限り購入時の売買契約書や領収書を用意しましょう。

また、売却時にかかった仲介手数料や、建物の取り壊しにかかった費用を示す資料など、譲渡費用を証明できる書類についても、あわせて手元に揃えてください。

参考:国税庁「No.3258 取得費が分からないとき

税率と利用できる特例を踏まえて売却時期を検討する

売却する年の1月1日時点で土地の所有期間が5年を超えている場合、「長期譲渡所得」が適用されて税率を低く抑えられます。

一方で、利用したい特例によっては、適用期限や譲渡期限が定められているケースもあります。所有期間と特例の要件を考慮しながら、自分たちの状況に適した売却のタイミングを見極めましょう。

不動産売却の実績が豊富な専門家に査定を依頼・相談する

土地売却に伴う税額を正しく把握し、賢く手続きを進めるには専門家へ相談するのが近道です。取得費の算出や特例の適用要件といった税金面は複雑な制度が多いため、自身のみで判断すると計算間違いや申告漏れのリスクが生じる場合もあります。

住建ハウジングでは、豊富な実績と経験を活かして、一人ひとりのニーズに合わせた丁寧なサポートを行っています。土地の売却を検討中の方は、ぜひご相談ください。

 


東京の不動産売却は住建ハウジングにお任せください

不動産売却トップ

住建ハウジングは1977年の創業以来、都心に根を下ろした地域密着の販売活動を続けています。東京の不動産売却に関して確かな実績とノウハウがある不動産会社です。首都圏ならではの高価格帯物件についても、長年の実績をいかした豊富な事例を元に対応いたします。ここでは、住建ハウジングで希望の売却を実現させたお客様の声を紹介します。

港区のW様

港区のマンションを売却されたW様の声

こだわってデザインしたこの家を、そのまま引き継いでくれる買主さんを探していました。住建ハウジングのスタッフさんは、私たちの思いも深く理解してくれて、この家を本当に気に入ってくれる買主さんを見つけていただきました。

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文京区のM様

文京区の一戸建てを売却されたM様の声

父から受け継いだ思い出の土地でしたが、なかなか売却先が見つかりませんでした。営業スタッフさんは、「この家は素晴らしい」「絶対に僕に売らせてください」と言って、根気強く買主さんを探していただきました。心から感謝しています。

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土地を1,000万円で売却する際のよくある質問

土地を1,000万円で売却するにあたり、多くの方が抱きやすい疑問や不明点をまとめました。納税のタイミングや手続き上の注意点など、直前で焦らないためにも事前にチェックしておきましょう。

Q. 土地を1,000万円で売却して、税金がかからないことはある?

A. 条件によっては、売却益に対する所得税・住民税が0円になる場合があります。

土地の購入代金や譲渡費用の合計が、売却価格の1,000万円を上回る場合、譲渡益が出ないため所得税・住民税は発生しません。また、各種特例の要件を満たして適切な確定申告を行えば、利益があっても所得税・住民税の負担をゼロに抑えられるケースが存在します。

ただし、売買契約書に貼る印紙税や、抵当権が設定されている場合に必要な登録免許税については、売却益にかかわらず必要です。

Q. 土地の取得費がわからないときはどうすればいい?

A. 原則として、売却価格の5%を「概算取得費」として計算します。

当時の売買契約書を紛失するなどして実際の取得費が確認できない場合、売却額の5%を概算取得費とみなして税額を計算します。売却価格が1,000万円の場合、概算取得費は50万円です。

ただし、概算取得費を適用すると税負担が増えやすい傾向があります。購入時の領収書や通帳の履歴など、金額を特定できる他の資料がないか探してみることが大切です。

参考:国税庁「No.3258 取得費が分からないとき

Q. 土地を売却すると消費税はかかる?

A. 土地の売却金額そのものに消費税は発生しません。

土地は消費される性質のものではないため、売買代金に対する消費税は非課税です。

ただし、売却取引全般が非課税になるわけではありません。不動産会社へ支払う仲介手数料や司法書士への報酬、建物の解体費用といった各種サービス・費用には消費税が課されます。

Q. 土地を売却したあと、税金はいつ支払う?

A. 所得税は売却翌年の確定申告時期、住民税は売却翌年の6月以降に納付します。

所得税は、原則として、土地を売却した翌年の2月16日から3月15日までの確定申告期間中に納付手続きを行います。

一方、住民税は確定申告の情報を元に算出されます。売却翌年の5月以降に自治体から納税通知書が届いたあと、6月以降に一括または年4回に分けて支払う仕組みです。

参考:国税庁「No.2020 確定申告

Q. 土地を売却して利益が出たとき、確定申告を忘れるとどうなる?

A. ペナルティとして加算税や延滞税が課される場合があります。

土地売却で利益(譲渡所得)が発生した際、期限内に確定申告を行わないと、本来の税額に加えて無申告加算税や延滞税が課されるおそれがあります。

さらに、3,000万円特別控除など、確定申告をすることが適用要件である特例は利用できません。結果として、税負担が大きくなる場合があるため注意が必要です。


税金の目安や使える特例を知り、賢く土地売却を進めよう

土地を1,000万円で売却する際は、所得税や住民税など各種税金がかかる場合があります。特例を活用することで税負担を抑えられるケースもありますが、適用には確定申告が必須です。税金の計算方法や自分が利用できる特例の種類について、ゆとりを持って調べておき、賢く土地の売却を進めましょう。

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投稿者プロフィール

石川充監修者
宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。20年以上にわたり住建ハウジングと共同でマーケティング活動を行う。


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