大田区 田園調布(でんえんちょうふ)

高級住宅地の代名詞ともいえる街


「高級住宅地といえば?」と聞かれたら、誰もが真っ先に挙げる高級住宅地の代表格が「田園調布」です。
当初は中流階級向きに作られた計画都市でしたが、時代を経るごとに輝きを増し続け、ついには高級住宅地の頂点に君臨するようになりました。
戦前戦後を問わず、日本を代表する文化人や政治家、企業家、スポーツ選手などの邸宅が多く建てられたことから、田園調布に家を建てることは、日本人の夢とさえいわれるまでになりました。
今なお、住人たちによって景観が保たれているこの街は、圧倒的なステータスを維持し続けています。

田園調布の地理

田園調布は大田区の西端に位置し、世田谷区と神奈川県川崎市と隣接する住宅地です。
明治の実業家、渋沢栄一氏の提唱した「理想的な住宅地『田園都市』の開発」を目指した地域で、「高く乾燥した、美しい空気」「樹木の多い豊かな土壌」「都心へのアクセスの良さ」「都市インフラの整備」「病院・学校などの充実」など、今日の感覚からしても先進的な条件で、この地が選ばれ、整備されたという経緯があります。
また、田園調布は「田園調布台」という固い粘土層で形成された台地の上にあるため、地盤の良さは首都圏屈指といえます。
現に、分譲から間もないころに発生した関東大震災でも、大きな被害はありませんでした。
歴史や格式があることに加えて、地盤の安心感がある。
東日本大震災後、この地理的に有利な特徴は、さらに高い価値を持つようになったのです。

田園調布の特徴

田園調布の地域の大半は、良好な住環境を守るための「第一種低層住居専用地域」に指定されていたり、自然美を維持・保存するための第2種風致(ふうち)地区となっていたりします。
そのため、いわゆるタワーマンションなどはほとんど見られません。
しかし、その一方で中古一戸建て物件は比較的豊富で、新築一戸建て住宅も一定のペースで分譲が行われています。
費用は高額になりますが、チェックを続けていると、相場よりも安い掘り出し物の物件が手に入ることもあります。

最寄り駅

最寄り駅は東急東横線・目黒線の「田園調布駅」と、東急東横線・目黒線・多摩川線の「多摩川駅」となっています。
田園調布駅から都心方面へは「渋谷駅」(移動時間約14分)、「中目黒駅」(約9分)、「目黒駅」(約12分)など、アクセス性に優れています。
また、「横浜駅」には約19分で行くことができます。
道路事情としては、エリアの東側で環八通りに、西側で中原街道(都道2号)に面しており、都心方面と横浜方面、また世田谷区・杉並区を経て埼玉方面、多摩方面への移動にも便利です。

田園調布の周辺にある施設

田園調布の象徴ともいえる、中世ヨーロッパの民家をモデルにした赤い三角屋根が目印の旧駅舎。
建てられたのは分譲開始翌年の1923年のことです。
老朽化によって取り壊されたものの、住民たちの要望により、2000年に同じ場所に再建されました。
再建後は、地下に向かう連絡口となっています。
この旧駅舎は、住民にとってモニュメント的な意味合いを持っているのです。
かつて線路があった場所には、高級感のある「東急スクエアガーデンサイト」というショッピングセンターが建っています

デザインはヨーロッパ風で、景観を破壊していないところが田園調布らしいといえます。
センター内には、スーパーマーケットやカフェなどもあり、近隣の住民にとって欠かせないスポットとなっています。
緑豊かな田園調布の中でも、とりわけ緑が深いスポットといえば「田園調布せせらぎ公園」でしょう。
ゆるやかな起伏を活かした遊歩道や湧水、広場などがあり、住民たちの憩いの場となっています。周囲には高層の建物がないため、見晴らしが良く、散歩をする人をたくさん見ることができます。なお、福山雅治さんが楽曲のモデルにした「桜坂」があるのも田園調布です。
春の桜の季節になると、大勢の人たちが桜坂に詰めかけるなど、一大観光スポットになっています。

田園調布の歴史

美しく閑静な住宅地である田園調布は、作られるべくして作られた街といえます。
この街が生まれた背景には、19世紀後半の英国で提唱された「住宅と庭園の共生する新しい形態の都市」構想があります。
この思想に深く共感した、「日本資本主義の父」とも称される実業家・渋沢栄一が計画して作った街なのです。
渋沢栄一は「田園都市株式会社」を立ち上げ、宅地開発と鉄道事業を同時に行うという大事業に挑みます。
欧米視察を重ね、駅から放射状に伸びる並木道は、フランスはパリの凱旋門周辺を参考にしたとされています。
その結果、1918年から現在の田園調布の原型ができていきます。
分譲が始まったのは1922年からでした。
分譲当初から有力者や著名人が邸宅を構え、大きな話題になりました。
田園調布の地区の中には、独自に制定した「田園調布憲章」によって、敷地面積の最低限度や建物の高さなどがきびしく規制され、秩序のない開発を防いでいる場所もあります。
例えば、敷地面積は最低でも165平方メートル(50坪)以上であること、高さ9m以上の建物を建ててはならない、さらに壁や柱、屋根などの色は周囲の環境に調和させること、といった内容です。
こうした住民たちの努力の積み重ねによって、現在も高級住宅地の代表格として田園調布は君臨しているのです。


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