住宅取得資金贈与の申告は確定申告?|必要書類一覧・入手先・提出時の注意点を解説

申告については勘違いしやすい部分ですが、確定申告と贈与税申告は異なります。確定申告は所得税額を計算して申告する手続きですが、贈与税申告は財産を譲り受けた際に行う手続きです。住宅取得資金贈与を受けた際、特例を受けるためには贈与税申告が必要で確定申告は必要ありません。

ただし、世間一般では、2月〜3月に税務署へ行って税金の報告をすることをまとめて「確定申告」と呼ぶ傾向があります。贈与税申告期間(2月1日~3月15日)は確定申告期間(2月16日~3月15日)とほぼ同時期に行われるため、住宅取得資金の特例を受ける際も「贈与税の確定申告が必要」といった表現が便宜上使われることが多いのです。

今回は住宅所得資金贈与の申告について解説します。申告をすることで贈与税が非課税となる「住宅所得資金贈与の特例」を使って住居を購入予定の方は、内容を正しく理解し、必要な書類など期限内に間に合うよう早めの準備をしましょう。

住宅取得資金贈与の特例とは

住宅取得資金贈与の特例とは、贈与を受けた人の贈与税が非課税となる制度(期間:令和8年12月31日まで)です。父母や祖父母などの直系尊属からの贈与で、居住の用に供する家屋の新築や取得、増改築などの金銭を取得した場合に、一定の要件を満たすと贈与税が非課税になります。非課税の限度額は、省エネ等住宅とそれ以外で次のように異なります。

贈与税が非課税となる限度額

省エネ等住宅に対して贈与を受けた場合 それ以外の住宅に対して贈与を受けた場合
1000万円 500万円

※省エネ等住宅:国が定めた一定以上の性能(省エネ・耐震・バリアフリー)を持つ、質の高い住宅のこと

住宅取得資金贈与の特例が適用される要件

特例を適用するには、次の要件に当てはまっている必要があります。

・贈与者の直系卑属であること

・贈与を受けた年の1月1日に18歳以上であること

・所得金額が2,000万円以下であること

・翌年3月15日までに贈与金を全額使用すること

・翌年3月15日までに居住または居住予定であること。

住宅取得資金贈与の特例では、父母もしくは祖父母から援助を受ける場合に限られます。養子の場合も該当しますが、配偶者の直系尊属は該当しないため注意しましょう。また、受け取る人の所得にも条件があり、贈与の年の合計所得が2,000万円以下と定められています。家を購入するまで、家に住むまでの期限も定められており、贈与税の申告も贈与の翌年に行わなければなりません。取得する住居に関しても、省エネや耐震性に優れていることや、床面積など細かな要件があります。

住宅取得資金贈与を受けた際の贈与税申告の流れ

住宅所得資金贈与を受けた場合には、以下の流れで贈与税申告を行います。

1.贈与を受ける

どの住居を購入するか決定したら直系尊属から贈与を受けます。贈与は申告を行う前年の12月31日までに受け取る必要があります。受け取るタイミングがずれてしまうと特例が適用されないこともあるため、注意しておきましょう。

夫婦で購入する場合に住宅を共有名義にすると、それぞれが特例を利用でき、非課税額が2倍になります。共有名義にする際には、それを見越して受け取る額を決めるとよいでしょう。

2.住居を購入する

贈与を受けた後に、住居を購入(新築・増築)します。住居の購入に関しても、特例を利用する場合には申告までに住居を取得、居住する必要があるため注意しましょう。また、特例の適用には、住宅の床面積が40㎡以上240㎡以下であるなど、取得する住居にも細かな要件があります。事前によく確認しておきましょう。

住居の要件について詳しくは、国税庁の住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の要件をご覧ください。

3.贈与税の申告を行う

贈与税の申告は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに行います。贈与税の書類と、特例を受けるための書類を作成して提出する必要があり、申告しないと特例は適用されません。次項で、申告に必要な書類について詳しく解説します。


住宅取得資金贈与の申告で必要となる書類

住宅取得資金贈与の申告:必要書類チェックリスト

分類 必要書類名 チェック
①贈与の証明 贈与契約書(または贈与の事実が分かる書類)
②住宅取得の証明 住宅の売買契約書(または請負契約書)の写し
登記事項証明書(全部事項証明書)【建物・土地】
③住宅性能の証明 住宅用家屋証明書または検査済証の写し
【省エネ等住宅の場合】性能を証明する書類 ※非課税枠を拡大する場合
④申告書(税務書類) 贈与税の申告書(第一表・第一表の二)
住宅取得等資金の非課税の適用を受ける旨の計算明細書
⑤本人・関係確認 受贈者の戸籍謄本(または抄本)
受贈者の戸籍の附票または住民票の写し
⑥資金の流れ証明 贈与を受けたことがわかる書類(通帳のコピー等)

①贈与そのものを証明する書類

贈与契約書(または贈与の事実が分かる書類)

  • 内 容: 誰から誰へ、いくら贈与されたかを証明する書類
  • 入手先: 自作(書面で作成)、または銀行振込の記録+覚書など
  • ※日付・金額・贈与者/受贈者の署名押印があると安心

②住宅取得に使ったことを証明する書類

住宅の売買契約書(請負契約書)の写し

  • 内 容: 住宅取得の事実、契約日・取得価額・建物の床面積などの確認
  • 入手先: 手元の控え(不動産会社・建築会社との契約時書類)
  • ※マンション・戸建て・注文住宅いずれも必要

登記事項証明書(建物・土地)

  • 内 容: 建物の新築日(取得日)、床面積、所有権の登記などを公的に証明
  • 入手先: オンライン申請|法務局 または最寄りの法務局窓口

③住宅の要件を満たすことを示す書類(重要)

住宅用家屋証明書 または 検査済証の写し

  • 内 容: 新築・一定基準を満たす住宅であることの確認
  • 入手先: 市区町村役場(住宅家屋証明書)、建築会社(検査済証)

【省エネ等住宅の場合】性能を証明する書類

  • 内 容: 省エネ住宅等に該当することの証明※非課税限度額の上乗せ(500万円増)を受ける場合に必要
  • 書類例: 住宅性能評価書・長期優良住宅認定通知書・低炭素建築物認定通知書
  • 入手先: 建築会社・住宅メーカー・登録住宅性能評価機関など

④申告書・特例適用に必須の税務書類

申告の核となる書類です。税務署窓口で入手するか、国税庁サイトで作成・印刷します。

贈与税の申告書(第一表・第一表の二)

  • 内 容: 贈与税の額を計算・申告するための書類。特例を受ける場合は「第一表の二」も必要
  • 入手先: 申告書等用紙一覧|国税庁、税務署、e-Tax

住宅取得等資金の非課税の適用を受ける旨の計算明細書

  • 内 容: 特例の適用条件を満たしていることを計算・証明するための書類
  • 入手先: 申告書等用紙一覧|国税庁(申告書様式一式に含まれる)

⑤贈与者・受贈者に関する確認書類

贈与をする人(父母・祖父母)と、受ける人(子・孫)の関係や、年齢を確認するために必要です。

受贈者の戸籍謄本(または抄本)

  • 内 容: 贈与者が直系尊属(親や祖父母)であることを証明します。※贈与を受けた日以降に発行されたもの
  • 入手先: 本籍地の市区町村役場窓口、または郵送請求

戸籍の附票 または 住民票

  • 内 容: 贈与時の住所・居住要件の確認、贈与を受けた翌年3月15日までにその住宅に居住していることの証明
  • 入手先: 居住地の市区町村役場、またはマイナンバーカードによるコンビニ交付
  • ※マイナンバーの記載は不要(むしろ省く)

⑥資金の贈与・支払を証明する書類(必要に応じて)

いつ、いくら贈与が行われたのか事実を証明します。

資金の流れ(贈与を受けたこと)がわかる資料(通帳のコピー等)

  • 内 容: 親の口座から自分の口座への振込履歴、贈与資金が住宅取得に使われた証明
  • 例: 通帳の写し、またはインターネットバンキングの取引明細
  • 入手先: 金融機関・本人保管資料

必要書類の入手先まとめ【一覧】

書類名 入手先 リンク・備考
贈与税の申告書一式 国税庁HP/ 税務署 贈与税の申告書等の様式一覧
戸籍謄本・住民票 市区町村役場 マイナンバーカードがあればコンビニでも可
登記事項証明書 法務局 登記ねっと(オンライン請求が安価)
契約書の写し 自己保管 不動産売買契約書、建築請負契約書
住宅性能証明書類 建築会社・ハウスメーカー等 建築した会社や評価機関に問い合わせ

申告時の注意点

  • 申告期限を厳守する:贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に申告が必要です。1日でも遅れると特例(非課税)が受けられなくなるため、非常に重要です。
  • 居住要件を確認する(注):原則として、贈与を受けた翌年の3月15日までにその家に入居している必要があります。入居が遅れる場合は、別途「入居見込み」を証明する書類が必要になることがあります。
  • 所得制限に注意:受贈者の合計所得金額が2,000万円(床面積40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円)以下である必要があります。
(注)3月15日までに居住できない人が必要な書類

・直ちに居住できない事情及び居住する予定時期を記載した書類
・家屋に遅滞なく居住することを約した書類

詳しくは国税庁のチェックシートを確認し、不足のないよう書類を揃えていきましょう。

住宅取得資金贈与の特例に関してよくある質問

Q.贈与額が110万円以内なら申告は不要?

A.暦年課税では、年間110万円以内であれば贈与は非課税となるため、申告は不要です。非課税枠110万円は節税効果もあり、毎年110万円ずつ贈与をすると贈与税が非課税になります。

Q.住宅取得資金贈与の特例と110万円の基礎控除は併用できる?

A.暦年課税による年間110万円以内の贈与は基礎控除額で非課税になりますが、住宅取得資金贈与の特例と併用もできます。住宅取得資金贈与の特例では、一般住宅の非課税枠は500万円なので、暦年課税の110万円と合わせて、610万円までの贈与税が非課税となります。

Q.住宅取得資金贈与の申告はいつ行う?

A.贈与を受けた年の翌年3月15日までに申告を行います。また、贈与を受けた翌年の12月31日までにその家屋に居住していない場合には、原則として特例制度の適用を受けることができなくなります。その際には、修正申告も必要となるため居住時期についても注意しておきましょう。

Q.住宅取得資金贈与の特例と住宅ローン控除は併用できる?

A.住宅取得資金贈与の特例と住宅ローン控除は併用することができます。ただし、贈与の特例を適用した場合、住宅ローン控除の計算に用いる取得対価の金額が変わることもあるため、計算時には注意が必要です。また、省エネ住宅の基準にも違いがあるため、それぞれの基準についてよく確認しておきましょう。

住宅所得資金贈与を活用し、申告漏れのないよう行いましょう

住宅取得資金贈与の特例は、住宅購入を強力にバックアップしてくれる制度ですが、「期限内の申告」と「正確な書類提出」が絶対条件です。 特に「戸籍謄本」や「登記事項証明書」などは取得に時間がかかる場合もあるため、年明けから準備を始めることをおすすめします。不安な場合は、早めに税理士や最寄りの税務署へ相談しましょう。

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投稿者プロフィール

石川充監修者
宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。20年以上にわたり住建ハウジングと共同でマーケティング活動を行う。
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