中野エリアの再開発ついに「駅地区」も再開発 五輪モードに突入する中野

中野エリアは渋谷区新宿区と接し、区の大半が住宅街となっている利便性の高いエリアです。
昭和30年代以降多くの漫画家が住み、現在もアニメーション制作が盛んなことから、秋葉原と並んで「サブカルチャーの街」として広く知られています。
近年は再開発が進み、2012年には「中野四季の都市」がオープン。
さらに警察大学校跡地に造られた「中野セントラルパーク」には早稲田、明治、帝京平成と3つの大学のキャンバスを誘致しています。
またキリングループの本社機能も中野セントラルパークサウスに集結しています。

「これで中野エリアの再開発も一段落か」と思われたのも、つかの間。現在では中野駅周辺で中野エリアのランドマークともいえる中野サンプラザと中野区役所の解体、そして駅ビルの建設というさらにスケールの大きな開発計画が進行しています。

中野エリアの再開発

中野エリアは中央線沿線を中心に戦後~昭和40年代にかけて宅地化が進んだエリアです。
人口の増加に伴いオフィスビルや商業施設も充実しました。
しかしランドマークである中野サンプラザの築年が1973(昭和48)年で老朽化が進んでいることからもわかるように、エリア全体として不動産物件の築年数が古くなっています。
このため近年は古いマンションのリノベーションや一戸建て住宅のリフォーム需要が非常に高くなっていました。

しかし、2012年に中野四季の都市のオープンを皮切りに、中野エリアの中心部であるJR中野駅、中野区役所、中野サンプラザを含む「駅周辺」の総合的な開発計画が立てられ、近年の都市再開発のトレンドである「まちづくり」規模の再開発が進められています。
つまり駅地区、中野セントラルパーク、中野四季の都市を一体化し、1つの街としてグランドデザインするという試みです。

さらに中野駅の東側・南側にあたる中野5丁目、2丁目も再開発して新都市を拡張し、新しい中野エリアの中核都市とする「中野二丁目地区再開発」も進められています。

駅地区再開発の具体的な内容ですが、まず再開発の「本丸」にあたるJR中野駅では駅の南北を結ぶ陸橋型の自由通路をつくり、そして橋上駅舎と駅ビルを建設することになっています。
中野サンプラザと中野区役所は解体され、1つの施設に合体して再整備されます。
中野区都市政策推進室による「中野区都市計画マスタープラン」では、JR中野駅を中心に中野2・3・4・5丁目と東西南北に広がる巨大な新しい街が誕生する予定です。

この計画によって

・駅周辺の道路交通環境が整備され、東西、南北の往来が活発になる
・従来中野通りに集中していた車の流れを道路整備によって分散し、渋滞や輻輳を緩和する
・ビジネスマン、学生など昼間人口の増加に対応するため、歩行者経路を充実させる
・道路の拡幅、南口駅前広場の整備などで歩行者空間を形成する

などを実現し、「にぎわいと暮らしの調和のとれたまちづくり」を目指すことになっています。

不動産投資家であれば、単に街をリニューアルするだけではなく「地域住民にとって生活しやすい快適な都市空間づくり」に注力している点にも注目するべきでしょう。

再開発でどんなメリットがあるのか?

このように「新しいまちづくり」が進む中野エリアではありますが、不動産投資家にとってはこれら一連の再開発にはどのようなメリットや魅力があるのでしょうか。

1つは昼間人口の大幅な増加による商業施設の充実があげられます。
3つの大学の誘致により若者の通学者が増えて、キリングループの誘致などで通勤者も大幅に増加しました。
中野サンプラザの再開発により、コンサートやイベントに訪れる客もさらに数が多くなることが期待できます。
サブカルチャーの中心地、中野ブロードウェイには今後さらに国内外の観光客を積極的に集客していく予定です。

これらの昼間人口の増加に対応すべく、新商業施設・既存商店街ではショップ・飲食店が充実していくでしょう。
それに伴って商業施設で働く人口も増加します。駅周辺の商業地やその周辺の住宅地の地価は今後大幅な上昇が予想されます。

中野2丁目に集中する東京都住宅供給公社中野駅前住宅も今後順次建て替えられる予定となっており、このほかにも中野区は予測される人口増に対応するため良質な住宅を積極的に供給する姿勢をみせています。
このことから、中野エリアの住宅地地価は全般的な上昇が予測され、今後は老朽化したマンションや一戸建て住宅の建て替えが加速するものと思われます。

中野エリアの再開発は、商業・公共・ビジネス関連の施設の整備完了を東京オリンピック開催年である2020年にあわせ、まちづくり全体の完成を2024年とするめどを立てています。

五輪モードに突入し、再開発スピードに拍車がかかる中野エリア。
まだその全体完成像が予測できるような大きな変化は見えません。
オリンピックが近づき、再開発の成果が目に見えるようになるにつれ、不動産価格は高騰するものと思われます。「これぞ」という物件を見つけたら、地価が高騰する前にすみやかに手に入れておきたいエリアかもしれません。