マンションを売却する流れはどのようなものなのでしょうか。この記事では、マンション売却の流れや高く売るポイントを紹介します。必要書類の準備、査定の依頼、不動産会社の選び方なども網羅しています。スムーズにマンションの売却を進めるために、ぜひ参考にしてみてください。
マンション売却の基本的な流れを理解しよう
マンション売却の流れを理解することは、スムーズに取引を進めるために不可欠です。一般的に、マンション売却は準備から引渡しまで約5~6か月かかります。まずは売却の全体像を捉え、余裕を持ってスケジュールを組むことが重要です。
マンション売却の基本的な流れは、以下の通りです。
- ステップ1:必要書類を用意する
- ステップ2:マンションの査定を依頼する
- ステップ3:不動産会社を選ぶ
- ステップ4:不動産会社を媒介契約を結ぶ
- ステップ5:売り出し価格を決める
【売り出し前】1日~数週間
- ステップ6:売却活動を開始する
【売り出し中】1~3か月
- ステップ7:買主と媒介契約を結ぶ
- ステップ8:決済して買主に引き渡す
- ステップ9:確定申告する
【売り出し後】1~2ヶか月
マンション売却は大きく9つのステップがあり、売り出し前・売り出し中・売り出し後の3つの段階に分類されます。それぞれのステップについて、これから詳しく解説していきます。
ステップ1:必要書類を準備する
マンション売却をスムーズに進行するために、まずは必要書類を準備しましょう。以下の書類が必要です
マンション売却に必要な書類
登記事項証明書(登記簿謄本)
売買契約書
重要事項説明書
登記済権利証または登記識別情報
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
物件の図面
設備の仕様書
マンションの管理規約、使用細則
維持費関連書類
耐震診断報告書
アスベスト使用調査報告書
リフォーム履歴に関する資料
身分証明書
印鑑証明書は有効期限が設定されることがあるので、必要になるタイミングに合わせて準備しましょう。
ステップ2:マンションの査定を依頼する
マンションを売却する際は、まず不動産会社に査定を依頼しましょう。複数の不動産会社に査定を依頼してから、不動産会社を決定するのがおすすめです。
各不動産会社は異なる市場データや販売戦略を持っているため、査定額に差が出ることがあります。査定に影響する要素は、物件の立地、築年数、間取り、設備の状態などです。査定方法には、訪問査定、机上査定、匿名査定の3種類があります。
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に物件を訪れて、物件の状態や周辺環境を詳しくチェックする査定方法です。机上査定では把握できない物件の詳細な情報をもとに、より正確な査定額が算出されます。
机上査定(簡易査定)
机上査定とは、物件の情報をWebサイトなどで入力し、不動産会社の担当者がデータベースをもとに売却価格の目安を算出する方法です。訪問査定と比較して、物件の内部や周辺環境を直接確認することなく、短期間で結果を得られるのが特徴とされています。
匿名査定(AI査定)
匿名査定(AI査定)は、売却したい物件の概要をウェブサイト上で入力することで、迅速に査定額を確認できる方法です。匿名査定(AI査定)は個人情報の入力が不要で、査定結果をすぐに確認できる手軽さが魅力といえます。
ステップ3:不動産会社を選ぶ
適切な不動産会社を選択することは、マンション売却を成功させるために非常に重要です。市場知識が豊富で地域に精通した不動産会社を選ぶことで、売却活動がスムーズに進行し、より高い売却価格の可能性が高まります。
まず、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額、手数料、サービス内容、売却実績、契約条件を比較検討しましょう。
また、売却活動の進捗管理や買い手との交渉を円滑に行うためには、信頼できる担当者を見つけることが不可欠です。担当者の販売戦略や提案力、コミュニケーション能力もチェックしておきましょう。
ステップ4:不動産会社と媒介契約を結ぶ
媒介契約とは、物件を売却する際に仲介を依頼する不動産会社と結ぶ契約です。媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
媒介契約を結ぶ際には、希望の売却時期や、売れない場合の価格調整について、不動産会社としっかり話し合っておくことが重要です。
一般媒介契約
メリット | デメリット |
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一般媒介契約とは、複数の不動産会社にマンションの売却を依頼できる契約形態です。契約期間の定めがなく、業務状況報告やレインズ(不動産流通標準情報システム)への登録義務もありません。
専任媒介契約
メリット | デメリット |
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専任媒介契約は、売主が物件の売却を1社の不動産会社にのみ依頼する契約形態です。専任媒介契約では、信頼できる不動産会社を見つけることが非常に重要とされています。契約前にサービス内容や実績を確認しましょう。
専属専任媒介契約
メリット | デメリット |
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専属専任媒介契約は、売主が不動産会社と1社だけ契約し、自己発見取引も認められない最も拘束力の強い契約形態です。専属専任媒介契約は不動産会社に対して高い責任と義務を課す一方で、売主にとっても一定の制約があり、売却活動を迅速かつ効率的に進めるための契約形態となっています。
ステップ5:売り出し価格を決定する
適正な売り出し価格の設定は、マンション売却活動の成否を左右する重要な要素です。売り出し価格は、マーケットの動向や物件の特性、近隣の類似物件の価格を考慮して決定する必要があります。
高すぎる価格設定は売れ残るリスクを伴い、低すぎると損をする可能性があるため、不動産会社と相談して慎重に判断しましょう。値引き交渉に備えて、希望価格より少し高めに設定することもおすすめです。
不動産会社の査定価格を参考にしつつ、自身で納得できる価格に設定しましょう。なお、住宅ローンの残債額を把握しておくと、価格が設定しやすいかもしれません。
ステップ6:売却活動を開始する
売り出し価格を決定したら、次は売却活動です。まずは物件の魅力を最大限に引き出せるように内覧の準備をします。部屋を清潔に保ち、特にキッチンやバスルームなどの水回りは念入りに掃除しましょう。
内覧当日は購入希望者を案内し、質問に丁寧に答えることが重要となります。さらに、マンションのパンフレットや物件情報を用意しておくと、プロフェッショナルな印象を与えられ、購入希望者から信頼を得やすいでしょう。
ステップ7:買主と売買契約を締結する
買主が決まったら、売買契約を締結しましょう。売主、買主、不動産会社の担当者が揃って売買契約の手続きをします。契約当日の流れは以下の通りです。
- 売主と買主の顔合わせ
- 重要事項説明
- 売買契約書の読み合わせ
- 売買契約書への署名・捺印
- 手付金の授受
契約書には、物件の引渡し日や支払い条件など、売却に関わる全ての詳細が記載されています。契約後に内容を変更することは難しいため、細部まで確認することが重要です。
署名・捺印したら契約は完了し、契約後にキャンセルすると違約金が発生する可能性があるため注意しましょう。
ステップ8:決済して買主に引き渡す
決済と引渡しはマンション売却プロセスの最終段階です。売買契約で合意した条件に基づき買主の支払いが完了したら、所有権が正式に移転されます。
決済日は事前に双方で合意した日時に設定されます。決済は売主、買主、不動産会社の担当者、金融機関の担当者で集まり、金融機関の店舗で行うのが一般的です。司法書士が同席することもあります。
売主の住宅ローンが残っている場合は、決済と同時に住宅ローンを完済し、抵当権抹消の手続きをします。決済が完了したら、買主に鍵や書類を渡してマンションを引き渡す流れです。
ステップ9:確定申告する
マンション売却の翌年2月16日〜3月15日の期間に、確定申告します。売却益(譲渡所得)が発生した場合、所得税や住民税が課されるため、適切な申告が必要です。
売却損が出た場合、特定の要件を満たせば所得税や住民税の控除を受けられます。以下の必要書類を揃え、正確に申告しましょう。なお、確定申告は不動産会社の担当者がサポートしてくれる場合もあります。
- 確定申告書B様式
- 確定申告書第三表
- 譲渡所得の内訳書
- 登記事項証明書
- 売買契約書のコピー(購入時・売却時)
- 各種領収書のコピー
マンションの売却前に検討すること
マンションの売却前は、どのような点について考えておくべきなのでしょうか。ここでは、マンションの売却前に検討すべきポイントを紹介します。
買い先行か売り先行か
マンション売却の際、買い先行か売り先行かの選択は重要です。それぞれに異なるメリット・デメリットがあるため、事前に把握しておきましょう。
買い先行のメリットは、仮住まいをする必要がない点です。新しい住まいにすぐに移り住むことができ、引っ越しの手間や費用を軽減できます。しかし、同時に二重のローン負担のリスクがあります。新しい住宅ローンを組む前に、現在のマンションが売却できるかを慎重に検討しましょう。
売り先行は、金銭的負担が少ない点がメリットとして挙げられます。売却によって得た資金を次の住まいの購入資金に充てることができるため、経済的に安定した取引が可能です。ただし、売却後に次の住まいが見つかるまでの間、仮住まいが必要になる場合があります。
買い先行か売り先行かは、個人の経済状況やライフスタイルを考慮して決定しましょう。
買い先行 | 売り先行 | |
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メリット |
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デメリット |
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なお、買い先行、売り先行の両方のメリットを得られる「同時進行」の方法もあります。同時進行のメリットは、売却と購入を同時に進めることで、スムーズな転居が可能な点です。また、金銭的負担を調整しながら計画を立てやすいのも利点といえます。
同時進行のデメリットは、売却と購入のタイミングを慎重に調整する必要がある点です。双方の手続きを同時に行うため、手続きの負担が重なることにも注意しましょう。
売却前にリフォームするか
リフォームするかどうか、マンションの状態を考慮して決めましょう。リフォームによって物件の価値を高められる一方、かかる費用とのバランスも考える必要があります。
リフォーム費用を上乗せして価格を高く設定すると、かえって売れにくくなる可能性があります。そのリスクを防ぐため、全面リフォームではなく、部分的なリフォームも検討するとよいでしょう。
とくにキッチンやバスルームなどの水回りのリフォームは需要が高いです。費用を抑えることを意識し、バランスを見ながらリフォームしましょう。
マンションを高く売却するための3つのポイント
マンションを高く売却するためにはどのような方法があるでしょうか。ここでは、その3つのポイントについて紹介します。
売却スケジュールに余裕を持つ
マンションを高く売却するためには、市場の動向を把握し、需要が高いタイミングで売り出すことが重要です。そのためにも、スケジュールに余裕を持って計画を立てていきましょう。
スケジュールに余裕を持つことで、売り出しのタイミングを見極めたり、複数の不動産会社から査定を受ける時間を確保したりできます。また、購入希望者からの交渉にも柔軟に対応できれば、売却できる確率が上がるでしょう。
スケジュールに余裕がないと、希望の売却時期までに売れない焦りから、安易に値下げしてしまうことも考えられます。
物件写真を魅力的にする
購入希望者を集めるためには、物件写真を魅力的にすることが重要です。購入希望者の興味を引くため、プロのカメラマンに依頼することを検討してみましょう。
明るく清潔感のある写真を選ぶことで、物件の印象がよくなります。とくにリビングやキッチンなどの主な部屋は、生活がイメージしやすいように撮影することが大切です。
魅力的な写真を用意できれば、多くの購入希望者を引き付け、結果的に高く売却できる可能性が高まります。
内覧時に部屋を綺麗な状態にしておく
内覧時に部屋を綺麗な状態にしておくことは、マンションを高く売却するポイントといえます。購入希望者は内覧時に物件の第一印象を大切にするためです。
とくにベランダやバルコニーはよく見られる箇所なので、綺麗にしておきましょう。また、家の臭いにも注意が必要です。換気を行い、必要に応じて消臭剤を使用して、不快な臭いを消しておく必要があります。
さらに、不用品を処分し整理整頓しておくことで、部屋が広く感じられ住みやすさもアピールできます。内覧時に整った状態で部屋を見せることで、購入希望者によい印象を与え、高額かつスムーズな売却につなげましょう。
マンション売却の流れを理解し、最適な計画を立てよう
マンション売却の基本的な流れを事前に把握しておくことは、スムーズに売却を進めるために重要です。また、ステップごとのポイントを押さえることで、さらに有利に売却を進められます。
とくに、適切な売り出し価格の設定や内覧時の準備は、購入希望者の心をつかむために重要です。売却スケジュールに余裕を持つことで、焦らず最適なタイミングでの売却ができるでしょう。
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投稿者プロフィール

- 監修者
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宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士
1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。20年以上にわたり住建ハウジングと共同でマーケティング活動を行う。