元金均等返済とは?メリット・デメリットや元利均等返済との違いを解説

住宅ローンには、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類の返済方法があります。この2つは名前が似ているため、違いがよく分からないという方もいらっしゃることでしょう。ただ、この2つの返済方法は、内容がまったく異なるものです。
住宅ローンを利用する人の多くは元利均等返済を利用する傾向にありますが、今回は元金均等返済について、その特徴やメリット・デメリット、元利均等返済との違いなどを解説していきます。

元金均等返済とは?

元金均等返済とは文字通り、毎月の返済元金を一定にした返済方法です。元金を返済回数で割った金額に、元金残高に応じた利息を加えた金額が毎月の返済額です。よく間違われる返済方法に「元利均等返済」がありますが、名前は似ていても、その内容はまったく異なります。

元利均等返済との違い

元金均等返済に対して、元利均等返済は、元金と利息を合計した毎月の返済額が返済期間全体を通じて一定です。返済期間の最初のころは元金よりも利息が返済額に占める割合が大きくなり、元金の減るスピードが遅いのが元利均等返済の特徴です。

元金均等返済のメリット・デメリット

元金均等返済の特徴と元金均等返済の違いが分かったところで、元金均等返済のメリット・デメリットをご紹介していきます。

元金均等返済のメリット

元金均等返済を選択するメリットには、元利均等返済に比べて元金の減りが早いため、その分利息分も減り、総支払額が少なくなるということが第一にあげられます。
さらに、元利均等返済と異なり、返済が進むにつれて毎月の返済額が少なくなっていくのもメリットの1つです。

元金均等返済のデメリット

このようにメリットの多い元金均等返済ですが、当然のことながらデメリットもあります。
それは、元利均等返済に比べて返済当初の返済額が高くなるということです。借り入れ当初の返済負担が大きくなるため、元金均等返済を選択できる余地がないというケースも考えられます。

元金均等返済と元利均等返済どちらがお得か?

実際に住宅ローンを返済していく際、元利均等返済と元金均等返済では総返済額にどのくらいの差があるのかはもっとも気になるところでしょう。ここでは、金利が1%の場合と3%の場合を例にあげて、シミュレーションをしてみます。
※条件はどちらも同じで、6000万円の借入、返済期間30年の設定とします。

  • 金利1%の場合

●元利均等返済
・毎月返済分:192,983円
・総支払額:69,473,978円
●元金均等返済
・毎月返済分:216,666円
・総支払額:69,024,858円

  • 金利3%の場合

●元利均等返済
・毎月返済分:252,962円
・総支払額:91,066,266円
●元金均等返済
・毎月返済分:316,666円
・総支払額:87,074,934円

金利が1%であれば、これら2つの返済方法の総支払額の差は約45万円というシミュレーション結果になりました。一方、金利が上昇したことを想定して3%でシミュレーションすると、総支払額の差は約400万円にもなります。低金利が続く現在においては2つの返済方法の差はそこまで大きくないことが見てとれますが、反対に金利が上がってしまうと、元金均等返済での総支払額が大幅に少なくなるということが分かりました。

元金均等返済の注意点

ここでは、元金均等返済を利用する際の注意点をいくつかご紹介します。前述の項目でもご説明しましたが、元金均等返済においては当初の返済負担が大きくなってしまうことが一番の懸念点です。
また、元利均等返済はどの金融機関でも取り扱っていますが、元金均等返済に関してはどこでも取り扱っているというわけではありません。元金均等返済を選択したい場合は、取り扱っている金融機関を探さなければならないという点にも注意が必要です。

元金均等返済が向いているのはどんな人?

これまで、元金均等返済の特徴やメリット・デメリット、シミュレーションをご紹介してきました。これらをふまえて、元金均等返済はどんな人に向いているのかを見ていきましょう。

  • 住宅ローンの返済総額を少しでもおさえたいと考えている人
  • 年収が高いなど、当初の返済負担が大きくても対応できる余裕がある人
  • 毎月の返済金額が変動しても問題のない人

返済当初の負担が大きくなったとしても、支払う利息分を少しでも少なくしたいと考える人にとっては元金均等返済を選ぶメリットは大きいといえます。ただし、借り入れ当初はまだ年齢が若い人も多いため、収入に見合わない返済金額になってしまうような場合は、元金均等返済は避けるべきといえるでしょう。

まとめ

元利均等返済と元金均等返済の違いや、元金均等返済のメリット・デメリットなどがおわかりいただけたことでしょう。現在は低金利が続いているため、どちらがお得かという視点では、さほど差はありませんが、今後金利がどのように変化していくのかは分りません。住宅ローンに関しては、ほかにも「固定金利にするのか、変動金利にするのか」など検討することは多々ありますが、ぜひこの機会に、今後の金利の動きや自分自身のライフスタイル、価値観もふまえながら、元利均等返済と元金均等返済のどちらを選ぶかについても慎重に考えてみてはいかがでしょうか?

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