新宿区の防災・地震対策はどうなっている?

市谷の周辺の広域避難場所に指定されている神宮外苑の様子

もしも大規模な地震が発生し、区役所が被災した場合、平常時の人員や執務環境で業務を行うことは難しくなります。
新宿区では、このような場合でも重要業務を中断させないようにする、もしくは早急に復旧させるためのプラン「新宿区事業継続計画(地震編)」を策定しています。
この事業継続計画はBCP(Business Continuity Plan)と題され、区のホームページから無償でダウンロードして閲覧できるようになっています。

新宿区は約31万人の人々の生活の場であるとともに、巨大ターミナル駅をはじめ、繁華街や超高層ビル街をかかえていることから、大規模地震発災時には、区内全域で甚大な被害の発生が予想されています。

区役所自体も被災し、人員や物資・ライフラインなどの利用に制約が生じることが想定されるため、区職員はそうした状況の中で、地域防災計画に基づき応急対策業務や復旧活動に全力を注がなければならなくなります。
一方で、業務停止により区民生活に大きな影響をもたらす通常業務についても、業務の継続や早期再開が求められます。
こうした事態に備えて重要業務を中断させない、あるいは早急に復旧させるための取組みを、予め定めておく必要があるという認識からBCPが策定されています。

新宿区ならではの取組みとは?

信濃町の周辺の広域避難場所に指定されている神宮外苑の様子

新宿区では、震災時の新宿駅周辺の混乱防止に向けた防災・地震対策として「新宿ルール」というものがあります。
首都直下地震が発生した場合、鉄道などほとんどの交通機関が停止することにより、発災直後のターミナル駅では多くの滞留者による混乱が生じる恐れがあります。
また、都や区市町村及び警察、消防は、救命救助に重点を置くことになるため、外出者に対する公的な支援には限界があります。
新宿駅は、6鉄道事業者で1日340万人を超える、世界最大の利用者数を誇るターミナル駅です。
朝夕の通勤・通学のラッシュ時だけではなく、昼間の時間帯も買い物客等で混雑しており、都は発災後駅周辺に約16万7,000人が滞留し、約90,000人の帰宅困難者が出ると想定しています。

このことから、新宿駅周辺の事業者からなる協議会が中心となり、滞留者対策の一環として、大規模な避難誘導訓練などを通じて判明できた課題を整理し、災害が発生したときにも地域事業者などが協力して来街者の安全を守れるようにと「新宿ルール」が策定されました。
これにより、大地震発生時の新宿駅周辺の混乱防止に向けて備えているのです。

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