多くのメリットがある長期優良住宅。購入における注意点とは?

「長期優良住宅」という言葉。皆さんは聞かれたことがありますか? 長期優良住宅は、平成21年に始まった「長期優良住宅認定制度」によって生まれた言葉で、一般住宅にはないさまざまな優遇を受けることができる住宅のことを指します。今回は、長期優良住宅とは一体どんなものか、そのメリットやデメリット、購入時の注意点などをご紹介します。

ホームページ会員登録

長期優良住宅とは

まずは長期優良住宅の特徴や条件に加え、補助金の申請方法についても分かりやすくご紹介します。

長期優良住宅の特徴と条件

長期優良住宅とは、その名前から想像できるように、長期間にわたって優良な状態を保つことができる住宅のことです。平成21年にスタートした「長期優良住宅認定制度」の基準を満たし、認定を受けた家のことを長期優良住宅といいます。長期優良住宅と認定されるためには、次のような条件を満たさなければなりません。(新築一戸建ての場合)
まずは、バリアフリー性と可変性です。将来的なバリアフリーのためのリフォームや、変化するライフスタイルに応じた間取りの変更に対応できるようにしておく必要があります。そして、十分な耐震性と省エネルギー性、劣化対策、さらには居住環境までも考慮した設計が必要であり、加えて住戸面積は75平米以上という基準が設けられています。また、建てたあとの定期的な点検や補修に関する維持保全計画を作ることも条件のひとつで、維持管理や更新を容易にできるような措置もとっておかなくてはいけません。

補助金を受けるには?

長期優良住宅に対しては、「地域型住宅グリーン化事業」や「長期優良住宅化リフォーム推進事業」などによるの補助金制度が準備されていますが、その補助を受けるためにはクリアすべきさまざまな基準があります。たとえば、新築住宅向けの「地域型住宅グリーン化事業」の補助金を受けるためには、その地域で営業していて、あらかじめ国の採択を受けた事業者グループに属している工務店に建ててもらわなければなりません。どの業者でもいいというわけではありませんので、事前にしっかりと調べておきましょう。

一般住宅でも住むのに困らないのに、あえて長期優良住宅を建てるメリットとは

今回は長期優良住宅についてご紹介していますが、現在建てられている家の多くは一般住宅です。もちろん、一般住宅でも住むのには困らない仕様になっています。それならばなぜ、長期優良住宅を建てる必要があるのでしょうか。その理由は、長期優良住宅を建てることにより得られるメリットにあります。
メリットの大部分は、税金面にまつわるものです。長期優良住宅を建てることによって、さまざまな優遇を受けることができます。
住宅ローンに関していえば、一般住宅の場合、10年間で最大400万円の控除を受けられますが、長期優良住宅ならば500万円。100万円も多く控除を受けることができるのです。
また例えば、一般の一戸建て住宅を購入した際、固定資産税は3年の間半分に減税されますが、長期優良住宅を建てるとその期間が延び、最大5年間減税を受けられることに。そのほかにも所得税の投資型減税や、登録免許税の引き下げ、不動産所得税の控除額の引き上げなど、さまざまな優遇を受けることができるのです。
お金の面で優遇を受けるのは税金だけではありません。長期優良住宅の場合、10年間低金利が適用される住宅ローン【フラット35】Sを利用することも可能です。
このようにお金の面で受けることができる数々の優遇は、一般住宅ではなくあえて長期優良住宅を建てるべき大きな理由になることでしょう。

デメリットから見る長期優良住宅購入における注意点

前章で、長期優良住宅を建てるメリットをご紹介しましたが、その一方で当然ながらデメリットもあります。第一に挙げられるのは、完成後に修繕や改良といった定期的なメンテナンスが必要となる点です。もちろん、一般住宅でも長く住み続けるためには定期的にメンテナンスしなければなりませんが、先にも述べた通り長期優良住宅の場合は事前に維持保全計画を立てなくてはならず、家が完成したあと、最低でも10年ごとに30年以上もの間メンテナンスを行っていかなくてはならないのです。また、実施したメンテナンスの記録を作成し、保存することも定められています。ランニングコストや作業の手間という面で、デメリットのひとつとして挙げられるでしょう。
また、長期優良住宅は耐震性や断熱性といった仕様面で一般住宅より優れていることから、建てるために必要な費用もより多くかかります。それだけでなく、長期優良住宅として認定を受けるための技術審査や認定手数料といった費用も必要です。いくら税制面で優遇されたとしても、この出費は大きなものです。将来的に必要となる費用と、どれだけ税制面で優遇を受けることができるかを事前に把握し、赤字にならないことを確認しておくことをおすすめします。なお、長期優良住宅の申請にはある程度時間が必要となるため、余裕を持って申請を行いましょう。

まとめ

今回は、長期優良住宅について解説しました。長期優良住宅はさまざまなメリットがある一方で、当然のことながらデメリットもあります。しかしそのデメリットは、事前にしっかり把握して準備さえしておけば大きな問題にはならないものばかり。自身のライフプランと照らし合わせながら、受けられるメリットが大きい長期優良住宅の購入を一度検討されてみてはいかがでしょうか。

東京で住宅をお探しの方はこちらから
購入者の声も動画配信中です