住生活の三種の神器「電気」「ガス」「上下水道」の確認するべきポイントとは?

電気、ガス、上下水道は「ライフライン」と呼ばれるように、住生活において欠かせない重要な設備です。何十年も前からある土地や古い中古戸建を購入する場合など、今の生活様式には不十分な仕様であったり、設備の老朽化だったりと問題点や改善点がないか注意する必要があります。不動産取引の契約の際は、事前に不動産会社の方から調査結果の説明がありますので、納得するまでしっかり確認しましょう。

電気

一般住宅の場合、「電気容量」「配線経路」の確認が大切です。

今は「オール電化」という言葉が一般的になったように、家庭における電化製品は増え続けています。古い住宅では電気容量も小さく、配線経路も分かれていないケースがあるため、エアコンや電子レンジなどを同時に利用すると、すぐにブレーカーが落ちてしまうなんてこともあります。
新築住宅では家電の多様化に伴い、エアコンなどの容量の大きな家電に対しては配線を分けていることもありますが、中古戸建を購入してリフォームを検討されている場合などは、工事前に使用予定の設備を想定し、電気容量と配線経路の変更などを検討することが必要です。

注意点

古いマンションではマンション全体で電気容量が決められており、個別に容量が上げられないケースもあるため、事前に業者に確認しておきましょう。

契約アンペア数を増やすと電気の基本料金が高くなります(金額は各電気会社で異なる)。

必要な電気容量の目安

  • 電力使用量小 1~2人 30A
  • 電力使用量大 ファミリー 40A~60A
電化製品 電圧100V アンペア数(目安)
エアコン 20A
電子レンジ 15A
炊飯器 14A
食器洗浄機 13A
ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時) 13A
掃除機 12A
ドライヤー

12A

こたつ 6A
テレビ 3A
冷蔵庫(400L)クラス 3A

ガス

ガスには2つの種類「都市ガス」、「プロパンガス(LPガス)」があり、供給方法や供給エリア、発熱量に違いがあります。

「都市ガス」

地下のガス導管を通じて各戸に供給。都市部で展開。

「プロパンガス」

ガスボンベを各戸に設置して定期的に交換。全国で展開。

  • 「個別方式」各戸に個別設置して提供
  • 「集中方式」共同住宅など大型ボンベから各室に提供

プロパンガスはボンベが家の側に置かれるので安全面の心配をされるかもしれませんが、ガスボンベにはマイコンメーターや警報機、ヒューズコックなどの安全機器の取り付けが徹底されており、都市ガスと同様に安全性は高いといえます。

注意点

プロパンガスの利用特約により使用期限があると、都市ガスへ乗り換える際に違約金が発生する場合もあります。

上水道

上水道の調査は、水道局や上下水道課で、「水道台帳」・「埋設状況図」から確認することができます。これらの資料からは次のことが分かります。

①引込管の口径

引込管の口径は、「13㎜」「20㎜」「25㎜」の3種類があります。以前は「13㎜」が主流でしたが、現在は「20mm」以上ないと水圧が弱くなるなど生活に支障が出る場合があります。

②本管の口径と埋設位置

埋設位置が前面道路の対象地寄りではなく、反対側など距離が長くなるほど、引込変更にかかる費用が増えます。

③本管が公設管か私設管か確認

前面道路が私道の場合は私設管の可能性があり、引込管の変更には本管所有者の同意だけではなく、負担金が必要になる場合もあります。
また、制限により引込管の口径が変更できないケースでは、対象地から離れた場所にある公設管より引き直しが必要で、想定以上に費用がかかることもあり注意が必要です。

下水道

上水道と同様に、下水道台帳で本管、引込管の口径、埋設位置、公設管・私設管の別を確認します。宅地内の排水は3種類で「汚水(トイレ)」、「雑排水(キッチン、浴室、洗面)」、「雨水」で、これらの排水管を総称して「排水設備」といいます。3種類の排水が「最終枡」から敷地外へ排出され、「下水道」または「浄化槽」で排水処理されます。

下水道の排出方法には「合流式」と「分流式」があり、排水設備を新設、増設、改築する場合は、その計画を下水道管理者(23区内は東京都下水道局長)に届け出る必要があります。
分流式の場合、雨水の処理方法として、「雨水管」「側溝」「浸透処理」があります。

合流式

汚水と雨水を同じ管で集めて、水再生センターまで運ぶ方式。1本の下水道管を整備すればよいため、分流式と比べて早く安価に整備可能です。

古くから市街化が進展した都市では速やかな下水道の整備が求められたため、合流式が採用されてきました。東京23 区の約8割は、合流式下水道で整備されています。他には大阪、名古屋、ニューヨーク、ロンドンなども合流式下水道です。

分流式

汚水と雨水を別の管で集めて、汚水は水再生センターまで運び、雨水はそのまま川や海へ流します。汚水管と雨水管の2本を整備する必要があるので、合流式と比べて費用が高くなります。

下水の排除方式

一方、公共下水道が使用できない地域において、排水を側溝や河川に放流するために水を浄化する設備が「浄化槽」です。昔はトイレの汚水のみ浄化する「単独浄化槽」が使われていましたが、現在は汚水、雑排水、雨水の全てを浄化する「合弁浄化槽」が主流で、「単独浄化槽」の新設は禁止されています。
浄化槽の耐用年数は30年ほどで、浄化槽の交換費用は約130万円程度、使用にも定期点検、清掃やメンテナンス費用がかかります。物件の排水処理の方法が浄化槽の場合は、浄化槽の交換歴の有無を確認しましょう。また、市町村により補助金制度があるの、併せて確認しておきます。

後悔しないよう事前の打ち合わせが大事

実際に生活が始まってから、「直ぐブレーカーが落ちる」、「シャワーの出が悪い」などの気になる点が出てきてしまうと、せっかくの新しい家での生活も楽しくなくなってしまいます。使いやすくストレスのない住生活のためにも、事前に新しい家での生活を想像し、後でやり直すことのないよう業者としっかり打ち合わせをしてください。