戸建て投資はリスクを抑えてコツコツ副収入を得たい方におすすめの不動産投資です。ただし、「リスクが少ないから」といって安易にはじめると数百〜数千万円を損することになりかねません。本記事では戸建て投資のメリット・デメリットをまとめ、向いている人の特徴や失敗しないコツを紹介します。
戸建て投資のメリット

戸建て投資にはさまざまなメリットがあります。ここでは主なメリットを5つ紹介します。
比較的少額からはじめられる
比較的利回りが高い傾向にある
入居期間が長くなりやすい
リノベーションがやりやすい
不利な条件でも賃貸需要がある
ただし、上記のメリットを見て「今すぐはじめよう」と考えるのはおすすめできません。このあと解説するデメリットと比較して、「本当にはじめるべきか」を検討するのが大事です。
比較的少額からはじめられる
戸建て投資はマンションに比べて、比較的少額からはじめられます。投資額の相場は以下のとおりです。
- 一棟マンション・一棟アパート:数千万~数億円
- 中古の戸建て:数百万~2,000万円程度
上記でわかるとおり、マンションの10分の1程度ではじめられます。なかには、数百万円で投資できるものも少なくありません。買取再販業者から購入すると高くなりますが、それでも1,000〜2,000万円程度が相場です。
このように、初期投資額やリスクを抑えられるのが戸建て投資の魅力といえるでしょう。
比較的利回りが高い傾向にある
戸建て物件は比較的利回りが高い傾向にあります。その理由は、高い家賃で賃貸しやすいからです。
賃貸用戸建ての場合、供給自体が少ないうえに物件の個別性が強く、他の物件と差別化しやすいというメリットがあります。さらに、周辺の家賃相場に影響されづらいという特徴があるのも戸建て投資の強みです。
マンション投資の場合、地域の家賃相場によって左右されることは珍しくありません。しかし、戸建て投資は予想よりはるかに高額な家賃設定でも入居が決まるケースがあります。
入居期間が長くなりやすい
戸建て物件は長期にわたって収入を得られる可能性があります。入居するのは単身世帯ではなくファミリー世帯が多いからです。ファミリー世帯は単身世帯と違って気軽に引越ししないため、入居期間が長くなりやすいのです。
また、退去の頻度が少なくなるため、原状回復費用や広告料などの支出を抑えられます。
リノベーションがやりやすい
戸建て投資はリノベーションしやすいという強みもあります。ワンルームマンションと違って投資家が物件を所有し、ルールを決められるのです。
具体的には、次のようなリノベーションができます。
- 壁を塗り替える
- 床をフローリングにする
- 敷地内の物を除去して駐車スペースを設ける、など
このようにさまざまな工夫ができるため、独創的な方に向いているでしょう。
不利な条件でも賃貸需要がある
戸建て物件は都心や駅から多少遠くても需要が見込めます。ターゲットがファミリー層であり「広い戸建てに住みたい」と考えているケースが多いからです。
特に、以下の条件は人気が高くなる傾向にあります。
- ペット可
- 駐車場付き
- 庭付き
このような物件がある場合、利便性が悪くても入居者がすぐ決まる可能性もあるでしょう。
戸建て投資のデメリット
一方、戸建て投資には以下のデメリットがあります。
管理に手間がかかる
融資を受けづらい
リフォーム費用が高くなることもある
入居需要を見極めにくい
収入の増加に時間がかかる
管理に手間がかかる
築年数が古い戸建て物件の場合、管理に手間がかかります。修繕しなければならない箇所が多いからです。空き家になっていた期間が長い物件は特に注意しましょう。人が住んでいなかったことにより、手入れが行き届いていないことが多いです。
また、戸建て物件は基本的に交通アクセスが良くありません。マンションと違ってある程度の土地が必要になるため、地方や郊外に立地しているのです。したがって、行き来するだけでもかなりの時間がかかってしまいます。
融資を受けづらい
安くはじめられる一方、融資を受けづらいというデメリットがあります。特に中古物件で不動産投資する場合、融資を断られることもあるので注意しましょう。その理由は「収益性が高くない」とみなされる可能性があるからです。
融資を受けられたとしても、融資期間が法定耐用年数以下で設定され、十分な借入期間を設定してもらえない場合もあります。結果として、手元にお金が残らなくなる危険性も少なくありません。
リフォーム費用が高くなることもある
物件によってはリフォーム費用が高くなることもあります。格安の戸建ては、そのままでは借り手が見つからない状態であることも珍しくありません。リフォーム費用が想定以上にかかってしまうと、いくら条件が良い物件でも利回りが大きく下がってしまいます。
あくまで目安に過ぎませんが、築30年程度の戸建て物件を内装・外装ともにリフォームする場合、約300万円程度の費用がかかります。築年数がより古かったり劣化状態が激しかったりすると、さらに高くなる可能性もあるでしょう。
このように修繕箇所が多いと、最初からかなりの費用がかかってしまうことになりかねません。
入居需要を見極めにくい
戸建て投資は入居需要を見極めにくいという特徴があります。マンションは複数の部屋がありますが、戸建ては部屋が1室しかないため「収入がある」「収入がない」のどちらかになるのです。入居者がいないと、当然、家賃収入は0円です。
オーナーチェンジ物件を探す、という対処法もあります。この場合、現在の賃料が相場賃料と比較して適正かを確認しなければなりません。相場より割高だった場合、入居者が出た後に家賃が下がってしまうことがあります。
特にローンを組む場合、資金をしっかり準備しましょう。資金がないと、収入がゼロにも関わらず返済を続けていかなければなりません。
収入の増加に時間がかかる
戸建て投資は収入の増加に時間がかかります。初期投資金額が小さい分、家賃収入も少なくなるからです。
例えば、マンションの場合だと、すべての部屋が埋まればすぐに大きな収入を得られます。一方、戸建て投資は一定金額から増えることはありません。現金で購入するならレバレッジ効果が得られないため、収入拡大のペースはより遅くなるでしょう。
戸建て投資に向いている人・向いていない人
戸建て投資は少なからずリスクがあります。場合によっては、数百万円〜数千万円を損することになりかねません。
戸建て投資に向いている人
戸建て投資に向いていない人
ここでは向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。自分がどちらに当てはまるのか確認しましょう。
戸建て投資に向いている人
戸建て投資に向いている人は以下のとおりです。
- 時間に余裕がある
- リスクを極めて小さくして取り組みたい
- 戸建て投資のデメリットを解消できる物件を見つけた
まず、戸建て投資は郊外にあることが多いため、管理に時間がかかります。だからこそ、時間に余裕がある人に向いています。
マンションに比べて初期投資額は多くありません。したがって、リスクを極めて小さくして不動産投資に取り組みたい方におすすめです。
さらに、本記事で紹介したようなデメリットを解消できる物件を見つけた方にもおすすめです。国内にはまだまだ、誰も手を付けていないような「穴場」の戸建てが存在します。
戸建て投資に向いていない人
戸建て投資に向いていない人は以下のとおりです。
- リフォームや管理など手間をかけたくない
- 資産や収入を大きく増やしたい
都市部に住んでいる人はマンション投資やほかの投資に力を入れることをおすすめします。リフォームや管理など、手間をかけたくない方も別の投資が向いているでしょう。
戸建て投資は数万〜十数万円程度の小さな副収入をコツコツ積み立てたい方に向いています。資産を大きく増やしたい方は、違う投資方法を見つけることをおすすめします。
戸建て投資で失敗しないコツ

戸建て投資は失敗することも珍しくありません。ここでは失敗しないコツを3つ紹介します。
機能面に問題のない物件を見極める
周辺環境なども確認する
駐車場の有無を確かめる
上記3つを実践したからといって、確実に成功するわけではないので注意してください。
機能面に問題のない物件を見極める
機能面に問題のないものを見つけることが重要です。例えば、以下の点をチェックしましょう。
- 住宅の基礎
- 耐震性
- 断熱性
これらに問題があると、入居者が決まらないどころかのちのちトラブルになりかねません。
もっとも、素人にはわからない点も多いでしょう。この場合、ホームインスペクションなど第三者機関による調査を利用して、問題の有無を確認するのがおすすめです。
周辺環境なども確認する
戸建て物件は周辺環境なども確認しましょう。なぜなら、ファミリー世帯が好む傾向にあるからです。
特に、以下の点を確認してください。
- 子育てや買い物に便利な施設がどれくらい充実しているのか
- 公園や医療機関の評判はどうなっているのか
- 周りの治安や環境はどうか、など
駐車場の有無を確かめる
戸建て物件は郊外でも賃貸需要があります。しかし、それは車を利用する生活が想定されているからです。
駐車場は最低でも車1台分は必要です。できれば2台分のスペースがあることが望ましいでしょう。
戸建て投資は自分の適性を見極めて慎重に!
戸建て投資はメリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。たしかにリスクを抑えられますが、物件によってはリフォームが必要だったりなかなか入居者が決まらず収入が得られなかったりします。
大事なのは自分が「戸建て投資に向いているかどうか」です。向いていないのであれば、無理をしてはじめる必要はありません。向いている場合、しっかりと計画を練って投資をはじめましょう。
投稿者プロフィール

- 監修者
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宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士
1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。20年以上にわたり住建ハウジングと共同でマーケティング活動を行う。