3Aエリア、不朽のステイタスと不滅のブランド力

3Aエリアとは、東京都港区麻布赤坂青山の総称です。
東京23区内で相対的に不動産人気が高い城南エリア(品川区目黒区大田区など)の中でも港区のエリアは抜群のブランド力を誇りますが、3Aエリアはその中でもさらに別格ともいえる人気を集めています。

東京23区内には3Aエリアに引けをとらない高級住宅地はいくつもありますが、都心に近いというよりも「都心そのもの」に位置し、規模が大きく、全国的に名前がとどろいているという点において、3Aエリアがずば抜けていることは間違いありません。

不動産資産の価値をみるにはいろいろな尺度があると思いますが、不動産投資による収益を狙うのであれば利回りに注目すべきでしょう。
しかしもう1つのより重要な尺度として「地価の下落のリスクが少ない」ということがあります。
エリアブランドが長期安定して高く、ステイタスとしての価値もあり、なおかつ需要が安定していて供給過剰になるリスクが少ない。
これらの点から、3Aエリアは保有資産としての不動産を持つのには国内でも最もふさわしいエリアと考えられます。
この3Aエリアの特徴を個別にみていくと以下のようになります。

麻布

全体的に起伏の多い地勢で鉄道網も特に充実しているとはいえないエリアでしたが、東京メトロの南北線と都営地下鉄の大江戸線が開業したことから一気に利便性が高まりました。
しかし、もともと麻布の高台に多く居住している富裕層は公共交通機関の利便性などは特に問題にはしていません。
むしろその閑静さが高級住宅地として愛されてきた経緯があり、それが昭和期から今日に至るまで安定した高い人気を誇る理由になっています。

赤坂

かつては高級料亭街として知られた赤坂。国会議事堂、財務省や経済産業省などの官公庁、アメリカ合衆国大使館などが近く、国内外の要人や高級官僚、エグゼクティブが多く集う街です。
最近では東京ミッドタウン、赤坂ツインタワー、赤坂Bizタワー、赤坂インターシティなどの高級オフィスの供給が盛んでビジネス街としての性格も強まっています。
しかし、表通りから一歩奥に入ると閑静な高級住宅街が広がっており、都心とは思えないほど緑地が豊かな地域であることも人気の一因となっています。

青山

日本の若者文化やファッションの発信地として高い人気とブランド力を維持し続けている青山。
もともとは江戸時代に大名の下屋敷などが多く置かれていた地域で区画や街路が広いことから空間の使い方がゆったりとして贅沢な点が人気の理由の1つになっています。

流動性の高さにも注目

最近は東京オリンピックが大きく影響して、3Aエリアでも投機的目的の不動産売買が増えていますが、3Aエリアの最大の魅力はいつの時代も変わらない安定したブランド力にあります。
そのため3Aエリアは資産価値の長期的な保全性の高さとゆっくり確実に上昇していく地価に魅力を見いだす地域といえるでしょう。
また需要が常に高いため、いざ資金が必要となった時の資産流動性の高さにも注目しましょう。
加えて「3Aエリアに不動産を持っている」という事実はそれだけで高いステイタスになり、精神的な満足度も高いものとなるでしょう。

3Aエリアにおける不動産地価の推移

国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告(平成27年第1四半期)」によれば、3Aエリアの概況はおよそ以下のとおりです。(鑑定評価員のコメントを抜粋・要約)

麻布(麻布に対する記述はないため、六本木の評価より抜粋)

総合評価は前期に引き続き今期も0~3%上昇。
周辺地域(虎ノ門など)の再開発計画の影響もあり、優良物件に対する需要は旺盛。
開発素地とするための中小規模ビルの取引も活発。
周辺で複数の再開発事業が進捗しているためオフィスなどの供給過剰の懸念はあるが、都心部の大型優良オフィスビルの賃貸需要が強ことから、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

赤坂

総合評価は前期に引き続き今期も0~3%上昇。
土地の取引が少なく地価動向を把握するのは困難だが、オフィスの賃貸市場は安定してきており、賃料水準は緩やかな上昇から横ばい傾向に以降。
ただし優良なオフィス環境をそなえた物件に対知る投資需要は引き続き強い。
地価動向は引き続きやや上昇傾向にある。都心部の優良物件については空室率の低下が進んでおり、オフィス賃料は今後上昇に転じると思われる。

青山(南青山)

総合評価は前期に引き続き今期も0~3%上昇。
相続税対策の国内富裕層・日本への不動産投資をもくろむ外国人投資家、価格上昇期のキャピタルゲインを狙う国内投資家などの需要が旺盛で、中古マンション・小規模店舗ビル、土地などの取引が盛んに行われている。
東京五輪の経済効果を狙って高値の取引が成立しており、取引利回りは低下傾向。
賃貸需要が増えたことから賃料が緩やかな上昇に転じており、地価動向は上昇傾向にある。
高級賃貸物件を筆頭に賃料が上昇し、さらなる不動産価格の上昇が見込まれる。

このように3Aエリアの地価はいずれも緩やかながら安定した上昇傾向が続いており、今後さらなる上昇が予測されています。
また鑑定評価員のコメントをみると、3Aエリアの中でもとりわけ高級物件・優良物件の需要が高く安定していることが読み取れます。
3Aエリアの不動産物件を狙うのであれば、物件のクオリティーを重視するか格安物件を取得してリノベーションをするなどの方向性を検討するのもよいかもしれません。