文京区の防災・地震対策はどうなっている?

小石川周辺の広域避難場所に指定されている小石川後楽園の様子

文京区は、年間犯罪発生件数が23区の中でも最も少ない区ですが(2015年末現在)、こと防災・地震に関しては油断することはできません。

「マグニチュード7.3、震源の深さ約20~30km、冬の夕方18時発生、風速8m/秒」という条件で東京湾北部地震(首都直下地震)が発生した場合、2012年4月に東京都が公表した文京区の被害想定は、
・全壊建物数3,602棟
・焼失棟数(全壊建物含む)2,433棟
・死者253人
・負傷者4,217人
・避難所生活者40,213人、
・帰宅困難者13万1,632人
となっております。

また、消防庁が想定する震災時出火危険度の要因別構成のうち、化学薬品の割合が12.4%(23区平均は2.5%)に上り、23区で2番目に高くなっています。

その理由として、文京区には理科系の学部を置く大学が4校、医科系が3校あり、実験や研究の際に必要となる化学薬品や放射性物質といった危険な物質が数多く保管されている点が挙げられています。

こうした状況から、文京区では災害時に二次災害として思わぬ危険に巻き込まれることがないように、より現実に即した実効性の高い災害対策を構築するための地域防災計画が策定されているのです。

文京区ならではの取組みとは?

本駒込周辺の広域避難場所に指定されている六義園の様子

文京区では、区のホームページと連動する形で「防災ホームページ」を設けています。
これは、区民の方々に向けた防災・地震対策に関する情報をタイムリーに提供するためのもので、イラストなどを多く用いて老若男女に関わらず、誰もが利用しやすいものとなっています。

内容としては、任意の地点間の避難路を距離や時間を含めて表示する「避難経路探索」や、条件を入力すれば地震や火災の被害発生をシミュレーション予測できる「被害予測」が、GIS(地理情報システム)を用いて地図上に提供されるといったものがあります。

また、区役所が入っている文京シビックセンター屋上に2ヵ所設置されている高所カメラ映像のほか、ピンポイントの「防災気象情報」や「安否情報の登録・検索」、さらには小さい子供にも防災意識を持ってもらうために「キッズページ」を設けるなど、大いに役立つ機能と情報が用意されています。

特に、地図データのシミュレーションは一度やり始めたらはまってしまうほどで、内容はリアルながら、ゲーム的な要素を付加することで防災情報を多くの人に知ってもらうことを目的としています。
非常に重要な内容だからこそ、利用しやすい演出が施されたサイトとして評価できるのではないでしょうか。

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