東京暮らしなら車はいらない? マイカーの多い区は? 最新データで紐解く、東京のカーライフ事情!

近年、若者の「車離れ」が話題になることがあります。かつて、憧れのマイカーと言われ、車を所有することが一つのステータスとされてきましたが、その価値観が変化しているのでしょうか。
とくに日本の都市部を中心に車を持たない世帯が増加傾向にあり、大都市である東京では、その傾向が顕著に見られます。

東京23区は公共交通機関が充実していることや、駐車場の確保が難しいことなどから、必ずしも全ての世帯が車を保有しているわけではありません。世帯年収やライフスタイルによって、車の必要性や保有状況は大きく変わります。

次の表は、東京23区における車の所有率が、10年前とどれだけ変化したかを示しています。

※単位:世帯数(件)、乗用車数(台)

  保有率の増減 世帯数の増減 乗用車数の増減 2022年(令和4年) 2012年(平成24年)
世帯数 乗用車数 保有率 世帯数 乗用車数 保有率
東京都 -6.0% 817,374 -112,620 7,451,051 2,588,982 34.7% 6,633,677 2,701,602 40.7%
特別区部 -5.0% 623,281 -49,358 5,333,350 1,582,474 29.7% 4,710,069 1,631,832 34.6%
千代田区 -11.7% 9,155 2,977 38,548 27,068 70.2% 29,393 24,091 82.0%
中央区 -6.3% 24,430 4,202 98,723 35,851 36.3% 74,293 31,649 42.6%
港区 -0.1% 17,014 7,637 149,488 68,341 45.7% 132,474 60,704 45.8%
新宿区 -2.8% 25,018 -628 223,207 43,524 19.5% 198,189 44,152 22.3%
文京区 -4.3% 17,122 -1,000 126,436 27,486 21.7% 109,314 28,486 26.1%
台東区 -5.6% 22,673 -1,447 128,550 25,529 19.9% 105,877 26,976 25.5%
墨田区 -6.3% 28,673 -1,985 162,280 36,084 22.2% 133,607 38,069 28.5%
江東区 -3.7% 42,228 2,554 283,280 77,510 27.4% 241,052 74,956 31.1%
品川区 -3.5% 28,139 -19 228,925 56,603 24.7% 200,786 56,622 28.2%
目黒区 -2.7% 10,754 -664 157,952 48,230 30.5% 147,198 48,894 33.2%
大田区 -5.3% 42,080 -6,609 401,856 118,812 29.6% 359,776 125,421 34.9%
世田谷区 -5.2% 43,406 -8,108 491,585 171,872 35.0% 448,179 179,980 40.2%
渋谷区 -2.0% 13,010 1,831 140,597 46,730 33.2% 127,587 44,899 35.2%
中野区 -4.0% 23,307 -3,060 209,150 38,430 18.4% 185,843 41,490 22.3%
杉並区 -3.7% 26,239 -4,110 325,953 84,961 26.1% 299,714 89,071 29.7%
豊島区 -3.7% 20,071 -2,119 181,268 34,194 18.9% 161,197 36,313 22.5%
北区 -4.5% 23,976 -2,883 202,565 44,036 21.7% 178,589 46,919 26.3%
荒川区 -4.0% 13,374 -1,290 119,134 26,566 22.3% 105,760 27,856 26.3%
板橋区 -6.4% 40,847 -6,952 320,619 85,494 26.7% 279,772 92,446 33.0%
練馬区 -7.3% 40,914 -10,955 385,142 134,102 34.8% 344,228 145,057 42.1%
足立区 -7.4% 48,582 -4,933 365,583 139,223 38.1% 317,001 144,156 45.5%
葛飾区 -7.1% 30,328 -4,835 243,962 82,625 33.9% 213,634 87,460 40.9%
江戸川区 -5.9% 31,941 -6,962 348,547 129,203 37.1% 316,606 136,165 43.0%

<データ参照>世帯数:住民基本台帳(令和5年1月1日現在及び平成25年1月1日現在)
乗用車数:東京都統計年鑑(令和4年度末及び平成24年度末)

10年間で世帯数は東京全体で増えていますが、乗用車の保有率は23区全てで減少していることが分かります。

東京全体の乗用車の保有率は10年前も半数以下なのは変わっていませんが、さらに減って34.7%です。23区では、世帯数の少ない千代田区は別として、約20%から約40%と5割を超える区はありませんでした。しかも、10年前には無かった20%を下回る区が4区出てきています。

乗用車数は一部の区で増加しているものの、それ以上に世帯数が増えているため、保有率アップとはなりませんでした。

23区の乗用車の保有率

■東京で車が減っている主な原因

なぜ東京の人は車に乗らなくなってきたのでしょうか。統計を見ても、東京で乗用車を所有する世帯の割合が減少しているのは事実ですが、その背景には、いくつかの要因が考えられます。

  • 公共交通機関の充実:
  • 東京は地下鉄、電車、バスなど、公共交通機関が非常に発達しており、ほとんどの場所にアクセスできます。特に都心部では、徒歩や自転車で移動できる範囲も広く、車を持たなくても生活に不便を感じない人が増えたため。

  • 駐車場の不足と高額化:
  • 東京では、駐車場の数が限られており、確保するのが困難です。特に都心部では、駐車場の賃料も高額であり、車所有の経済的な負担が大きくなったため。

  • 交通渋滞:
  • 東京は慢性的な交通渋滞に悩まされており、自家用車での移動は時間がかかりストレスが溜まるという声も少なくなく、自動車の利用に消極的になるため。

  • 環境問題への意識の高まり:
  • 環境問題への関心が高まる中、自動車の排ガスによる大気汚染や地球温暖化が問題視されているものの、電気自動車など環境にやさしいエコカーへの移行があまり進んでいないため。

  • ライフスタイルの変化:
  • 少子高齢化や共働き世帯の増加など、ライフスタイルの変化も影響しています。例えば、子供がいなかったり、近所で用事が済む場合は、車を持たなくても生活できるという考え方が広まっているため。

  • シェアリングエコノミーの普及:
  • 従来のレンタカーカーサービスに加えて、カーシェアリングの利用が普及しており、必要な時にだけ車を利用できるサービスが充実しているため。

  • 自動車本体価格の高騰:
  • 自動車本体価格の高騰により、経済的に余裕がない世帯が購入を躊躇してしまうため。

このように、東京で車が減っている主な原因は、公共交通機関の充実、駐車場問題、交通渋滞、環境問題への意識の高まり、ライフスタイルの変化、シェアリングエコノミーの普及、自動車価格の高騰など、多岐にわたります。これらの要因が複合的に作用し、東京における車の所有に対する価値観が変化していると考えられます。 とくに、若者にとって車を所有することは経済的負担が大きく、趣味なども多様化していることから、車に対する優先度が低くなっているのかもしれません。

■東京23区で暮らす世帯のマイカー事情

車を持たない選択をした場合、普段の移動手段として電車の利用頻度が上がることが考えられます。このような世帯において、駅から家までの距離は住まい選びで重要な条件の一つになります。

次の表は、2018年(平成30年)の東京23区における、自宅から駅までの距離ごとの世帯数です。 なお、表内の所要時間は、歩く速度を毎分80メートルとして算出しています。

(単位:件) ※所要時間は毎分80mで換算

2018年
(平成30年)
普通世帯数 駅まで200m未満
(約2.5分)
駅まで200~500m未満
(約2.5~6.25分)
駅まで500~1,000m未満
(約6.25~12.5分)
駅まで1,000~2,000m未満 (約12.5~25分) 駅まで2,000m以上
(約25分以上)
乗用車保有率
H30
 
バス停まで100m未満 バス停まで100~200m未満 バス停まで200~500m未満 バス停まで500m以上
東京都 6,825,100 661,700 1,871,500 2,508,800 1,420,900 317,700 421,800 556,500 124,900 362,300 36.7% 東京都
特別区部 4,914,400 562,400 1,560,300 1,934,800 785,800 169,900 227,200 322,000 66,700 71,200 31.2% 特別区部
千代田区 35,220 16,400 14,820 4,000 73.9% 千代田区
中央区 90,360 34,560 32,150 23,090 560 560 38.0% 中央区
港区 136,930 23,010 45,460 40,380 18,720 6,150 6,700 2,630 3,240 9,350 45.8% 港区
新宿区 213,510 49,040 98,310 62,580 3,570 1,740 710 1,120 20.3% 新宿区
文京区 125,450 22,920 54,620 41,970 5,580 3,830 780 970 360 22.9% 文京区
台東区 115,660 26,550 45,660 28,050 15,410 3,020 7,970 2,400 2,020 22.3% 台東区
墨田区 137,180 11,000 53,060 69,940 2,960 1,390 830 740 220 24.7% 墨田区
江東区 253,970 30,400 68,300 113,780 41,500 11,150 7,660 19,870 2,810 29.3% 江東区
品川区 218,230 22,550 104,170 86,550 4,970 340 2,040 1,840 750 25.6% 品川区
目黒区 146,760 8,740 34,500 73,660 29,510 5,200 8,580 15,730 340 31.0% 目黒区
大田区 378,230 31,000 126,820 164,170 49,270 9,370 10,580 25,010 4,320 6,970 31.1% 大田区
世田谷区 468,600 29,150 98,410 184,850 151,550 20,510 43,630 70,380 17,030 4,640 36.4% 世田谷区
渋谷区 138,490 20,380 49,270 58,130 8,370 1,670 2,220 3,990 500 2,330 33.5% 渋谷区
中野区 201,660 26,660 96,370 78,120 510 510 19.4% 中野区
杉並区 316,530 24,090 95,540 133,340 63,550 16,330 15,720 20,310 11,190 26.9% 杉並区
豊島区 177,110 42,030 85,490 48,560 1,030 420 610 19.7% 豊島区
北区 182,810 20,720 72,460 67,810 20,670 4,990 7,810 6,030 1,840 1,150 22.8% 北区
荒川区 104,650 20,080 37,060 34,540 12,970 4,980 1,430 4,890 1,680 23.6% 荒川区
板橋区 298,720 30,710 88,060 141,060 38,880 5,310 10,180 21,760 1,630 28.7% 板橋区
練馬区 340,320 32,850 79,510 144,650 62,300 10,660 16,620 29,200 5,820 21,010 37.0% 練馬区
足立区 317,060 10,880 64,690 121,490 112,220 22,870 41,580 41,090 6,670 7,780 41.0% 足立区
葛飾区 209,190 7,870 56,810 92,570 42,640 7,980 15,080 19,260 310 9,300 36.5% 葛飾区
江戸川区 307,800 20,840 58,780 121,440 99,030 31,420 27,050 34,770 5,790 7,710 38.7% 江戸川区

<データ参照>最寄り駅までの距離:住宅・土地統計調査(平成30年)

徒歩圏における世帯数の割合

上記の表から、駅からの距離が「500m未満」、および「1000m未満」の場合を下表に抜粋しました。特別区部(23区)では、4割以上の世帯が駅から500メートル未満(徒歩約6分)にあり、倍の1000メートル未満(徒歩約12分)では、その割合は8割以上になります。
駅徒歩12分なら十分歩いて行ける距離であり、23区内の多くの家が最寄り駅の徒歩圏内にあると言えます。

※単位:世帯数(件)

  普通世帯数 駅から500m未満の世帯数と割合 駅から1000m未満の世帯数と割合
東京都 6,825,100 2,533,200 37.1% 5,042,000 73.9%
特別区部 4,914,400 2,122,700 43.2% 4,057,500 82.6%
千代田区 35,220 31,220 88.6% 35,220 100.0%
中央区 90,360 66,710 73.8% 89,800 99.4%
港区 136,930 68,470 50.0% 108,850 79.5%
新宿区 213,510 147,350 69.0% 209,930 98.3%
文京区 125,450 77,540 61.8% 119,510 95.3%
台東区 115,660 72,210 62.4% 100,260 86.7%
墨田区 137,180 64,060 46.7% 134,000 97.7%
江東区 253,970 98,700 38.9% 212,480 83.7%
品川区 218,230 126,720 58.1% 213,270 97.7%
目黒区 146,760 43,240 29.5% 116,900 79.7%
大田区 378,230 157,820 41.7% 321,990 85.1%
世田谷区 468,600 127,560 27.2% 312,410 66.7%
渋谷区 138,490 69,650 50.3% 127,780 92.3%
中野区 201,660 123,030 61.0% 201,150 99.7%
杉並区 316,530 119,630 37.8% 252,970 79.9%
豊島区 177,110 127,520 72.0% 176,080 99.4%
北区 182,810 93,180 51.0% 160,990 88.1%
荒川区 104,650 57,140 54.6% 91,680 87.6%
板橋区 298,720 118,770 39.8% 259,830 87.0%
練馬区 340,320 112,360 33.0% 257,010 75.5%
足立区 317,060 75,570 23.8% 197,060 62.2%
葛飾区 209,190 64,680 30.9% 157,250 75.2%
江戸川区 307,800 79,620 25.9% 201,060 65.3%

<データ参照>最寄り駅までの距離:住宅・土地統計調査(平成30年)

逆に、交通利便性が良い23区において、駅近の家の割合が少ない区はどこでしょうか。上記の表より、駅までの距離が500メートル未満の世帯数の割合が低い区は、足立区、江戸川区、世田谷区、目黒区の4区で3割未満です。中でも足立区、江戸川区、世田谷区の3区は、1000メートル未満の世帯数も6割台と23区中で低い数値です。
原因として考えられるのは、3区は面積が広く、区内隅々まで住宅地が広がっていることが要因と思われます。なお目黒区は、面積も23区中大きい方ではなく、一見利便性も良さそうなエリアなので意外な結果でしたが、世帯数が比較的少ないことや、駅周辺が商業地として栄える駅も多く、住宅地との住み分けがしっかり出来ていることなどが理由かもしれません。

これら4区の乗用車所有率は3割を超えています。特に足立区は、千代田区、港区に続き4割を超える3区の内の一つです。一方、住宅地としてのイメージがあまりない千代田区と中央区を除けば、概ね、駅近の世帯が多い区の乗用車の保有率は低くなる傾向が見られます。

■選択肢が広がる東京の暮らし

車を所有するかどうかは、様々な要因が関係していると思われますが、東京にいるからこそ、車を持たない選択が容易にできるとも言えます。

東京の物件に特化した住建ハウジングでは、お客様のご希望に沿った様々な東京の物件をご紹介させていただきますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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