子ども部屋はいつから与えればよい?知っておきたいポイントをご紹介

子ども部屋は、何歳から必要なのでしょうか。リビングで勉強する子どもが増えているともいわれる昨今、「いつから子ども部屋を作ればよいかわからない」という方も多いでしょう。
個室を与えるかどうかは、子どもの様子をよく見たうえで決める必要があります。また、「個室」ではなくリビングの一角を「子ども専用空間」にするという方法もあります。今回は、子ども部屋を与える理由やメリット、タイミングなどについて解説します。

子ども部屋の現状

居住形態や兄弟姉妹の有無、子どもの年齢などでも違いがあるため、一概に「子ども部屋を用意するべきだ」とはいえません。では、子ども部屋に対する親の考え方にはどんなものがあるのでしょうか。そして、子どもたちは自分の部屋についてどう考えているのでしょうか。子育て世帯を対象に2015年に野村不動産アーバンネットで実施されたアンケート調査をもとに、その実態を見ていきましょう。

子ども部屋を持っているかどうか

子ども部屋を与えている家庭は全体の53.1%です。居住形態で比較すると、賃貸が31.8%と低めなのに対して、持ち家は59%。間取り別で比較すると、3 LDKで54.9%、5LDKでは93.8%と、部屋数が増えるほど子ども部屋を与えている割合が大きくなっています。広さ別で比較した場合、広くなればなるほどその割合は増えますが、150〜200㎡で100%に達して以降、200㎡以上では83.3%という調査結果が出ています。

子ども部屋を用意したきっかけと用意したことによるメリット

子ども部屋を用意したきっかけは、「引っ越した」が最も多く、その次に多かったのが「子どもに自立してもらいたい」、三番目は「小学校に入学する(した)」というものでした。
また、子ども部屋を用意したことによるメリットは「自立心が芽生えた」が1位で、2位は「プライバシーが保たれるようになった」、3位が「勉強をするようになった」です。

自分の部屋とリビング、どちらで勉強や宿題をすることが多いか

勉強や宿題をする場所については、子ども部屋が42.3%、リビングダイニングが40.2%、まだ勉強はしていないという方が17.5%でした。子どもの世代別にみると、小学生・中学生は60%以上がリビングダイニングで勉強や宿題をしているのに対し、高校生以上は72.7%が子ども部屋で勉強や宿題をしています。

子ども部屋を与えるタイミング

では、実際に部屋を与えることは、子どもにどんな影響があるのでしょうか。それぞれのタイミングごとに考えられる効果と、あえて「子供部屋を与えない」という選択をとることについて見ていきましょう。

幼稚園児の時期

この時期は、まだ親と一緒に寝る子どもが多いと考えられます。子ども部屋を「個人的な生活空間」としてとらえず、「子どもが使うものを置く場所」と考えると、子どもに無理なく「自立心の芽生え」をうながせます。例えば、子どもの日用品を置く場所を決定し、子どもが自発的に物を出し入れできるようにするだけでも効果はあります。

小学生の時期

小学生になると、学用品が増えてきます。ランドセルや教科書だけではなく、着替えや習字用具などの小物も含めるとかなりの数に。そのため、子ども部屋を設けて、子ども自身に通学の準備や持ち物の整理整頓などをさせることは、自立心を養うことに役立つでしょう。親はできる限り手を貸さず、見守ってあげることが大切です。

中学生の時期

小学校高学年から中学生あたりになると、自分の部屋をほしがる子どもが増えてきます。思春期になるとあまり親と話したがらず、帰宅してそのまま部屋に直行するケースも増えがちです。そういうときだからこそ、親が子どもを見守れるように、なるべく家族が集うリビングを通って向かえる位置に部屋を設けましょう。友人が来たときも、家族の前を通ることで交友関係もわかります。家族の気配を感じながらもプライバシーを保てる距離感が、健全な親子関係を築くことにもつながるでしょう。

あえて子ども部屋を与えない

リビングの一部を子ども用の空間にするという選択肢もあります。あえて子ども部屋を設けず、リビングの片隅に勉強机や教材を入れる棚などを用意してあげると、子どもはわからないことをすぐ親に聞けるので、勉強の習慣が身につきやすくなるでしょう。それ以外にも、「子ども専用空間」を家族の共有場所に設置することには意外なメリットがあります。自分だけの部屋であれば、どれだけ散らかしても大丈夫と思いがちですが、家族と一緒にいる空間を散らかした場合は「自分だけの場所じゃないから片付けないといけない」などといった責任感が芽生えやすくなります。

子ども部屋を与える際の注意点

子どもに部屋を与えるときには、注意しなければならないことがあります。まずは、「子どもが安心していられる居場所」として部屋を用意できるかということです。この点を無視して一方的に部屋を設けてしまうと、子どもに悪影響を及ぼすことだってあるのです。

個室を与える目的を伝える

子どもに「部屋を与える」ということは、自立心の芽生えを促すためでもあります。きちんとその目的を伝えることで、子どもを安心させてあげましょう。

部屋を持つ意味を理解・納得させる

「もうお兄ちゃんは大きいから」などと一方的に部屋を与えるのはNGです。子ども部屋を持たせる意味については親子で時間をかけて話をすること、子ども自身の自主性を尊重することも大切です。

少しずつ個室に慣れさせる

寝るときだけ個室、そのほか勉強や生活基盤はリビングのままなど、段階を踏んで徐々に移行するといいでしょう。

引きこもりがちな部屋にしない

特に思春期以降は、部屋にこもってしまって家族と顔をあわすことがなくなるというケースも見受けられます。そうならないためにも、子ども部屋にはカギをつけない、テレビを置かない、テレビゲームはリビングだけに置くなどといった工夫も必要です。

まとめ

いつ子どもに部屋を与えるかは、親の考え方によって変わってきますが、部屋を与えることを「親離れ、子離れの節目」のように考え、焦ってしまうのもよくありません。個室をほしがる子どももいればそうでない子どももいます。「こうあるべき」という先入観を抱くことなく、子どもの気持ちを尊重したうえで、少しずつ進めていくことをおすすめします。

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