不動産売却の際は、どのタイミングで売るべきか悩むところです。本記事では、不動産売却のベストなタイミングと避けるべきタイミングを解説します。また、売却のタイミングを見極めるための注意点や、不動産売却で活用できる控除についてもご紹介。不動産売却でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産売却のベストなタイミングは?
「不動産を売却したいが、いつ売ればよいかわからない」とお悩みではありませんか?
売却におすすめのタイミングを5つ紹介するので参考にしてください。
【時期(季節)】2月~3月のタイミング
2月~3月は転勤や進学に合わせた引っ越しも多く、不動産取引が最も盛んな時期です。このような需要の高まる時期の1カ月~2カ月前に家を売り出すことで、早期売却が期待できます。とくに家の購入希望者が増える3月のタイミングを逃さないように、遅くとも前年12月末までには不動産業者を探して1月から売却をスタートしましょう。
また、9月~10月も人事異動や転勤が増える時期のため不動産取引が増えるのでこのタイミングを狙うのも1つの方法です。
【築年数】なるべく浅タイミング

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/common/000135252.pdf)
築年数が浅い物件のほうが高い価格で売却できる可能性が高いです。不動産の価値は築年数の経過に伴い減少するため、一般的に築浅の物件ほど高い価格で売却される傾向にあります。
国土交通省「中古戸建住宅の価格査定の例」を見ると、築年数が経過するごとに、資産価値が下落していくことが分かります。マンションは25年、戸建ては15年以内の売却がおすすめです。
とくに戸建ては築15年までは急速に資産価値が減少するため、できるだけ早く売却を検討しましょう。
【不動産市況】相場が上昇しているタイミング

出典:国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001859867.pdf)
不動産市況の動向を踏まえ、相場が上昇しているタイミングで売りに出すことで、好条件での売却へつなげられます。市況とは、市場で行われている不動産状況のことです。不動産価格の相場を確認するには、国土交通省が発表している「不動産価格指数」から把握できます。
以下のグラフを見ると、2023年に至るまで右肩上がりの状態が続いていることが分かり、とくにマンションはその傾向が顕著です。
【税率】家の所有期間が5年を超えたタイミング
不動産を売却すると、「譲渡所得」に応じて所得税と住民税が課せられます。譲渡所得とは、家を売却して得たお金から、家を取得するためにかかったお金と諸経費を引いた金額のことです。
譲渡所得=家を売って得た利益
譲渡所得に掛ける税率は「長期譲渡所得」になるか、「短期譲渡所得」になるかによって異なります。
土地や建物を売却した年の1月1日現在で、土地や建物の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」に、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。
区分 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
長期譲渡所得 | 15% | 5% |
短期譲渡所得 | 30% | 9% |
出典:国税庁「土地や建物の譲渡取得に対する税金」
所有して5年以下の家を売ると、5年を超えた家を売るのと比べて所得税・住民税がおよそ倍になるため注意が必要です。ただし「3,000万円の特別控除」などの特例があるため、くわしくは「不動産売却で活用できる控除」で解説します。
【ローン金利】低いタイミング
ローン金利が低いタイミングで売却すると、購入希望者が増えるためより好条件での売却につながりやすくなります。金利とは、お金を借りたときに支払う利息の割合のことで、「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。
- 変動金利:銀行の金利のレートに合わせて、返済中でも金利が変わる金利
- 固定金利:借入時から完済時まで金利が変わらない金利
購入希望者が多いタイミングで早期売却するなら、住宅ローンが低金利の時が売り時です。買い主にとって「低金利なほどお得」になるため、家が売れやすくなります。
不動産売却を避けるべきタイミング

不動産売却にはおすすめのタイミングがありますが、逆に避けるべき時期もあるのをご存じでしょうか。売却を検討の際は、以下4つの時期に注意しましょう。
相場価格がまだ上昇しそうなとき
相場価格が右肩上がりで今後も上昇が見込まれるときは、より上がるのを待って少し遅く売ったほうが利益を上げられる可能性があります。これからさらに価格が上がる可能性が高い家を売ってしまうと、相場上昇の恩恵を受けられません。
相場情報は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や、国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」などで確認できます。
ただし、相場価格の右肩上がりがいつまで続くかは分からないため、タイミングの見極めが重要です。
家の所有期間が5年間以下のとき
家の売却による利益が出そうな場合、所有期間が5年以下で売ってしまうと譲渡所得税や住民税の税率が高いため、損をしてしまう可能性があります。住み替えを計画していて一戸建てやマンションを購入する場合も、5年間以上は所有した方が課税の負担は小さくなるでしょう。
しかし、5年超えで売却するのが絶対的にお得というわけではありません。そもそも築年数が浅いほう資産価値が高いため、早めに売ることで売却益が大きくなるケースもあります。売却額と課税額を比較し、総合的に判断することが重要です。
マイホームの所有期間が10年まであと少しのとき
所有期間が10年を超えるマイホームを売却する時は、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を適用できます。
「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」とは、居住用の住宅を10年超所有していた場合に長期譲渡所得の税額に軽減税率を適用できる特例のことで、詳細は「不動産売却で活用できる控除」の項で解説します。
家の売却によって利益が出そうで、所有期間があと少しで10年という状況の場合は、税額を下げられるためもう少し待ってから売ったほうがよいでしょう。
節税優遇が適用されないとき
税制優遇がギリギリ適用されないタイミングでの売却はおすすめできません。「あと1カ月後に売れば特例が適用できる」こともあるので、その場合は時期の調整を検討しましょう。
どんな特例や税制優遇があるかを知らないまま売却に踏み切ると、後悔する可能性があります。物件の状況によってはさまざまな税制の優遇措置が受けられる場合もあるため、事前の情報収集が重要です。
不動産売却で活用できる控除

不動産売却の際には、物件の状況などによりさまざまな税制優遇や控除を受けられる場合があります。主な控除について3点解説するので、売却活動を始める前に確認しましょう。
住居用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
「住居用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」とは、住居用の土地・不動産を売却した場合に、一定の条件を満たすと最大3,000万円の控除を受けられるというものです。
譲渡所得額から3,000万円を差し引くことで、譲渡所得税が軽減される、もしくは譲渡所得税が課税されないことになります。
また、この特例を受けるにはいくつかの条件があります。以下で詳細をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
マイホームを売ったときの軽減税率の特例
「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」とは、マイホームを売って一定の要件に当てはまるとき、長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算し、軽減税率の特例を受けられる制度のことです。
計算方法は以下のとおりです。
- 譲渡所得額の6,000万円以下の部分
- 譲渡所得額が6,000万円を超える部分
譲渡所得税額=譲渡所得額×14.21%
譲渡所得税額=譲渡所得額×20.315%
また、居住用住宅の特例である3,000万円特別控除との併用は可能ですが、住宅ローン控除やその他の特別控除とは併用できません。
被相続人の住居用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
「被相続人の住居用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」とは、相続した空き家を売却する場合に一定の要件を満たすことで受けられる控除のことです。
相続で取得した空き家を売却した時に得る譲渡所得の金額から、最高3,000万円までが控除されます。ただし、相続人の数が3人以上である場合、控除額は2,000万円までです。
なお、こうした控除や特例は、いずれも一定の要件を満たすことに加えて、確定申告も必要となります。ほかにもマイホームを買い替えたとき「特定の居住用財産の買い替えの特例」など特例がいくつかあるので、利用できる控除や特例がないかを確認しましょう。
不動産売却のタイミング見極めの注意点
不動産売却は、それぞれのケースによって最善のタイミングが異なるため、見極めるためのヒントをしっかりと押さえておくことが重要です。以下で、不動産売却のタイミングを見極めるための注意点を解説します。
ベストなタイミングを待つことが得策であるとは限らない
家を売却する時に、「もう少し待った方が高く売れるかも」とベストなタイミングを待つこともあるでしょう。しかし、ベストなタイミングをいつまでも待ち続けることが、必ずしも得策でありません。
時期を待つ間に家の価値が落ちてしまったり、固定資産税を支払わなければいけなかったりと、結果的に手元に残るお金が減ってしまう可能性もあります。
いつ訪れるかわからないタイミングを待つより、査定を受けて現在の価値を知り、納得できるタイミングで売却を検討することがおすすめです。
故人名義のまま不動産は売れない
相続した不動産の売却を検討している方の中には、「故人名義でも売却できるのか」「名義変更は必要なのか」といった疑問を抱えている方もいるでしょう。結論をいえば、故人から相続した不動産は故人名義のままでは売却できません。
故人名義の不動産を売却したい場合、相続登記によって名義を故人から相続人に変更する必要があります。また、後々のトラブルを回避するためにも事前に相続人全員で遺産分割協議を行い、相続人を確定してください。
売却を急ぐなら不動産買取も検討する
不動産を急いで売却したい場合、最も有効な手段の一つは「不動産買取」です。不動産買取とは、不動産会社に直接土地や不動産を買い取ってもらう契約を指します。
「家を売りに出したけどなかなか売れない」「転勤や引っ越しで急いで売却したい」といったケースでも、買取なら買い主を探す必要がないため売却までの時間を大幅に短縮できます。
ただし、不動産買取による買い取り価格は、市場での売却価格の6割~8割程度になることが一般的です。複数業者に見積もりを取り、価格や信頼性を比較して判断しましょう。
東京の不動産売却は住建ハウジングにお任せください

東京で不動産売却を検討している場合は、住建ハウジングにお任せください。1977年創業の住建ハウジングは、東京を中心に多数の不動産買取の実績があります。公式ホームページから無料で不動産査定ができるので、売却検討中の方はぜひ試してみましょう。
実際に住建ハウジングで希望の売却を実現させた、お客様の声を紹介します。
希望に合う購入者を見つけるために、すぐに動画の撮影から制作まで進めてくれた。 海外滞在が多かったが売却活動の進捗もこまめに報告を受けた。鍵の管理や内覧の対応もスムーズだった。
スピーディーな売却活動。1週間かからないくらいの勢いで、すぐ売れた。 他社よりも高い査定額を提示してくれ、当初の予想価格よりも高い売却価格を達成した。 誠実な対応とチームワークに好評価。
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不動産売却の際は、徹底した情報収集を!
不動産売却では、相場上昇や低金利などタイミングを見計らうことが重要です。そのほか、築年数や課税額、受けられる控除についても考慮する必要があります。本記事で解説したとおり、不動産売却の際はさまざまな観点から総合的に判断することが大切です。事前の情報収集をしっかりと行い、売却時期を慎重に検討していきましょう。
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投稿者プロフィール

- 監修者
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宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士
1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。20年以上にわたり住建ハウジングと共同でマーケティング活動を行う。