住宅取得資金贈与は失敗しやすい?非課税制度を利用する前に知っておきたいポイント

親などから住宅を購入するための資金援助を受けた際に、一定の金額までの贈与が非課税になる制度があります。本記事では、住宅取得資金贈与でよくある失敗例と対策を解説します。贈与税が非課税になるお得な制度を正しく理解して、使いこなせるようにしましょう。

住宅取得資金贈与における非課税制度とは

住宅取得資金贈与の非課税制度とは、住宅購入の際に直系尊属(両親や祖父母)から受けた資金援助にかかる贈与税が非課税になる制度です。通常、年間110万円を超える贈与に対して税金が発生しますが、住宅取得資金であれば一定金額まで非課税で贈与ができます。

この制度を適用するには、後述する条件を満たす必要があります。また、トラブルを防ぐためにも、贈与契約を書面で作成したり、贈与や住宅取得に関する書類を漏れなくそろえたりすることが重要です。

住宅の種類によって非課税限度額は異なる

住宅取得資金の非課税限度額は、住宅の種類によって異なります。通常の住宅では500万円までの贈与が非課税ですが、省エネや耐震性能をもつ質の高い住宅であれば、1,000万円まで非課税になります。

非課税限度額を増額するには、贈与税を申告する際に、省エネ等の基準を満たしていることを証明する書類の提出が必要です。省エネ等の基準は、以下の通りです。

家屋の区分 省エネ等基準
省エネルギー性能 耐震性能 バリアフリー性能
新築をした住宅用の家屋 断熱等性能等級5以上かつ、一次エネルギー消費量等級6以上 耐震等級2以上または免震建築物 高齢者等配慮 対策等級3以上
建築後使用されたことのない住宅用の家屋
建築後使用されたことのある 住宅用の家屋 断熱等性能等級4以上または、 一次エネルギー消費量等級4以上
増改築等をした 住宅用の家屋

※税務署「住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税等のあらまし」をもとに作成

住宅取得資金の非課税贈与制度に関するよくある失敗

ここでは、住宅取得資金の非課税贈与制度においてよくある失敗例を紹介します。どのような点に注意すればいいのかを把握して、失敗を未然に防げるようにしましょう。

受贈者の条件を満たしていない

贈与を受け取る受贈者が、非課税制度を適用するための条件を満たしていないケースは少なくありません。以下の枠内で、受贈者の条件を確認しましょう。

受贈者の条件

  • 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上
  • 贈与を受けた年の年間合計所得が2,000万円以下
  • 過去に住宅取得贈与の非課税特例を利用していない
  • 配偶者や親族などから取得した家屋ではない
  • 贈与を受けた翌年3月15日までに資金を住宅の購入に充てる
  • 贈与時点で日本国内に住所がある
  • 贈与を受けた翌年の3月15日までに購入した家屋に居住する

直系尊属からの贈与ではない

住宅取得等資金で非課税特例制度が適用されるのは、父母や祖父母といった「直系尊属」からの贈与のみが対象です。兄弟姉妹や甥、姪、養子縁組をしていない子の配偶者などは対象外です。

たとえば、「子の配偶者」に資金援助を行った結果、非課税特例制度の対象外になったという失敗例があります。

住宅に関わる条件を満たしていない

非課税制度が適用されるには、住宅の床面積や建築年数など、細かい条件を満たさなければなりません。条件は新築や住宅購入、増改築、中古住宅の場合で異なります。住宅の内容によって非課税限度額も変動するため、以下の内容を事前に確認しておきましょう。

新築、購入住宅の条件

  • 床面積40㎡以上~240㎡以下
  • 床面積の1/2以上が居住用である

増改築の条件

  • 床面積40㎡以上~240㎡以下
  • 床面積の1/2以上が居住用である
  • 工事に要した費用が100万円以上
  • 工事に要した費用の1/2以上が自己の居住用に供される部分である

中古住宅の条件

  • 床面積40㎡以上~240㎡以下
  • 床面積の1/2以上が居住用である
  • 耐火建築物以外は20年以内、耐火建築物は25年以内に建築された家屋である

親族からの住宅購入や新築・増改築をお願いしている

配偶者などの親族から住宅を購入する場合や、親族に新築・増改築を依頼する場合も適用対象外となります。非課税制度を利用する際は、親族以外からの購入や建築依頼を検討しましょう。

贈与手続きの書類に不備がある

贈与手続きに関する書類に不備があったり、内容が不十分だったりした場合には、贈与自体が無効になるリスクがあります。

書類不備を防ぐためには、事前に必要書類をリストアップして準備を整えることが重要です。不安な場合は、専門家に相談をして書類の内容を確認してもらいましょう。

新築の場合に必要な書類

  • 計算明細書
  • 合計所得が分かる書類
  • 戸籍謄本等
  • 登記事項証明書
  • 請負契約書/売買契約書の写し
  • 質の高い住宅基準適合を証明する書類(非課税1,000万円の適用を受ける場合)

誤ったタイミングで贈与を受けた

非課税特例制度を適用するには、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた住宅取得等資金の全額を住宅の新築や取得、増改築などの対価に充てる必要があります。

たとえば、12月15日に贈与を受けた場合は、翌年3月15日までに住宅を取得して入居しなければなりません。タイミングを誤るとスケジュールが合わず、期限までに入居できない可能性もあるため、注意が必要です。

贈与税の申告をしなかった

非課税特例制度を適用するには、特例適用後の贈与税がゼロになる場合でも、期限内に贈与税の申告を行う必要があります。申告を怠ると、制度が適用されなかった場合の贈与税が課税されるうえ、無申告によるペナルティが発生する可能性があります。

贈与資金を住宅購入支援金以外の用途で使った

贈与を受けた資金を住宅の取得以外の用途で使用した場合、非課税特例制度は適用されません。住宅の取得に関わる用途であっても、不動産取得税の納付や新居の庭造り、装飾などの外構工事に充てる費用が対象外になるケースもあります。そのため、資金の用途を明らかにしておくことが重要です。

住宅取得資金の非課税贈与制度の失敗を防ぐための対策

住宅取得資金の非課税特例制度の失敗を防ぐための対策を解説します。確実に非課税制度を適用するために、確認すべきポイントを整理しておきましょう。

最新の税制と申告手続きを確認する

住宅取得資金贈与を行う際は、最新の制度を正確に理解したうえで、適切に申告手続きを行う必要があります。贈与税の非課税枠や特例措置の適用条件は年度ごとに異なる場合があるため、常に最新情報の確認することが重要です。

とくに、制度の適用には、受贈者の所得や取得した住宅の床面積など、さまざまな条件を満たす必要があるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。そのほか、書類を不備なく提出することや、手続きを期限内に行うことなどが求められるため、計画的に準備を進めましょう。

贈与と住宅購入のスケジュールを調整する

贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、最低でも棟上げを終えている状態でなければ制度の適用外になるため、スケジュールの調整が必須です。

スケジュールに余裕がなく、制度の適用外になってしまうケースは、住宅取得資金贈与でよくある失敗の一つです。贈与のタイミングを決める際は、建築スケジュールを十分に考慮しましょう。

金融機関や税理士へ事前に相談する

住宅取得資金贈与をスムーズに進めるためには、金融機関や税理士など、お金の専門家に事前に相談するのも有効です。

金融機関では、贈与資金の管理方法や住宅ローンとの関係についてアドバイスが受けられます。また、税理士に相談すれば、贈与税の計算や申告手続きに関する専門的なサポートが受けられるため、税務上のリスクを最小限に抑えられます。

住宅取得資金贈与に関するよくある質問

Q.贈与税が0円でも申告は必要?

A.非課税制度を適用して贈与税が0円になった場合でも、贈与税の申告が必要です。申告を忘れると制度が適用されないため、贈与を受けた年の翌年3月15日までに申告手続きを済ませましょう。

Q.住宅ローン控除制度と非課税制度は併用できる?

A.住宅ローン控除制度と非課税制度は併用可能です。ただし、住宅ローンの残高と非課税制度を利用して贈与された金額の合計が、取得した住宅の購入金額を上回った場合には、住宅ローン控除のメリットが減ることがあります。
具体的な内容については、税理士に相談してシミュレーションしてみるとよいでしょう。

Q.非課税制度と小規模宅地等の特例が併用できないのはなぜ?

A.小規模宅地等の特例は、相続人の居住状況や住宅の保有状況など、一定の要件を満たす必要がある制度だからです。そのため、非課税制度を活用して住宅を取得したあとに親の住宅を相続するケースでは、要件を満たさず、小規模宅地等の特例が適用されない場合があります。併用の可否は状況によって異なるため、事前に確認することが大切です。

住宅取得資金贈与の失敗を防いで非課税制度を活用しよう!

住宅取得資金贈与の非課税制度は、適用条件や贈与と住宅取得のスケジュールなどを正しく把握しておかないと、失敗につながる可能性があります。制度の利用を検討する際は、適用条件や必要書類などを確認しながら、不備が生じないように手続きを進めましょう。非課税制度の利用に不安がある場合は、お金や不動産のプロに相談するのもおすすめです。

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投稿者プロフィール

石川充監修者
宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

1996年より大手不動産デベロッパー勤務。首都圏の新築マンション販売のプロジェクトマネージャーに従事。多くの物件の担当し、引き渡しまで一気通貫で経験。
その後ベンチャー系広告代理店にて不動産系クライアントのインターネット集客の支援を行う。
現在は広告代理業と併せ、老舗不動産会社として地域ニーズに合わせた事業を展開。20年以上にわたり住建ハウジングと共同でマーケティング活動を行う。
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