自宅を事務所として活用するには?自宅兼事務所のメリットやデメリットをご紹介

働き方の多様化により、テレワークやノマドワーカーなど、自宅を事務所として仕事をする人が増えています。
また、弁護士や行政書士など士業を営む方々も、自宅を自宅兼事務所として多く活用されています。
この記事では、自宅兼事務所を構える場合のメリット・デメリット、手続き方法、注意点について解説します。
自宅で事業をはじめる際の参考にしてください。

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自宅兼事務所のメリットとデメリット

自宅兼事務所のメリットとデメリットについて見てみましょう。

自宅兼事務所のメリット

自宅兼事務所のメリットは、以下の通りです。

■ 経費を計上できるので、節税につながる

事務所を自宅に設定すると、さまざまな経費を計上できるため、節税につながります。
賃貸物件の場合には家賃や光熱費など、持ち家の場合には固定資産税の一部や自宅の修繕費、火災保険の費用なども経費計上できます。

■ 時間をかけて通勤しなくてもいい

自宅兼事務所の場合は、当然のことながら通勤が不要になります。
通勤のための交通費もかかりません。

自宅兼事務所のデメリット

一方で、自宅兼事務所には、以下のようなデメリットが考えられます。

■ 経費の計算に少し時間と手間がかかる

自宅兼事務所の場合、家賃を床面積比で按分したり、電気代や電話代を作業時間で按分したりと、経費計算に手間と時間がかかります。
按分の割合が不自然な場合には、税務署から指摘が入る可能性もあるため、注意が必要です。

■ プライベートと仕事の境目があいまいになりがち

仕事場と居住スペースが同じになるので、オンとオフの境目があいまいになりがちです。
電話番号を公開している場合は、夜間でも顧客や取引先から電話が入るケースもあります。

■ 賃貸物件の場合、契約内容違反になってしまう可能性がある

賃貸物件の場合には、自宅兼事務所としての用途が認められていない場合があります。
特に、エステサロンなど不特定多数の人の出入りがある場合には、許可が下りにくい傾向にあります。

自宅を事務所として利用するには?

では、実際に自宅を事務所として使用するためには何をすればいいのでしょうか。

■ 自宅兼事務所として使用する物件を新たに探す場合

不動産会社に、自宅兼事務所として使用できる物件がないか相談をしてみましょう。
マンションやアパートなどの集合住宅の場合、他店が入居している物件は自宅兼事務所としての用途が認められやすいでしょう。
同業他社が入居していないかチェックすることも大切です。

■ 住んでいる自宅を事務所として利用する場合

すでに住居として使用している自宅を利用する場合、自宅住所を事業所の住所として開業届を申請します。
不特定多数の顧客の出入りがある場合や看板の設置などを行う場合には、後のトラブル防止のために、近隣の方々に事前に説明し、了承を得るようにしましょう。
また、賃貸物件を自宅兼事務所として利用する場合には、不動産会社への事前の相談が必要です。相談の際には、用途や看板設置の有無、見込みの来客数など詳細も伝えましょう。
事前の通知なく開業した場合には、契約違反による強制退去という事態にもなりかねません。

青色申告

自宅を事務所とした場合の税控除を受けるためには、青色申告が必要です。
また、その税控除には以下の要件が必要です。

■ その費用が業務の遂行のために直接必要であること
■ 必要であった部分の金額が計算できること

青色申告は、毎年2月~3月に確定申告の際に行います。

自宅を事務所にする際の注意点

自宅を事務所として使用する際には、気をつけなければならない点があります。

賃貸の場合には契約条件(物件オーナーの意向)に注意

■ 自宅兼事務所として利用していいか

前述の通り、物件によっては事務所としての利用が認められていない場合があるため、必ず事前に契約書に目を通し、物件オーナーに確認しましょう。

■ 社名や看板などを出してもいいか

自宅兼事務所としての利用については問題がない場合でも、大々的に看板を出したり、表札に社名を掲示したりすることが認められないケースもあります。事業活動について、一つひとつもれなく確認することが重要です。

■ 居住用としての契約になるか、事業所としての契約になるか

物件を新たに契約する場合は、居住用としての契約になるか事業所としての契約になるかについて確認しましょう。
事業所としての契約の場合、敷金礼金が居住用の場合と異なる場合があります。
また、事業所としての契約となった場合、家賃に消費税がかかる場合があります。

経費計上に注意

経費計上の際に注意する点をご紹介します。

■ 違和感のない按分が必要

家賃や光熱費を必要経費として計上する際の按分については、慎重に行う必要があります。
例えば、事務所9対自宅1など明らかに不自然な按分の設定をした場合には、税務署から脱税の疑いをかけられるケースがあります。

■ 住宅ローンは利息部分に注意

住宅ローンの利息部分は、税制優遇が受けられません。
間違って計上してしまうと、後日税務署から指摘が入りますので、住宅ローン支払い中の持ち家を自宅兼事務所に設定される場合には注意してください。

自宅の設備に注意

個人宅を事業所にする場合は、仕事をするための環境が整っていることも重要です。

■ インターネット環境

インターネットの高速通信環境は不可欠です
。効率的に作業を行うために、無線LAN環境を整えておきたいところです。

■ 電話、FAX環境

近年、携帯電話のみで営業や問い合わせ対応をする方も増えてきましたが、業態によっては電話やFAXがあったほうが業務を行いやすいでしょう。
また、コピーやプリントの機能も備えた複合機を導入すると、業務の効率が飛躍的に向上するケースもあります。

まとめ

自宅兼事務所の最大のメリットは経費を計上できる点です。
家賃や固定資産税、光熱費などについても、必要経費として計上することが可能です。
ただし、物件の契約内容によっては制約が生じてしまう場合もあり、最悪のケースでは退去を命じられるケースもあります。
近年では、IT技術の発達などによりテレワークをはじめとしたさまざまな働き方が可能になっています。
手続き方法や注意点を把握し、ご自身にあった事務所を開設しましょう。

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