富裕層が「不動産」を売りました…常人の想像を超える仰天エピソード

「高く売れれば良い」と考えるのが不動産だが、富裕層の場合には必ずしもそうとは限らない。長期間かけても、満足いく売却にこだわった2例を紹介する。

「東京・文京区の実家」を相続…苦節4年の売却ストーリー

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両親が逝去した後、空き家になった実家を売却した野口カヲルさん(仮名/60代)。その売却にはなんと4年の年月がかかったと言う。東京都文京区の一等地、なぜそれほど苦戦したのだろうか。
「文京区のそれなりの広さの家屋。地価が上昇の一途をたどるなか、金額的にそのまま買い取ってくれる人はなかなかいないようです。それこそ何十件も不動産会社も回りましたが、更地にして狭小戸建ての分譲にするという返事ばかり。両親がこだわって建てた物件はまだ築20年です。綺麗に使っていましたし、建材も良いものをチョイスしていました。壊すという選択肢は私にはなかったので、そのまま住んでくれる人を探してほしいとお願いすると『お手上げです』『できません』という返事ばかりでした」
売り主の思いに寄り添ってくれる不動産会社は少ないと感じたのだろうか。
「はい。売っていくら儲けられるかしか考えていないようでした。ところが最終的に引き受けてくれた不動産会社の担当さんは家を見た直後に『やらせてください』と。『素敵な家ですね』とも何度も言ってくれました。この人は『家が好きなんだ』と感じて、お任せしようと決めました」
しかし、4年というのは相当長い期間だ。途中で更地にするなどのプラン変更はなかったのだろうか。
「担当さんは『絶対にこの家を気に入る人がいます』と何度も言ってくれました。私は家族と都内に住んでいますし、急いで売るよりも納得いく形で譲りたくて。だから買い手が見つかったときには心底嬉しかったです」
買い手の方とのコミュニケーションも取り、気持ちの面でも通じ合い気持ち良い取引になったとか?
「検討していただいているときに、買い手の方と近所を散策して、おすすめのスポットをいくつか紹介しました。家も素敵だけれど街も魅力と言っていただけて。家具や家電も必要なものは置いていく約束をしました。リビングの50インチのテレビもそのまま。『モデルルームに住む気分』と笑ってくださって。空き家になってからも手入れを続けていて良かったと思いましたし、4年も頑張ってくれた担当さんには感謝しています」


80代のお1人さまの富裕層「もう豪邸には住めない」

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4年とまではいかないが、丸1年かけて住み替えを終えた箕輪覚さん(仮名/80代)の声も聞いてみよう。
「実際、売却すると決めてからは数週間、3組目に見学に来られたご家族に購入いただきました。駅から徒歩圏で広さも十分。中高年がターゲットだったのですが、意外にも30代の若いご夫婦に気に入ってもらえました。これからの世代に引き継げたのは嬉しい限りです。ただ、私自身の今後の住まいをどうするかのほうが難題だったかもしれません」
売却されたのは渋谷区の豪邸だというが、新居はどこにどんな物件を購入したのだろうか。
「年齢的に、これまでと変わらない環境というのが第一条件でした。友人が近くにいるのもそうですし、病院や買い物、レストランなんかも馴染みと離れるのは健康にも影響を与えかねません。私の場合、50年同じ場所に住んでいましたから、今までの住まいから離れないというのは大切でした」
渋谷区なら物件は選び放題のような気がするが、新居探しに手間取った理由は?
「妻を20年前に亡くし、一人暮らしには広すぎる住まいでした。家具や趣味で集めた骨董品、それに家族との思い出の品が山ほどありました。他人から見れば価値のないものもありますが、その断捨離に時間がかかっていて新居探しをさぼってしまっていて。数週間おきに担当の営業マンから電話をもらって1件見に行き『うーん』と悩むというのを繰り返していました」
結局は、売却と購入どちらが先だったのだろうか?
「売却には時間がかかると踏んでいたので、検討を始めて11ヵ月後に売却の活動をスタートしてもらいました。そうしたらあっという間に決まってしまったので、慌てて購入物件の検討に入りました。10件ほど紹介してもらって、最終的には中古ですが駅から近く、眺望の良いマンションに決めました。リフォーム中だったのですが、私の意見も取り入れてくれるというので、壁紙や水回りは好みに合わせてもらいました。新築にこだわるより、立地が最大のポイントです。中古の方が圧倒的に利便性の良い物件が多いと感じました」
売却が早く決まったのは、価格設定を抑えたから?
「それが、私が希望した額に対して『もっと高い値段でもいけます』と営業マンの上司が言うんです。『そんなに高く?』と驚く額を提示されたのですが、値引かれることなくそのまま売れました。お願いした不動産会社は数十年前に土地を購入した時からの付き合いです。もちろん担当者は入れ替わっていますが、社長の考え方がしっかり根付いていると感じます。『良いものを評価する』という大前提と、顧客の気持ちを第一に動くスタイル。私の場合も『焦っていない』『でも、1年で決めたい』と我がままな希望でしたけれど、『良い家だから良い人に買ってもらうための最善を尽くす。期限は最大限、希望に近づけます』と社長が言ってくれて」
不動産会社をとても評価されている?
「もちろん、若い営業マンには言いたいこともいろいろありますけれど(笑)、社内の空気の通りが良いようで、営業マンの上司や社長から『どうですか?』とたまに連絡が入るんです。だから安心できたし、満足できる売却と購入になったと感じています」

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