首都直下地震を生き抜く為のQ&A(1)

 首都直下地震に対して誰もが感じる様々な疑問に、防災の専門家たちが答えています。いざ“その時”にどれだけ正しい選択をし行動できるかが運命の分かれ道になるかもしれません。

Q1.地下鉄に乗っているときに地震に遭遇したらどうすればいいのか?

A.運転手または車掌の指示に従うこと。線路を伝い駅に誘導してもらえます。地下の揺れは地上の震度より1ほど小さくなると言われていますが、地上に近いところを走る「銀座線」や「丸ノ内線」は危険です。古くて浅い地下街は崩落する恐れがあり、非常灯も30~40分しか持たず、それが消えると地下は真っ暗になりますので、できるだけすばやく地上に出ることを心がけましょう。

地下鉄の暗闇

Q2.運転中に地震に遭遇した場合はどうすればいいのか?

A.高速道路でも一般道路でも、教習場で習ったように、キーをつけたまま車を乗り捨てて避難します。震災時の渋滞を踏まえて、今後の災害時には大幅な交通規制がかけられるはずです。災害時の車での移動は、自分だけでなく他社の被災リスクを高め、緊急車両の走行を妨げることになるのでやめます。特に人を迎えにいくような行為は慎みましょう。

緊急車両妨害

Q3.人で混み合う古い雑居ビル内で地震に遭遇した場合はどうすればいいのか?

A.揺れが収まったらすぐにビルから出ます。避難口が分からずまごまごする人や、我先に逃げようとする人でパニックになるからです。雑居ビルの避難口は大抵ひとつしかありません。遅れをとらず慌てないためにも、あらかじめ避難口を把握しておくことが重要です。お店によっては従業員が避難訓練を受けておらず指示が的確でない場合もあるので、自ら先導するくらいの冷静さが必要です。

非常口

Q4.高層マンションで地震が発生した場合、すぐに避難したほうがいいのか?

A.マンションに直接的な被害が出ておらず、倒壊しないという前提ならば、すぐに降りないようにします。エレベーターが止まると高齢者などは部屋に戻れなくなってしまいます。ある程度マンション内に孤立してもいいように、1週間分の食料や飲料水を備蓄しておくことが必要です。

高層マンション

Q5.阪神大震災で高速道路の橋脚が折れたように、首都高速道路でも同じことが起きるのか?高速道路で地震にあった場合はどうすればいいのか?

A.首都高速道路の倒壊の可能性はゼロではありません。もし首都高上で地震を感じたら、ハザードランプをつけて、ゆっくりと左に寄せて停止します。そして、周囲の安全を確認し、最寄の非常口から避難します。高架下を走行していた場合は、崩壊や車両の落下の可能性があるため、すぐにその場を離れます。

高速道路

Q6.避難時に自転車を使ってもいいのか?

A.自転車での避難は問題ありません。被災後の荷物の運搬などに利用できます。家族の人数分の自転車があることが望ましいです。

自転車

Q7.避難の際、貯金通帳や印鑑など貴重品を持ち出すべきか?

A.普段から防災袋に入れておくことができない貴重品は、枕元などにまとめておき、避難時にすぐ防災袋に突っ込んで非難できるようにします。避難後に貴重品を取りに家に戻ることは危険な行為です。

枕元に貴重品

Q8.液状化が心配です。臨海地区の埋立地のマンションに住んでいて大丈夫か?

A.新しいマンションの敷地内は地盤を改良しているので、比較的液状化が起こりにくいとされています。しかし、揺れが大きい直下地震の場合は、震災で大丈夫だった場所でも液状化が発生する可能性があります。マンションの周囲にある道路や避難所でも液状化被害が発生することも考えられます。

液状化

Q9.建築基準法が改正された’81年より前に建てられたビルで地震に遭遇した場合は?

A.阪神大震災では、’81年以前に建てられた建物の多くが倒壊しました。古い建物は余震で潰れてしまう可能性があるので、揺れが収まったら外に避難すべきです。外は落下物の危険があるものの、古い建物の中にいるよりは安全です。

古い建物倒壊

Q10.大学が広域避難所になっている場合、災害時は学内にいれば安全ですか?

A.広域避難所に指定されている場所にいる場合は、災害時に移動する必要はありません。その場に留まり、被災状況の情報収集をします。最初の地震に建物が耐えたとしても、余震で倒壊する危険もあるので油断は禁物です。

避難所