城南・城西エリアが地震に強い理由

理由1.固い地盤が揺れを抑える

東京の地盤は、山地・丘陵地、山の手の台地と、下町の沖積低地、そして台地を刻む谷からできている谷底低地に分類されます。

沖積低地や谷底低地は、地震が起きた場合に揺れが増幅されやすいため、比較的被害が発生しやすい地域です。

東京の地盤分布図

【地盤の特性】

山地・丘陵地、台地

形成された年代が古く、洪積層を中心とした地盤です。団結した地盤のため地震が起きた場合でも揺れが増幅されにくいことから、被害は発生しにくい地域です。

沖積低地

形成された年代が新しく、沖積層を中心とした地盤です。主に海面下での堆積物でできているため軟弱な地盤となっています。地震が起きた場合に揺れが増幅されやすいため比較的被害が発生しやすい地域です。また、液状化も起こりやすい地域です。

谷底低地

台地を刻む谷底での堆積物でできているため軟弱な地盤です。
地震が起きた場合に沖積低地同様、揺れが増幅されやすいことから、比較的被害が発生しやすい地域です。

理由2.固い地盤が液状化を防ぐ

●液状化とは

地表付近の含水状態の砂質土が、地震の震動により固体から液体の性質を示すことで、上部の舗装や構造物などが揚圧力を受け破壊、沈み込みを起こすもの。「流砂」とも呼ばれていた。

●液状化しやすい場所

東京の液状化しやすいエリア

砂丘地帯や三角州、港湾地域の埋め立て地、旧河川跡や池跡や水田跡など、まだ比較的新しく締め固まっていない土地、川や海に近い比較的地盤のゆるい土地に起こりやすいと言われている。

23区の東部(足立区、葛飾区、江戸川区、墨田区、江東区、中央区)及び東京湾岸地域、品川区、板橋区に液状化が発生しやすい地域が多く集まっており、その他西部では「液状化がほとんど発生しない地域」となる。

 

理由3.巨大津波発生の可能性が低い東京湾

東京湾の過去の津波

東京大学地震研究所元講師の羽鳥氏が江戸中期の元禄関東地震(1703年)、同末期の安政東海地震(1854年)、関東大震災のデータなどを参考にした予測によれば、「首都圏地震の場合の東京湾への津波の高さは1メートルから1.5メートル」とのこと。

羽鳥氏は「東京湾の入り口がすぼまって中が広がる地形で津波のエネルギーを減衰させやすい上、多くの河川が湾に流れ込んでおりパワーを分散させている」と指摘、「首都圏で2メートル以上の津波が起きる可能性は現時点では少ない」と述べている。

【参考】津波高による被害レベル

 ・波高1メートル・・・陸地への影響はほとんどない

 ・波高1.5メートル・・・低地での床下浸水が懸念される

 ・波高4メートル超・・・家屋が全半倒壊する可能性大

産業技術総合研究所活断層・地震研究センターの宍倉正展・海溝型地震履歴研究チーム長は、「元禄地震タイプは2000年以上、関東大震災タイプは200~400年が再来する間隔」と説明。

さらに「安政東海地震のような東海地震は今世紀中に必ず起きると言われているが震源地の関係から東京湾への影響は少ない」としている。

「水深が数十メートルと浅いので津波のエネルギーを減衰する東京湾では神経質に津波を心配する必要はない」とのこと。

 

首都直下地震等による被害想定が見直されました

東京都は、東日本大震災を踏まえ、これまでの被害想定を全面的に見直し、このたび「首都直下地震等による東京の被害想定」報告書としてまとめました。

今後、被害想定の結果と東京都防災対応指針の内容を踏まえ、東京都地域防災計画を修正していきます。

震度分布図

【新たな被害想定】

1.従来の首都直下地震(東京湾北部地震・多摩直下地震(M7.3))に、海溝型地震として元禄型関東地震(M8.2)、活断層で発生する地震として立川断層帯地震(M7.4)を加え、4つの地震モデルについて地震動および被害状況等を想定しました。

2.客観的なデータや科学的な裏付けに基づき、より実態に即した被害想定へと見直しました。

3.従来の想定よりも震源が浅くなり、最大震度7の地域が出るとともに、震度6強の地域が広範囲に広がりました。これに伴い、東京湾北部地震においては、区部の木造住宅密集地域で建物倒壊や火災焼失などにより大きな被害が生じ、最大9,700人の死者が発生する可能性があります。

4.東京湾沿岸部の津波高は、満潮時で最大2.6m(東京湾平均海面を基準とした高さ)となりました。河川敷等の一部で浸水の恐れがありますが、防潮堤などにより防御が可能であり、大きな被害は想定されません。

【想定結果の特徴】

●最大震度7の地域が出るとともに、震度6強の地域が広範囲に修正

震度6強以上の範囲は、「東京湾北部地震」で区部の約7割。「多摩直下地震」で多摩の約4割。

●東京湾沿岸部の津波高は、満潮時で最大T.P.2.61m(品川区) ※地盤沈下を含む。(T.P.=東京湾平均海面) 

河川敷等で一部浸水のおそれがあるが、死者などの大きな被害は生じない。

●東京湾北部地震の死者が最大で約9,700人

区部木造住宅密集地域で、建物倒壊や消失などによる大きな被害。

【ニュース】震度6弱以上が首都圏で上昇 今後30年以内、政府が確率

 政府の地震調査委員会(委員長、本蔵義守東京工業大学名誉教授)は2014年12月19日、全国各地で今後30年以内に震度6弱以上の大地震に見舞われる確率を示した2014年版の全国地震動予測地図を発表した。首都圏の地下で地震を引き起こすフィリピン海プレートの位置を従来より浅く設定したところ、首都圏は前年に比べて確率が上がった。 東京・新宿が26%から46%、さいたま市は30%から51%、横浜市は66%から78%に上昇した。全国では北海道南部から青森県の太平洋側の確率が上がった一方、宮城県の牡鹿半島は、東日本大震災でひずみが解放されたため確率が低下した。

【2015年2月16日更新】地震動予測地図 直下型が懸念される首都圏、揺れの確率が大幅に上昇

「全国地震動予測地図」の最新版では、首都直下地震が懸念される関東地方で確率が大きく上昇しており、より警戒が必要となった。

※2014年版全国地震動予測地図はこちらから「地震調査研究推進本部HP


参考資料:

「地震に関する地域危険度測定調査(第7回)(平成25年9月公表)による地域危険度一覧表


地震保険の知識