我が家の天井は何故斜め?良好な生活環境を守るための建物の高さ制限とは?

都市計画法で場所ごとに建築可能な建物の種類が決められているように、建物の高さにも建築可能な制限があります。この制限の主な目的としては、環境の維持と日照の確保です。
この制度により、極端に凸凹な建物が立ち並ぶこともなく、目の前の建物で一日中部屋が真っ暗ということがないなど、街のイメージや住環境が守られています。
具体的に建物の高さに関係する制限には、「高度地区」の指定・「絶対高さ制限」・「日影規制」・「斜線制限」があります。

1.高度地区

高度地区は高さの“最高限度”または“最低限度”を都市計画で定め規制します。規制内容は自治体ごとに定められており、各用途地域に設けることができます。
高度地区で定める建物の最高限度は、主に北側隣地の日照と通風確保、最低限度は土地の有効活用を目的に定められます。もちろん制限内ならどんな建物でも建てられるということではなく、建築物は都市計画の基準に適合するものであることが必要です。

2.絶対高さ制限

「絶対高さ制限」は原則、建物の高さ制限が10mまたは12mに定められ、『第一種低層住居専用地域』、『第二種低層住居専用地域』、『田園住居地域』の3つの用途地域に適用されます。標準的な木造3階建住戸の高さは10m未満であるため、一般的な住戸を建てる場合には特に厳しい条件ではないはずです。
もし、建物を絶対高さ制限がある地域と制限がない地域にまたがって建てる場合には、絶対高さ制限が定められた部分のみ制限が適用されます。

緩和措置

以下の理由を建築審査会が同意し特定行政庁が許可した場合に緩和措置があります
①周囲に広い公園、道路、空地などがあり、住環境を害する恐れがない場合
②学校その他の用途

3.日影規制

日影規制の対象は原則、10mを超える建築物(第1・2種低層住居専用地域、田園住居地域は軒の高さが7mを超えるもの、または地階を除く階数が3以上のもの)です。また、商業地域、工業地域、工業専用地域は原則除きます。
この規制は、冬至の日の午前8時から午後4時までの間に、下図の測定範囲A・Bにおける建物の日影時間を制限します。時間は用途地域ごとに指定され、AよりBの方が厳しくなります。

注意点

①同一敷地内に複数の建築物がある場合は、ひとつの建築物とみなして適用される
②日影規制対象外にある建築物でも、高さが10m超で冬至日に対象区域内に日影を生じさせる建築物は適用される
③建築物が日影規制の異なる区域にまたがる場合は、それぞれの区域に対象建築物があるものとして適用される

4.斜線制限

斜線制限には「道路斜線制限」、「隣地斜線制限」、「北側車線制限」の3種類があり、一定の勾配面による建物の高さの制限があります。

道路斜線制限

主な目的:道路向かいの建築物の良好な環境、日照の確保
道路の向かい側の境界線から一定距離の勾配面(角度1:1.25/1:1.50)による高さの制限
勾配面は住居系地域で1mにつき1.25m、その他の用途地域では1mにつき1.5m上がる
この斜線を超えないように建物を建てなければいけない。

POINT

①道路から建物を後退して建てた場合、後退距離に応じて斜線制限が緩和される
②敷地が角地の場合、ぞれぞれの道路に対して斜線制限が適用される

隣地斜線制限

主な目的:隣地の通風・日照の確保
隣地境界線から一定距離の勾配面(角度1:1.25/1:2.50)による高さの制限
勾配面は隣地境界線上の高さ20m(住宅系※注1)または31m(商業系・工業系)を起点とし、住居系地域※注1で1mにつき1.25m、商業系・工業系の地域では1mにつき2.5m上がる
この斜線を超えないように建物を建てなければいけない。
※注1 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域には絶対高さ制限(10mまたは12m)があるため除く

北側斜線制限

主な目的:北側隣地の日照の確保
北側境界線(隣地または道路の向かい側)から一定距離の勾配面(角度1:1.25)による高さの制限
勾配面は北側境界線上の高さ5m(第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域)または10m(第一種・第二種中高層住居専用地域)で、1mにつき1.25m上がる。
この斜線を超えないように建物を建てなければいけない。


POINT

①日影規制が適用される第一種・第二種中高層住居専用地域では、北側斜線制限は適用されない
②北側斜線制限は道路斜線制限と違い、建物を後退して建築しても規制は緩和されない
③勾配は真北に対して引く為、建物に対して平行になるとは限らない

5.高さ制限一覧表

  絶対高さ 道路斜線 隣地斜線 北側斜線 日影規制 高度地区
第一種低層住居専用地域 10mまたは12m 条例で指定された場合 都市計画によって定められた場合
第二種低層住居専用地域 10mまたは12m
田園住居地域 10mまたは12m
第一種中高層住居専用地域
日影規制ない場合
第二種中高層住居専用地域
日影規制ない場合
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
準工業地域 ※
商業地域 ※
工業地域
工業専用地域

 ※一般的な用途地域名の並び順と異なります