杉並区の住みやすさは?緑が多くて子育てがしやすい?気になる項目をデータで比較

杉並区の住みやすさ
[記事公開日]:2014/08/08[最新更新日]:2024/01/21

落ち着いた雰囲気で住みやすい街並みが広がる杉並区。住宅地としてファミリーから一人暮らしの方まで、大人気な地域です。今回はそんな杉並区の治安や自然環境、子育て環境などをデータとともに徹底解説します。杉並区の物件に注目している方はもちろん、広く都内全域で物件をお探し中の方もぜひご覧ください。

杉並区の評価

※評価は、5点満点で3点が14区のほぼ平均として相対的に比較

杉並区の基本データ

カテゴリー 14区内平均 データ 順位
人口 39万2421人 59万1108 人 3位
面積 25.00k㎡ 34.06㎢ 4位
人口密度 1万6643人/k㎡ 1万7355 /㎢ 7位
一般世帯数 21万8404世帯 33万6103 世帯 3位
昼夜間人口比率
※昼間人口÷夜間人口×100
255% 84.26% 14位
財政力指数
※収入額÷支出額
0.70 0.62 9位

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杉並区は人口・世帯数ともに多く、住宅街が広がる地域です。基本的に住むための街であることから、仕事や学校がある昼間の人口は少なく、その昼夜間人口比率は14区でもっとも低いです。とくに昼間は、閑静で穏やかな時が流れる街が多いので、子育て世代にもぴったりでしょう。

人気、利便性共に高いJR中央線が区の真ん中を貫いているため、交通の便も抜群。また、線路を境として、雰囲気の異なる2つのゾーンに分かれています。

杉並区の特徴

14区内3位の世帯数を抱える杉並区。ここでは、まず押さえておきたい杉並区の2つの特長をご紹介します。

個性的な祭り、音楽フェスなど多様な文化が混ざり合う2つの地域

高円寺の阿波踊り

親しみやすい商店街が軒を連ね、活気のある東側ゾーンは、100軒を超える古着屋や阿波踊りで有名な高円寺、ギャラリーやアートカフェが多い阿佐ヶ谷などが代表的。阿佐ヶ谷は毎年秋ごろに約60会場で演奏が繰り広げられる「Jazzストリート」でも知られています。

落ち着いた住宅地が広がっている西側ゾーンは、かつて太宰治をはじめとする文豪が住んだ趣ある街並み。敷地の広い一戸建てが並ぶ荻窪、約60軒の古道具屋やアンティーク雑貨店が集まる西荻窪が人気です。中央線の各駅には大きなアーケード商店街や商業施設が入った駅ビルなどがあり、買い物に困ることはないでしょう。

独自の子育て支援が好評で蔵書絶対数は都内トップレベル

トップレベルの蔵書数

杉並区は「子ども・子育て支援新制度」など、独自の子育て支援策に積極的に取り組んでいる地域です。質の高い就学前の保育・教育を提供する為の「認定こども園」の普及促進や、待機児童を解消するための新たな地域型保育事業、全子育て家庭を支援するための相談窓口や一時預かり保育の場の整備などの政策を通して、より充実した子ども・子育て支援事業を目指しています。就学児童のいる家庭には、一時保育や親子参加行事などの有料の子育て支援サービスに利用できる「子育て応援券」を交付するなどユニークで手厚い補償にも注目です。

教育環境の面で注目したいのが蔵書数。約200万冊と都内トップレベルの蔵書数を誇り、国会図書館や市立図書館を含む全国蔵書数ランクでも上位に位置しており、長期的な子育てにもぴったりでしょう。

杉並区の治安 星5つ

カテゴリー 14区平均 データ 順位
刑法犯認知件数 2,617件 2,260件 6位
人口1000人当たりの刑法犯認知件数 9.2件 3.8件 2位
人口1000人当たりの侵入窃盗発生件数 0.38件 0.21件 6位
人口1000人当たりの火災発生件数宇 0.48件 0.17件 1位
交番・駐在所がカバーする人口 29ヵ所 40ヵ所 3位

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人口1000人当たりの刑法犯認知件数は14区内でもっとも少なく、火災発生件数、侵入窃盗発生件数でも上位に位置しています。大きな駅や繁華街が少ないこともあり、治安はかなり良い地域と言えるでしょう。住宅街が多いこともあり、住民同士で地域たちの子どもたちを守っていくという意識も強い傾向にあるようです。

杉並区の子育て環境星3つ

カテゴリー 14区内平均 データ 順位
就学前児童1人当たりの児童福祉費 257.7万円 260.5万円 6位
待機児童数(対前年比) 0.14人(-8人) 0人(0人) 1位
保育サービス利用率 55.2% 59.1% 4位
小・中学生1人当たりの教育費 111.6万円 72.0万円 14位
小学校教員1人当たりの児童数 18.5人 18.7人 8位
中学校教員1人当たりの生徒数 16.6人 15.7人 5位
人口1人当たりの公立図書館蔵書数 3.66冊 3.34冊 7位

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区独自の子育て支援がかなり手厚い地域ということもあり、待機児童数は2018年から0人を維持しています。とくに妊娠時の支援や就学前の支援に力を入れているので、子育てを始めやすいと言えるでしょう。

教育面では小中一貫教育を推進しており、義務教育9年間で連続的な学びを通してより充実した学校生活を行えるよう、区をあげた取り組みが行われています。

杉並区の医療星1.5つ

カテゴリー 14区内平均 データ 順位
1k㎡当たりの医療施設数 30.7ヵ所 16.4ヵ所 11位
人口1000人当たりの一般診療所数 2.13ヵ所 0.91ヵ所 12位
人口1000人当たりの医師数 7.18人 1.7人 14位
子供が医療費助成を受けられる期間 高卒
(入院時食事療養費含む)

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医療施設数は比較的少なく、人口当たりの医療施設数・医師数ともに14区内では下位にランクイン。区内に大学病院や救命救急センターがないこともあり、地域医療体制を充実させるための対策が練られています。

杉並区の自然環境星3.5つ

カテゴリー 14区内平均 データ 順位
公立公園等の総数 228ヵ所 337ヵ所 3位
人口1万人当たりの公立公園等の数 5.57園 5.70園 5位
公立公園等の総面積 130万8702㎡ 126万1766㎡ 5位
1人当たりの公立公園等の面積 3.13㎡ 2.13㎡ 9位
緑被率 18.36% 21.77%(2017年) 4位

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善福寺川緑地や和田堀公園、善福寺公園、柏の宮公園などの大規模な公園がある杉並区の公立公園数は14区中3位。区内最大級の柏の宮公園では、田植え体験、たけのこ堀りなど貴重な体験型の遊びを提供しているほか、既存の遊具を使わずに、子どもが自分の手で遊びを作るプレイパークや、大工遊び・焚き火・泥遊び・秘密基地づくりなど、好奇心をかきたて創造性を育む遊びを楽しめます。

杉並区の買い物・娯楽星2つ

カテゴリー 14区内平均 データ 順位
小売業事業所数 2,354ヵ所 2,398ヵ所 8位
人口1000人当たりの飲食料品小売業数 1.58ヵ所 1.94ヵ所 3位
人口1000人当たりの飲食店数 5.58ヵ所 4.80ヵ所 5位
映画館数(≠スクリーン数) 4.29館 2館 9位
人口10万人当たりのフィットネスクラブ数 1.66ヵ所 0.86ヵ所 10位
博物館・美術館数 12.21館 4館 13位

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住宅街が多いこともあり、娯楽施設は比較的少ない地域ですが、各駅前には活気ある商店街やスーパーなどが集まっているため、買い物には困らないでしょう。高円寺や阿佐ヶ谷では個性豊かなイベントも多数開催されており、杉並区ならではの娯楽を楽しめること間違いなしです。

JR中央・総武線の使用で新宿駅や東京駅など、主要な駅にアクセスしやすい点もポイント。区を南北に走る環状八号線は南部で中央自動車道に連絡しているので、休日の行動範囲も広げやすいでしょう。

杉並区の住まい星3つ

カテゴリー 14区内平均 データ 順位
一般世帯の持ち家率 40.48% 40.50% 9位
居住世帯の一戸建て率 14.37% 24.59% 1位
中古戸建平均価格 9,845万円 7,779万円 11位
中古マンション平均価格 7,110万円 5,524万円 12位

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家族で住んでいる世帯が多いこともあり、一戸建て率は14区内トップ。区の南西部を走る京王井の頭線沿線を中心に低層で敷地の広い一戸建て中心の街並みが広がっています。一方、中古マンションの平均価格も4611万円と都心14区の中では手ごろでしょう。

杉並区の資産価値ランキング2023

※用途区分:住宅地

順位 町名 標準地番(住居表示)
最寄り駅・距離 公示地価 前年比
1位 桃井 桃井4丁目128番
(桃井4-12-21)
西荻窪駅
1200m
78.9万円/㎡ 104.1%
2位 荻窪 荻窪3丁目9番外
(荻窪3-32-3)
荻窪駅
630m
77.8万円/㎡ 105.3%
3位 久我山 久我山一丁目370番4
(久我山1-5-17)
久我山駅
570m
76.3万円/㎡ 104.1%
4位 永福 永福3丁目253番3
(永福3-23-11)
西永福駅
290m
76万円/㎡ 105%
5位 高円寺南 高円寺南1丁目511番28
(高円寺南1-26-1)
東高円寺駅
300m
68.5万円/㎡ 104.3%

(出典:国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」)

住宅地として安定した人気を誇る杉並区。比較的、お求めやすい値段も人気の理由のひとつでしょう。昔ながらの落ち着いた住環境とJR中央線沿線の新しい個性的な街並みが混ざった独特な雰囲気にプラスして、再開発も行われており、今後さらなる発展が期待できるでしょう。

杉並区の住みやすい街3選

杉並区でとくにおすすめしたい住みやすい街3つをご紹介します。街ごとの個性豊かな杉並区の不動産探しは、それぞれの特徴を押さえて行うとより充実するはずです。ぜひ参考にご覧ください。

【浜田山】水と緑に囲まれた高台に続く穏やかな住宅街

浜田山人口密度が低く、閑静で穏やかな住宅地が多い京王井の頭線沿線のなかでも、久我山と並ぶ邸宅街として知られるこの地域。町域の大半が第一種低層住居専用地域に指定されていることもあり、静かで洗練された雰囲気が漂います。高台に位置するため、見通しの良い場所では低層3階建てのマンションからでも、富士山や新宿高層ビル街が望めるのもポイント。
駅周辺には複数の商店街があり、地元住民だけではなく多くの人でにぎわっています。

柏の宮公園をはじめ、和田堀公園や善福寺川緑地などの自然環境にも恵まれた地域です。

地名の由来

現在町域内にある杉並南郵便局付近一帯は江戸時代まで江戸・内藤新宿(現在の新宿区新宿)の商人・浜田屋の所有地で松やクヌギの林(付近では「山」と呼ばれていた)になっていたほか浜田屋の墓があり、彼岸の時は浜田屋の人間が江戸から当地まで墓参りに訪れていた。墓参りの際には、村の子供たちに銭やお菓子などが配られるのが恒例で村ではお祭りのような賑わいであったといわれている。この浜田屋の山から浜田山の地名が生まれ、現在の地名になったと言われている。

【出典】Wikipedia「浜田山」


【阿佐谷北・阿佐谷南】独特の文化色漂う活気ある街並み

阿佐谷北街中のいたるところがジャズの演奏場になる、「阿佐谷ジャズストリート」(毎年10月末開催)をはじめ、個性豊かなイベントやお店が集まるこの地域。最寄りの阿佐ヶ谷駅はJR中央線で新宿駅まで約10分と交通アクセスも抜群です。駅をはさんで南北に走る中杉通りはケヤキ並木で作られた緑のトンネルが印象的。井伏鱒二など多くの文人が集ったことでも知られています。

阿佐谷南には七夕まつりで有名な商店街「阿佐ヶ谷パールセンター」があり、多種多様なお店で賑わっています。丸ノ内線も利用圏内となるため、銀座・大手町へのアクセスも良好。

阿佐谷北には同じく商店街のほか、個性的なカフェや古本店などが点在。ミニシアター「ラピュタ阿佐ヶ谷」や小劇場「ザムザ阿佐谷」などの存在が独特の文化の雰囲気を漂わせている地域です。

地名の由来

所説あり。

1.桃園川(ももぞのがわ)の浅い谷地であったことから「浅ヶ谷」と呼ばれたことに由来する説

2.川沿いの湿地に葦が生えていて、「葦の茂る谷」という意味で「葦ヶ谷」と呼ばれたことに由来する説

など。

【荻窪】穏やかな住宅街と商業施設を兼ね揃えた住みよい街

荻窪区内初の鉄道駅である荻窪駅があり、区内唯一の大型デパート・ルミネが立つなど商業施設の集積度が高いこの地域。土地区画整理が行われた中央線北側エリアでは、都市公園や緑地自体は少ないものの、屋敷林や生垣、庭木の多い、比較的敷地の大きな一戸建てが多く並んでいます。住宅街は、にぎやかな駅前の商業施設や娯楽施設とは一線を画した静かな街並みなため、小さな子ども連れでも住みやすいでしょう。

地名の由来

「荻」とはイネ科の多年草植物で、ススキに似て河川敷などの湿地に群生する。この荻が低い窪地に繁茂していたことに由来。

個性豊かな街が並ぶ杉並区で、穏やかで刺激的な暮らしを!

独自の子育て支援が多数実施されている杉並区の住みやすさについてご紹介してきました。住宅街としてよく知られている地域ですが、実は個性的なお店やイベント、開放的な公園など、娯楽を楽しめるポイントがたくさん。閑静な住宅街とにぎやかな商店街を両立した杉並区は、子育てを始める場所にもぴったりでしょう。一戸建てを購入し、長期的に住み続けたいという方にもおすすめの地域です。

「TOKYO@14区」を運営する住建ハウジングでは、そんな杉並区の不動産を多数ご用意しています。一戸建てやマンションはもちろん、土地や事業用など、ご希望に合わせて物件を絞り込めるので、ぜひお気軽にご利用ください。